二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 【ダンボール戦機W】バン×ハルと失われた過去 ( No.324 )
日時: 2012/10/24 20:53
名前: レッド ◆mAzj/Mydf. (ID: hSo8a19A)

第13章 バンの幼馴染・樋田優雅、登場! 彼がついに発見したものとは?

(ストーリーモード:優雅)

1時間くらい前、酔い潰れた友人の望月幸介を連れて背負いながら歩いていた。

「ったく、望月のヤツ・・・・・・」

あっさりと酔い潰れて寝ちまうし、困らせてくれるのは毎回のこと。
それでも、兄として優のことが心配でたまらなかったのだろう。

「まあ、どうにかなる問題じゃないな・・・・・・うん?」

たまたま通りかかった駐車場に1台の車が止められていることに気付く。
どう見ても明らかに不審な感じがしてならなかった。

「あの車・・・・・・」

何か乗せられていそうな気がするけど、気のせいかと思ったその時。
後ろの席に誰かが乗せられているのを発見して、その1台の黒い車に駆け寄る。

「・・・・・・っ!?」

後ろの席を覗いてみると、2人の少女が乗せられていた。
2人とも高校生のようだが、その2人の顔に見覚えがあった。

(リンちゃんと優ちゃん!?)

望月を寝かせ、顔を覗いて見る。どうやら、2人とも気を失っているようだ。
その様子を見る限り、何かあったことは間違いなく読み取れた。

「何で、あの2人が車に乗ってるんだ?」

乗せられていたことから考えると、空手部の帰りに誰かと遭遇した可能性が高い。
その様子だと何かあったことは確からしく、2人に呼びかけるのも躊躇ってしまう。

「待てよ、もしかして---------------------」

呼びかけに応じないとしたら、意識を失っているかもしれない。
もしかしたら、事件に巻き込まれたのではないか。

(バンに連絡してみる必要がありそうだ)

CCMを取り出し、アドレス帳を開く。幼馴染の山野バンに連絡してみた。

『はい?』

男性の声が聞こえたので、バンだと分かる。
リンたちを見つけたことを話さなければいけない。

「あっ、バン! 望月の妹、知らないか?」
『優ちゃんのこと? 知らないなー』
「やっぱり? 望月のヤツ、酔いつぶれちゃって。電話したんだけど、出なくてさ」

望月を連れて帰る前、望月家に連絡してみたが・・・・・・なかなか繋がらなかった。
どうりで繋がらなくて、何かおかしいと思っていたのだ。

『望月を起こせるか?』
「起こせないんだよ、爆睡しちまってるんだ」
『爆睡? ったく、のんきに酒を飲んでる暇なんかないだろォ!』
「そう言うなって・・・・・・だが、妙なのはここからだ」
『妙なことってなんだよ?』

目の前で妙なことが起きているのは間違いない。
1台の車にリンと優が乗せられているのだ。

「あの1台の車が駐車場に止まってる。黒い車のようだけど、その中に誰がいたと思う?」

バンに質問しながら、疑問を投げかけてみた。
状況を把握して考え込むバンは顎に手をやりながら、物思いに耽る。
少し経ってから、ある結論に至ったようで何かを悟った。

『おい、ちょっと待て・・・・・・まさか、あの2人が乗せられてんのか?』
「ああ、そのまさかだよ・・・・・・」

リンと優が乗せられていることに気付いていなかったようだ。
バンは状況を察したのか、何か起きそうな予感がしていたのだろう。

『そんな・・・・・・』

俯き加減にしてうなだれるバンを見ていて、本気で妹のことを心配していたようだと悟った。

「リンちゃんは家にいないのか?」
『ああ、まだ帰ってないけど・・・・・・』
「帰ってない? まさか・・・・・・・・」

黒い車の中に乗せられているリンを見て驚く。
じゃあ、最初から閉じ込められていたということになるのか。
では、どうやって誘拐しようとしたのか。そこが気になるところだ。

