二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 【ダンボール戦機W】バン×ハルと失われた過去 ( No.318 )
日時: 2012/10/24 18:19
名前: レッド ◆mAzj/Mydf. (ID: hSo8a19A)

短編2の続き(ナオ視点)

なぜ、ヒロが知っているのか気になった。
いつもよりも酔っているせいで呂律が回らないのかもしれないが。

「ヒロ、何で知ってんの?」
「バンさんから電話があって、その時に聞いたよー」

のんきに答えながらも眠そうに見つめるヒロ。
そんな彼の様子を見て、チャーハンを食べていた。

「バンさんから聞いたの?」
「そういうことーっていうかさぁ・・・・・・」

ヒロは腕を組みながら、顔を伏せて呟いた。
何が言いたいのだろうかと思いながら見つめ直す。

「僕が言いたいことは分かってるよね?」
「ひ、ヒロ?」

顔を上げて、トロンとした目で私を捉えるヒロを見て驚く。
あの日の夜、気になったことでもあったのだろうか。

「あの時、僕が余計なこと言ってないのに・・・・・・・何で急に帰っちまったの?」
「そ、それは-------------------」

酔いつぶれていそうな予感がするヒロを見て躊躇う。
幼馴染だからってからかう余地なんかもないだろうか。

「・・・・・・僕が何も感じないと思ったのかい?」
「------------------え?」

ヒロの言葉を聞いて、驚きを隠せない。
幼馴染だからこそ、何かを感じ取ることができた。

「ナオは親がいなくて辛いかもしれないけど、天国から見てくれてるはずだよ」
「ヒロ・・・・・・何を言って---------------------」
「おまえはいつも強がってるから、余計に気遣っちまうよ」

いつも強がっている・・・・・・私がヒロに気遣わせていたのかもしれない。
幼馴染として信頼していたヒロはいつも優しく接してくれた。
そんなヒロが大好きだったし、悩んだときも話しかけてくれる。

「ヒロに分かるはずないもん!」
「あのな、ナオ・・・・・・僕がどんな思いで見てきたと思う?」

ヒロは腕を組みながら、向かい側の席に座っている私を捉えて言い放つ。
ナオに対する思いが強かったのか、いつも心配していたのだろう。
幼い頃から育んできたナオとの絆を深めていきたいと思うようになったのは、いつからだったろうか。

「僕はナオのいろんな姿を見てきたけど、やっぱり親がいないという寂しさを紛らわせようと思って生きてきたんじゃないのか?」

両親がいない私の気持ちを分かってくれる人はヒロしかいない。
幼馴染だから話せる人が少ないのは、その影響によるものだ。

「いつも気を紛らわせようとしてたんだろォ?」
「ヒロに分かるわけないでしょ!」
「最後まで僕の話を聞け」

ヒロは溜息をつきながら、腕を組んで呟いた。
それでもかまわずに話を続けた。

「バンさんたちも薄々、気づいていたんだと思う。おまえのことだから、何か悩んでるんじゃないかって・・・・・・僕の勘だけど、おまえはいつも悩み事を抱えながら生きてたんじゃないの?」

ついに図星を突かれた。そこまで分かっていたとは想像していなかった。
確かに悩み事を抱えながら生きてきた。でも、ヒロに分かるはずがないと思っていたのだ。

「やっぱり図星か」
「ヒロ、そこまで分かってるなら・・・・・・っ、どうして・・・・・・」

チャーハンを食べ終えていた私は涙が溢れてきて、ヒロを見て呟く。
いきなり泣き出したのを見て驚きを隠せずにいるヒロ。

「お、おい・・・・・・ナオ?」
「ヒロのことが・・・・・・・大好きだから-----------------」

ヒロは眠そうな顔をしていたが、仕方なく席を立った。
私の隣の席に座り、ソッと抱きしめる。

「バカ、そんなことで泣くなよ。僕もナオのことが大好きだよ」

ヒロから放たれた言葉・・・・・・告白とも読み取れていた。
そんな彼の言葉を聞いて、顔を上げて見つめ直した。

「ヒロォ・・・・・・」
「いつまでも泣くのは止めなよ。親がいないのは辛いだろうけど、僕が代わりに愚痴を聞いてやるからな」

ヒロは私を抱きしめながら、ポンポンと背中を撫でた。
突然のことで怯えていたけれど、ヒロの優しさに救われた。
何度も彼の優しさに救われながら、生き続けてきたのだ。

「ありがと・・・・・・」
「うん、いつまでも泣き虫でいるのは止めとけよ」
「なっ、泣き虫なんかじゃないもんっ!!」

大好きなヒロの頭をポカポカ殴りながらも笑う。
ヒロも私を見て、ニッと笑い返す。ようやく、笑顔を取り戻した瞬間だった。

「悩んでなんかいないで、僕を頼ってよ」
「うん、そうだね!」

ヒロと仲直りしたときはホッとするので、安心できた。
本当にありがとうと言いたいよ、ヒロ----------------------



The End----------------------------------------------