二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 【ダンボール戦機W】バン×ハルと失われた過去 ( No.341 )
日時: 2012/10/28 21:50
名前: レッド ◆mAzj/Mydf. (ID: hSo8a19A)

読者の皆様、一昨日から更新できず申し訳ありません!
しばらく待っていてくれた方のためにも連載を再開したいと思います!!
それでは・・・・・・バンハルの短編スタート!

短編3の続き(ハル視点)

7年前に遡る。この時期はディテクター事件もあって、日本に帰国できなかった。
中2の秋、ようやく帰国することができた。家族と一緒に日本行きの飛行機に乗っていた私は複雑な思いを抱いていた。

(バンに会えるか分からないもんね)

そういえば、バンのお母さんから電話があったのを思い出す。

【一時帰国するようなら、真っ先にバンに会いに来なさい。今週の土曜日に体育祭があるから見に行ってみたら?】

そのときに言われた言葉を思い出しながら考える。
小学校に越してからしばらく会えていない幼馴染。バンはいつも優しくて素直なところがある。

(そんなバンのことが大好きだったし、今はすっかり大きくなってるだろうなぁ)

バンは私の大切な幼馴染なので、一番会いたいと思っていた人だった。
体育祭に姿を見せたら、きっと驚くだろうな。リレーにも出るみたいなこと言っていた。

「どうした、ハル?」
「あ、お兄ちゃん・・・・・・バンに会いたいからさ」

兄の氷介は結構優しいし、バンのことも覚えている。
背が伸びているバンのことだから、私のこと覚えてくれているかどうかも分からない。

「ハハ、バンのことが好きか?」
「うんっ! バンはいつも優しいから大好きなんだ!!」
「日本から国際電話してくるヤツがいるかと思えば、バンだったのか」
「あ、気づいてた?」

バンはいつも眠そうに話を聞いてくれるので、優しい眼差しを送ってくれた。
大切な幼馴染がいなきゃダメだということを信じるしかない。

「何となく気づいてたぜ。バンと仲が良いんだな、今でも」
「何よ、その言い方は」

バンのことをからかう兄は面白く冗談っぽく笑わせてくれる。
兄も大好きな家族の一員として認めているつもりだが、バンがいてくれれば良いだけの話。

「まあ、会えるなら会いたいよね」
「でも、着いたらどうするんだ?」
「どうしようかな、バンの家に泊まらせてもらうわけにはいかないよね」

苦笑しつつも、バンのことを思い出して溜息をついた。
兄も苦笑しながら考えつつ、腕を組む。バンに泊まり込むことを頼むとしても不可能だと思っている。

「そうだな、俺たちはじいちゃんの家に泊まらせてもらうんだしな」
「そうだね! 着いたらさー・・・・・・2人で探索しない?」
「良いな、キタジマとか見ておきたいな」

ゆっくり話しながら、時間があっという間に過ぎていく。
ようやく、日付変更線を越えてきたかと思えば・・・・・・日本が見えてきた。

「わぁー!」

空から見えるミソラタウンの街並み。昔と比べて変わっていたが、かなり賑わっているようだ。

「久しぶりの日本を思いっきり楽しんじゃおうか」
「そうだね! まあ、おじいちゃんの家に着いたら・・・・・・荷物を置きに行こうよ」

氷介とは何だかんだで仲がいい。兄として見ている私はバンに会いたいという気持ちに駆られていた。
その気持ちは今も変わらない、幼馴染として尊敬しているバンが目の前にいてくれれば十分だ。

(バン、どうしてるんだろ・・・・・・)