『優雅・・・・・・何か気付いたことでもあるのか?』
「んー・・・・・・特に気付いたことはないけど、何で2人が捕まってんのかなって」

俺は2人の様子を見て心配しつつ、チラリと見やる。
もしかしたら、ヤバいことになっているかもしれないな・・・とんでもないことに巻き込まれる可能性が高い。

「もしかしたら・・・何かヤバいことになってるかもしれないぞ」
『え?』

バンは驚きながら、俺に向かって聞き返す。
どうも嫌な予感がしてならない。というより、この2人を助け出したほうが手っ取り早いかもしれない。

『どういうことだよ?』
「何かとんでもないことに巻き込まれそうな予感がしてならない」

望月を見やりながら、顔をしかめて言う。
やっぱり感づいていたようだ。先に閉じ込められているリンたちを助け出すことが先決だろう。

『とんでもないことだぁ?』
「・・・ああ。あの2人の様子を見る限り、縄で両手を縛られちまってるしな。もしかしたら厄介なことになるかもしれないぜ?」

そう言いながら答えたその時、後ろから黒い影が現れる。

「・・・っ!?」

後ろを振り返った瞬間、黒ずくめの服を纏った1人の女性と1人の少年が立っていた。
こいつら、いったい何者なんだ?

(こいつら、いったい・・・・・・)

そう思いながら、2人組の男女を見た。
もしかして、こいつらがリンたちを誘拐した犯人?

「もしかして、リンたちを誘拐した犯人なのか?」
「そうだ、邪魔者には消えてもらうよ・・・・・・・」

少年はヒヒヒ・・・・・・と不気味な声を出しながら笑う。
しかも嫌な予感がしてならない・・・バンには悪いけど、CCMの通話を切っちまった方が良さそうだな。

(こいつらに挟まれてしまった以上、逃げ場がない・・・・・・)

この2人組の男女に挟まれて逃げられなくしてしまった以上、ここで戦うしかない。
そうなれば、こいつらを捻り潰すしかない。

「確かに挟まれちゃあ、僕が戦うしかないようだな」

そう言いながら呟いたその時、眠そうな声が聞こえた。

「ふぁー・・・・・・なんだよ、騒がしいな」
「望月!」

酔い潰れて寝ていた望月幸介が目覚めて、俺の前に立っていた。
のんきに突っ立っている場合じゃないだろうと突っ込みながら溜息をつく。

「望月、優ちゃんが誘拐されてんぞ」
「またまた冗談を言って〜・・・・・・こいつら、何者だァ?」
「分かんないけど、やってやるしかないな」
「ああ、そのつもりだ!」

望月と組みながら、戦いに挑むことにした。
戦いの火蓋は切って落とされた。



戦いに突入しようとした瞬間、1人の男の動きが思ったより素早くて身動きが取れない。
その同時に1人の少年は無言でスタンガンを出してきた。

(スタンガン・・・!?)

じゃあ、リンの首についていた痕はスタンガンで気絶させるためだったのか!
そういうことなら抵抗するしかない・・・そう考えた俺は必死で抵抗しようとした。

「優雅!」

望月が叫んだ瞬間、俺の首に何かが当てられるような気がした。
しかもビリッと痺れて、意識が朦朧としてきた。

「ぐっ・・・ぐあああああ!」

スタンガンのダメージを受けて倒れ込んだ瞬間、意識を失った。
その同時にCCMが転がり込んだ。

「・・・っ!」

望月は困惑気味に2人組の男女を見つめる。
この状況では埒があかない・・・こんな時にどうしたら良いのか。

(優雅がやられたままじゃ、僕もやられてしまう!)

こいつら・・・優たちを攫って、何をするつもりなのか?
そう思いながら、2人組の男女に向かって殴りかかった。

「うらぁぁぁ----------------!!」

その同時に叫んだかと思えば、いきなり攻撃を避けられてしまう。
不意を突かれた瞬間、僕の首に何かが当てられた。

「ぐああっ!」

そう、まるで何かが痺れるような感覚だ。やっぱりスタンガンを使ってやったのだろう。

(バン・・・優雅・・・)

そう思いながら、意識を失って倒れ込んだ。