二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 【ダンボール戦機W】バン×ハルと失われた過去 ( No.269 )
日時: 2012/10/19 20:23
名前: レッド ◆mAzj/Mydf. (ID: hSo8a19A)

第12章 ハルが河川敷で見つけたものとは?

(ストーリーモード:健太)

自宅でリンの帰りを待っていた健太と直太は2人揃って、首を傾げていた。

「そういえば、遅いな・・・・・・」

リン姉さんが帰ってくる時間はたいてい、9時or9時半ちょうど。
いつもはまっすぐ帰ってくるはずなのに、遅くまでいるはずがない。

「遅いのは、いつものことじゃないの?」
「いつもどころか、遅くないか?」
「でも、バン兄ちゃんは隣の部屋で飲んでんじゃない?」
「まさか、兄貴がそんなことをするわけないだろ」

兄のバンは部屋で気分転換に酒を飲むことがある。
今日に限って、それはないと思うが・・・・・・念のため、見に行くことにした。

「とりあえず、行ってみるか」
「そうだね」

2人で楽しそうに話しながら遊んでいた時だった。
ドアの方から聞きなれた声がした。

「2人とも、何の話をしてんだー?」

振り向くと、隣の部屋に居るはずのバン兄さんが突っ立っていた。
しかも腕を組みながら、俺たちのところに歩み寄る。

「リン姉ちゃんが帰ってこないけど、どうしたのかな?」

直太がヒョコッとバン兄さんに駆け寄りながら甘えた。
人懐っこい笑顔を見せる直太はいつも明るい。

「そういやぁ、遅いな・・・・・・」
「だろ? 迎えに行ったほうが良いんじゃ・・・・・・」

リン姉さんの身を案じて、迎えに行くという手もあったはず。
でも、迎えに行くには暗いし、歩くのもやっとだろう。

「兄貴」
「んー?」
「酒を飲んでないの?」
「少し飲んだ。少しくらいなら平気だろ、ハハッ」

そう言って笑う兄のバンを見て、直太と顔を見合わせる。
飲んだかもって言うからには、怪しすぎるけど・・・・・・兄貴のことだから、きっと飲んだのだろう。

「でも、リンが戻ってくるまで待ってれば良いじゃないか」
「兄貴・・・・・・それを言うなら、ハルさんに聞いた方が良いんじゃないの?」

兄貴の幼馴染である人見晴香さんに聞いた方が手っ取り早い。
空手部の先輩であるわけだし、話を聞くのは遅くないと思うのだ。

「ああ、ハルかぁ・・・・・・・」
「何、ハルさんが嫌なわけ?」
「バカ言ってんじゃねーよ、ハルのことは別に嫌いじゃないんだぞ」

バン兄さんは俺を見て呆れながら、苦笑していた。
ハルさんに何度か怒られたことがあるくせに、酒を飲んでは寝てしまったことなんかもあって大変だった。
今、思えば苦労しなかったのかもしれないなとつくづく思う。

「へぇ、兄貴のことだから嫌ってんじゃないのかと思ったよ」
「きらっ・・・・・!?」

カアーッと頬を赤らめながら、顔をしかめる。
その姿を見て、ニヤリと笑う俺と直太。兄さんをからかうのも面白い。

「お・ま・え・らなぁ〜」
「あはは、ごめんー」

そう言いながら謝っていたが、バン兄さんは苦笑しながら撫でた。
まあ、兄貴がいるから楽しいけどね・・・・・・直太も兄貴のことが大好きなわけだ。

「ったく、からかうのはいい加減にしろよー」
「あはは・・・・・・」
「しょうがねぇな、俺は隣の部屋に戻るから」

隣の部屋に戻った兄のバンを見送った。直太が本棚に入っていた1つのアルバムを取り出した。

「そういえば、リン姉ちゃんのアルバムに載ってた男の子って・・・・・・誰だろ?」

直太が指差したその先にはリンと見知らぬ少年が一緒に並んで写っていた。
この人とは知り合いなのかと思いながら、何度か聞こうと思っていたのだ。

(しかし、リン姉さんがいないから聞き出せそうもない)

帰ってくるまで待つことにしようかと思いながら、考え込んでいた。
そのとき、インターホンが鳴った。

『ピンポーン』

こんな時間に誰だろうかと思いながら、階段を降りる。




玄関のドアを開けると、バンの幼馴染・ハルさんが1つのスポーツバックをしょっていた。

「こんばんは、リンちゃんのバッグでしょ?」

ハイと左手でスポーツバッグを差し出しながら渡してくれた。
なぜ、リン姉さんのスポーツバッグが落ちていたのだろう?

「ハルさん、これをどこで見つけたんですか?」
「詳しい話は中でするから。それより、バンはいるの?」
「いるんだけど・・・・・・とりあえず、上がって」

ハルさんを促しながら、家の中に招き入れた。
2階に通じる階段を上りながら駆け上がっていく。

「バンを驚かせてやろうかな」
「えー無理だって」

そう言って話しているうちに部屋の前にたどり着いた。