日本に着き、東京の羽田空港に到着した。到着ターミナルで祖父母が温かく出迎えてくれた。

「お帰り! アメリカでの生活はどう?」
「うん、ただいまー! めっちゃ楽しいよ」
「でも、ハルは結構慣れてきたもんな」
「何よ、このバカ兄貴!」

兄の氷介を見て、自分をからかうのが許せなかった。
それでも和やかな雰囲気になっていたので、荷物を受け取ってから羽田空港の駐車場に向かうことにした。


祖父母の車に乗った後、3時間くらいかけて走った。
ようやく、ミソラタウンの街並みが見えてくる。

「うわー!」
「懐かしいな、ミソラタウン」

相変わらず賑わっているし、結構好きな場所が見られそうな予感がしてならなかった。

「とりあえず、おじいちゃんの家に着いたら2人で探索しながら歩いてきなさい」
「OK!」

兄と顔を見合わせながら笑う。まあ、バンに会えるから良いよね!
祖父母の家に到着し、そこで降りた私たちは両親と祖父母に荷物を頼んだ後、ミソラ商店街に向かうことにした。

(やっと会えるんだ!)

ミソラ商店街に向かった私たちはキタジマ模型店の前にやってきた。
ドアを開ける前に覗くと、赤いパーカーを着たクセ毛の少年がアホ毛の少年とLBXバトルしている。

「あれ、バン・・・・・・?」
「どうやら、そうみたいだな。入ったら?」
「えーだってェ・・・・・・」

小声で話しながら、顔をしかめたのと同時に溜息をつく。
バンに話しかけるのが久しぶりだということもあって、緊張している。
その時、ドアが開く音がして振り返ると・・・・・・キタジマ模型店の店長が現れた。

「あれ、聞き覚えのある声がしたかと思えば・・・・・・ハルちゃんじゃないか!」
「あ、店長・・・・・・久しぶりです」

キタジマ模型店の店長夫妻と再会した瞬間、LBXバトルを終えたのを見かねたアホ毛の少年が私に気づく。

「バンさん、女の子がいるけど・・・・・・」
「え?」

聞きなれた声がして振り返った青年・・・・・・その正体は幼馴染の山野バン。
海外に引っ越す前よりも成長していて、すっかり逞しくなっている。
しばらく見ないうちに大きくなっていたことに驚いて、ビックリした。
おまけにイケメンっぽくなってるし、顔つきも大人っぽくなっていたのだ。

「おまえ・・・・・・もしかして、ハルか?」
「うっ、うん・・・・・・そうだけど・・・・・・」

バンは嬉しそうな顔をして、頷きながら笑った。
私は再会を待ち侘びたかのように、バンのところに駆け寄りながら抱きしめる。

「会いたかったよ、バン!」
「うおっ、何すんだよ・・・・・・」

いきなり抱きしめられたことに動揺を隠せないバン。
久しぶりの再会に躊躇いながらも、満足そうに頷くしかなかった。

「バン、いきなり驚かせてごめん・・・・・・」
「ううん、大丈夫だよ。それよりも久しぶりだな、お帰り!」
「うん、ただいまっ! しばらく見ないうちに大きくなったね」

バンのクセ毛を弄りながら撫で回す。顔をしかめながらも照れくさそうに溜息をつくバン。
そんな彼を見ていると面白くなってきたし、いろいろ話したいくらいだ。

「まあな、俺もあれから強くなったしな」
「去年はアルテミス優勝したんだよね。遅くなったけど、優勝おめでとう」
「あ、ありがとな・・・・・・まあ、ここで話すのもなんだからさー」

バンは周りを見回しながらも苦笑する。
彼は傍にいたアホ毛の少年を呼び寄せた。

「ヒロ、こいつはハルって言うんだ。俺の幼馴染で人見晴香って言うんだけど・・・・・・今はアメリカに住んでる」

バンが紹介してくれて、本当に助かった。
ヒロと呼ばれたアホ毛の少年は私に向かって挨拶した。

「初めまして、僕は大空ヒロです。中1ですけど、バンさんとは仲良くしていただいてます。よろしくお願いします!」

なんて礼儀正しい子だと思いながら、流石はバンの後輩と言ったところか。
私もすぐ挨拶しなきゃいけないなと思いながら、握手を求めた。

「私は人見晴香って言うんだ。バンの幼馴染だけど、ハルって呼んでね! これからもよろしくね!!」

ヒロも握手しながら握り返してくれたので、初対面だったのにも関わらず仲良くなれそうだと感じた。