二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 【ダンボール戦機W】バン×ハルと失われた過去 ( No.251 )
- 日時: 2012/10/18 18:35
- 名前: レッド ◆mAzj/Mydf. (ID: hSo8a19A)
第11章 リンの幼馴染・早間綺羅、登場!
(ストーリーモード:リン)
帰り道に出くわした青年と再会を果たしてしまう。
青年は早間綺羅(はやま きら)と名乗る男だった。
「キラ、なんで・・・・・・」
5年前、行方不明になったはずのキラが目の前にいることが信じられない。
因縁相手でもないのに、急に消えた幼馴染が目の前にいる。
「リン、知り合い?」
「うん・・・・・・知り合いっていうか、前に住んでた家の隣にいた幼馴染なんだ」
衝撃の事実が語られる瞬間、幼馴染だと知った優は目を丸くして驚いた。
幼馴染であることは分かったが、いったいどういうことなのか?
「リンに幼馴染がいたって・・・・・・・」
優が驚くのも無理はない。目の前にキラがいるということは何か理由があるはずだ。
バン兄さんたちにはまだ話していないのだが、なぜキラがいるのかも知りたい。
「確か、誘拐されたはずのあんたが何でここにいるの?」
「ある人に助けてもらってね・・・・・・ククク」
キラの目は行方不明になる前と違い、虚ろな目つきになっている。
いったい、行方不明になってた間に何があったのか知りたいくらいだ。
「行方不明になっている間に何があったの?」
「俺は憎いんだ・・・・・・憎しみをぶつけてやるんだ!」
キラの目が私を捉え、恐怖を与えるかのような感じになっていく。
その目を見た瞬間、キラに何か変化があったことは確かなようだった。
「憎しみって・・・・・・まさか、復讐しようとするつもりなの?」
「ああ、そうだ・・・・・・察しが良いな、リン」
キラが何をしでかすかは何となく分かっていた。
優を守りきらないとまずいので、優の前に立ちはだかる。
「リン!」
「優、あんたは先に逃げて!!」
「でもォ・・・・・・・」
優は怯えきったような目でキラを見やる。
キラが私たちを見据えながら呟いた。
「リンの友達も一緒に気絶させてやろうか、ヒヒヒ」
「キラ、あんたは誰かに操られてるんだよ!」
何者かに操られている可能性が高まった。
キラの虚ろな目つきといい、行方不明になる前の姿と比べて違うことから考えると・・・誰かが仕組んだことも有り得る。
「俺が操られているって? 笑わせんなぁー!」
キラは狂気に駆られてしまい、顔が豹変したかのように襲い掛かった。
何もかも信じたくない、こんな形で再会を果たしてしまうなんて---------
「こんなの、こんなの・・・・・・キラじゃない!」
行方不明になる前の優しそうな笑顔が見たかった。
なのに、変わり果てた姿で現れて・・・・・・・いったい、何があったのか。
「リン・・・・・・」
優の言葉を聞いて、ゆっくり目を閉じる。
(キラ・・・・・・なんで、こんなことに--------------------------)
キラ、あんたの悩みを聞いてあげられなかった。
あの日の記憶を思い出したくなかったし、これくらいは大目に見てあげたい。
その思いを胸に入れ、閉じていた目を開けてキッと見据えた。
「私を気絶させられるなら、やってみな!」
怒りのオーラが全身を纏いながら、ゴゴゴ・・・・・・と滾らせた。
キラを叩きのめすしかない、本気で気絶させて聞き出すか!
戦いの火蓋は切って落とされた。
「ああ、上等だ!」
そうこなくっちゃなと言いながら、ニヤリと笑う。
キラの不気味な笑みを見る限り、嫌な予感が的中する。
「あっ!」
不意を突かれ、優の首にスタンガンを突きつけられる。
優は首にスタンガンのダメージを受けて気絶させられてしまった。
「優っ!」
気を失って倒れている優を見て、キラに向かって睨みつける。
こんなの、いつものキラじゃない!
「残るは、リン・・・・・・おまえだ」
「キラ・・・・・・」
幼馴染のキラはこんな性格ではない。本来はいつも素直で優しい性格だったはずなのだ。
キラと一緒に遊びながら過ごした記憶は今でも覚えている。
「何があったのか知らないけど、叩きのめしてやろうかぁ!」
はぁぁぁぁ--------------------と戦いの準備に入ろうとした矢先、いきなり背後に回りこまれた。
「なっ・・・・・!」
動くのが思ったよりも早く、すぐに身動きが取れない。
行方不明になる前の彼はこんなはずではなかった。
「もう終わりだよ」
キラは不気味な笑みを浮かべながら、ニヤリと笑った。
隙を突かれた私は首にスタンガンを当てられ、意識を失う。
「ぐあああ・・・・・・っ!」
その場に倒れ込みながら、そこで倒れた優を見て呟く。
「ぐうっ・・・・・・ゆ、優・・・・・・」
徐々に意識が朦朧としてきて、気を失った。
そして、深い眠りに落ちていく。
キラは不気味な笑みを浮かべながら、スタンガンを捨てる。
「ちっ、リンだけ連れ去ろうとしたのになぁ・・・・・・」
その場で倒れ込んでいる望月優の身体を担いで、車に乗せる。
続いて、リンを車に乗せていく。
「キラ、ご苦労だったね」
外国人の声からして、どこかで聞き覚えのある声がしそうだ。
キラは満足そうに頷いて、後ろの席にリンと優を乗せた。
「ククク、アジトに戻りましょうか」
助手席に乗ったキラは隣の運転席に座っている外国人風の女性を見据えた。
女性は満足そうに頷き、車のキーを入れて発進させる。
『ブロロロ・・・・・・』
リンと優の2人を乗せた車はどこかに走り出して、立ち去っていった。
その行き先がどこなのかはまだ、誰も知られていなかった----------------------