二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 【ダンボール戦機W】バン×ハルと失われた過去 ( No.243 )
日時: 2012/10/17 22:34
名前: レッド ◆mAzj/Mydf. (ID: hSo8a19A)

第10章 リンに忍び寄る影、その正体は?

(ストーリーモード:リン)

仲直りしたあの夜から2週間経った頃、高校生活にも慣れてきた。
空手部の練習を終えた夜、時間は8時になっていた。

「うわ〜遅くなっちゃったか」
「そうだね、家まで送ろうか」

たまたま、優が送ってくれるということになった。
彼女と一緒に居ると仲良く話しながら歩いて帰るのも楽しい。

「そうだね、バン兄さんに迎えに来てもらうわけにはいかないもんね」

飲んだくれてる兄貴に頼み込むのはどうなのか。
でも、心優しい兄だから相談しやすいというのもあって話す気になれた。

「バンさんはリンのことを気遣ってるのかもしれないよ」
「そうかなぁー・・・・・・でも、兄さんは私を可愛がってくれるから話しやすいよ」
「ま、ある意味ではね・・・・・・・バンさんも尊敬しているし、私はリンのことが心配だな」

優にからかわれてはいけないし、話についていくのがやっとだ。
それにしても、気になることが1つあった。

「そういえば、帰り道を歩いている時さ・・・・・・」
「何か気になることでもあるの?」
「うん、優は知らないかもしれないけど・・・・・・・誰かに後をつけられているような気がしてさ」

誰かに後をつけられているような気がしてならなかった。
その事を健太と直太に話してみたのだが、気のせいじゃないかと言われた。
何か納得いかないし、気になっていて仕方がない。

「後をつけられてる?」
「な、何となくだけどね・・・・・・」
「まさか、それは有り得ないってー」

優は手を振りながら、笑って否定する。
そんなことだろうと思っていたが、バン兄さんにその話をしようかと思って悩んでいる。

「バン兄さんに言おうかな」
「そうだね、バンさんに言った方が良いよ」

優に励まされ、コクリと頷く。
やっぱり、家に帰ったら話そうかと思いながら促した。

「さっ、帰ろうか」

部室で着替えを終えたのと同時にスポーツバックをしょって出た。
優と一緒に歩きながら、帰路についた。




河川敷を経て、帰り道を歩いている私と優はふざけ合いながらじゃれあっていた。

「バンさんに怒られたら、ひとたまりもないもんね」
「何言ってんの、優!」
「まぁまぁ、そう言わずにさ・・・・・・ん?」

優がいきなり立ち止まったので、何事かと思って振り向く。
すると、そこにいたのは1人の怪しげな男。全身に黒ずくめを纏ったかのような感じになっていて、不気味さが漂う。

「何あれ?」
「さぁ・・・・・通り抜けようか」

そう言いながら、優と話していたその時。
黒ずくめの男が私を見て呟きながら、ゆっくり問いかける。

「山野リンだな?」

目が大きく見開かれ、いきなりの展開に戸惑う。
何で私の名前を知っているのか・・・・・・そこが気になる。

「ちょっ・・・・・・どうして、私の名前を知っているの?」
「山野リン、逆らうと殺すぞ」

あるものを取り出しながら、目の前に突き出す。
その正体はスタンガン、それを罠に嵌めさせるつもりでいたのだろう。

「リン!」
「くっ、私の名前を知っていたとはね」

顔をしかめながら、優にバッグを預ける。
優は動揺しつつ、目を丸くして驚きを隠せなかった。

「リン・・・・・・」
「あんた、いったい何者なの?」

相手の男に向かって問いかける。
男はクククッと不気味な笑みを浮かべながら、伏せていたパーカーを取る。

「あっ・・・・・・」

目の前にいる青年を見て驚きを隠せなかった。
まさか、そこで再会を果たすことになるとは想像していなかったのだ。

「早間綺羅・・・・・・」

呆然と立ち尽くす私は突然の展開についていけない。
目の前に現れた青年・早間綺羅、いったい何者なのか?