二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 【ダンボール戦機W】バン×ハルと失われた過去 ( No.3 )
日時: 2012/10/09 22:52
名前: レッド ◆mAzj/Mydf. (ID: hSo8a19A)

第1章 1人の少女・リンとの出会い

(ストーリーモード:バン)

1年後のミソラタウンでは、平和な日常が続いていた。
ミソラタウンの町内にある山野家では、のほほんとした日常生活を送っていた。
2階にある部屋のベットに佇みながら、Lマガを読んでいる青年は眠そうに欠伸した。

「ふわぁー」

眠気が迫ってきたのか、さっきまで読んでいたLマガの雑誌を枕元に置いた。

「眠い・・・・・・」

そう言いながら呟き、目を閉じようとしていたその時。
部屋のドアが開かれ、そこに現れたのは母さんだった。

「母さん?」
「バン、ちょうど良かったわ。今からミソラ駅まで行ってきてくれない?」
「えーなんでだよ、俺は眠いのー」

大学3年生になった今、授業は週3回しか行かないことが多くなった。
月・木は休みなので、自宅の2階で寛ぎながら寝ていることが多い。
たまに昼間から酒を飲んでいることもあるが、今日は飲む気になれなかった。

「バンには話してなかったけど、先週の木曜日に親戚の方がいらしてね」
「親戚?」

母の言った言葉に違和感を感じた。
はて、親戚なんていたかと思いながら首を傾げる。

「健太と直太の親戚ね。実の両親の父親がいらして、女の子を引き取ってもらえないかと申し込んできたの」

母の話を聞く限り、何か事情があるらしい。
その事情を飲み込めたのか、少し察した。

(-------------女の子?)


そういえば、健太と直太のお姉さんがいたと言っていたのを思い出す。
1年前に聞いた話だから、それが本当かどうか定かではない。

「ねえ、母さん・・・・・・・」
「ん?」
「その女の子って、この子のことじゃないの?」

メモ帳に挟まれていた1枚の写真を見せる。
その写真には、大人しそうな印象を受ける1人の少女が映っていた。
髪型はショートヘアーでボーイッシュな感じになっていて、目は全体的に黒で落ち着くかのようなイメージだ。
服装はカジュアル系ファッションを好んでいるようで可愛らしさを演出している。

「あ、この子だわ」
「やっぱり、そうなのか。今から迎えに行けって言ってたんだ」
「そういうことよ、支度して行ってきなさい!!」

ほらほらと言って急かす母さんを見て思わず苦笑した。
やれやれと思いながら、ショルダーバックをしょって見つめる。

『プルルル・・・・・・』

その時、CCMの着信音が鳴り始める。
ズボンのポケットから取り出して、テレビ電話を通す。

『ヤッホー! 今、家の前にいるんだけど・・・・・・』

電話の主は幼馴染の人見晴香だった。
こいつは俺の幼馴染でハルって言うんだけど、幼い頃からずっと仲がよく面倒見が良いヤツなんだ。

「ハル、家の前にいるのか?」
『うん、バンに用事があってきたんだけどさー』
「そっか、これから出かけるところなんだけど・・・・・・用件は歩きながら聞くよ」
『本当!? 絶対に聞いてくれるよね!!』

ハルに突っ込まれそうになりかけたので、ハァーッと溜息をついた。
そんな俺の様子を見かねた母さんがキラーンと目を輝きながら呟く。

「ハハーン、さてはバンに恋してるってとこかしらね?」
「恋!? そんなのありえないって!!」

母さんはそうやって、いつも俺をからかう。
そのからかい方が気に入らなくて、部屋を出てしまった。

「ったく、人をからかうの止めてくれよなぁー?」
「だって、バンを見てると面白いんだもの」

母は顎に手をやりながら笑って答える。
そんな母さんを見ていると、なぜか嫌な気分になる。
どうでも良いかと思いながら、階段を駆け下りる。

「はぁ・・・・・・ハルの前でからかうんじゃないよ」
「分かってるって!」

本当に分かってんのかねぇ・・・・・・・そう思いながら、玄関に向かう。
靴を履いて、自宅を出る。

「あ・・・・・・」

目の前に1人の女性が突っ立っている。
ハルが待ってくれていたのだ。

「バン、何してたのー」
「何もしてないよ、用意してただけ」

出かける用意していたのは、事実なのだ。
幼馴染の前で変なことを吹き込まれたら困る。

「ハル、一緒に行こうぜ」
「うん、そうだね」

俺たちは河川敷に向かった。




数分後、俺たちは河川敷を歩いていた。
ハルが用件を言いに来たのは確かなので、話を聞くことにした。

「そういえば、俺に何か用?」
「うん、今度の飲み会は行かないの?」
「飲み会かぁ・・・・・・」

そういえば、後輩のヒロに誘われたことを思い出す。
ヒロが言うには、LBXバトルを兼ねた居酒屋ができたらしい。
そこで飲み会をやりながらでも、LBXバトル大会を実施させたいという提案が上がったそうだ。

「でも、酒を飲んでると寝ちゃうから止めようかと思う」
「バンは飲みまくるだけ飲んで寝ちゃうからね・・・・・・」

ハルも同感だったようで、飲み会はゴリゴリだと言いたいくらいだろう。
俺は飲み会が好きだし、別に嫌いなわけではない・・・・・・ただ、強引に連れて行かれるのは勘弁してほしかった。

「確かにあれだけ飲んだら寝ちまうのは確実だよな」
「そうだねー飲み会は止めといたら?」

断りを入れようかなと思いながら、ハルを見つめた。
大学3年生になった今でも可愛いと思うし、気に入っている。

「どうしたの、バン?」
「何でもないよ」

ブンブンと首を振りながら、ハルを見つめ返す。
幼馴染を持つと苦労することって・・・・・・こういうことなのかと思いながら考える。

(ハルがいなきゃ、酒を飲まなければ済んだかもしれないな)

飲むのは止めなよーって言っても、泥酔しては寝てしまうことが多かった。
ハルがいてくれたおかげでどうにかなったものの、母親に説教されたことは本当に嫌な思い出だ。

(まぁ、ハルがいてくれて良かったな)

幼馴染の存在を認め、そこで仲良くしていきたいと思った。
ハルは俺の大切な仲間であり、幼馴染の1人だと認めているからだ。

「バン?」

物思いに耽っていたその時、ハルに話しかけられた。
今まで何も考えてこなかったような気がしてならなかった。

「ハル、ミソラ駅に行こう」
「うん!」

河川敷を経て、俺たちはミソラ駅に向かった。