二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 【ダンボール戦機W】バン×ハルと失われた過去 ( No.346 )
- 日時: 2012/10/29 01:53
- 名前: レッド ◆mAzj/Mydf. (ID: hSo8a19A)
短編3の続き(ハル視点)
そう思った瞬間、バンは私とヒロを見据えた上で過去の記憶を思い出しながら話し始めた。
「1年前、中1だった俺は1つのLBXとの出会いをきっかけにイノベーターの陰謀を巡る事件に巻き込まれた」
「ええっ!?」
私は目を大きく見開き、まるで信じられない光景を見つめているかのようだった。
当時はイノベーターの陰謀を巡る事件に巻き込まれていた彼はアミやカズ、郷田、仙道たちと出会い、LBXを通じて知り合った多くの仲間がたくさんできた。
「1つのLBXっていうのは?」
「うん。石森さんっていう女の人がアタッシュケースをくれてさ・・・その時に言われたのは、『人類の希望と絶望が入っている』ということだった。そのアタッシュケースに入っていたのは、AX−00っていうコアスケルトンに近い青色のLBXだったんだ」
石森さんに謎のアタッシュケースを渡され、家に戻った。
その時に居間で開けてみたら、ケースの中にはAX−00本体・CCM・鋼鉄昆・マニュアルが収納されていたのだ。
しかし、そのLBXを狙ってきた3体のデクーが家に侵入してきて、居間で戦ったことは今でも覚えているようだ。
「そのLBXを狙ってきた3体のデクーがいきなり襲い掛かった時は本当に驚いたぜ。でも、そのLBXを使ってやってみたら倒せたんだよな」
その言葉を聞いた私は目を丸くしつつ、イカロス・ゼロを見つめる。
確かにそのLBXと出会えなければ、アキレスをゲットできなかったかもしれない。
アキレスがいたから、今のバンがいる・・・でも、レックスは生きていないだろう。
「そういえば、バンはアルテミスにも出たんだよね?」
「おっ、よく知ってんなぁ・・・そう、俺は中1のときにカズやアミと一緒に出たんだよ。決勝で秒殺の皇帝と呼ばれていた海道ジンと戦ったんだ」
1年前に行われたアルテミスの決勝戦でジンと戦い、激闘の末に死闘を制したのはバンだった。
アキレスで戦いながら頑張ることができて嬉しかったんだろう。
「凄いね、決勝に出たのはジンだけじゃなくて・・・ユウヤも出たんだよね?」
「そのユウヤさ、イノベーターに操られてたんだよ」
「えっ、イノベーターに操られていた?」
ユウヤがイノベーターに操られていたことは後になって知ったという。
アルテミスの決勝戦で戦った時にジンが異変を感じたのを見て気付いたらしい。
ジンの話によると・・・彼は強化人間にされていたらしく、イノベーターの刺客として参戦したそうだ。
「うん・・・当時のユウヤは表情を出そうとせず、不気味な存在として恐れられていたんだ」
「じゃあ、サイコスキャニングモードになってから精神的に不安定になったということになるの?」
サイコスキャニングモードになった途端、いきなり狂い始めて精神的に追い込まれていた可能性が高いことが分かった。
「うん、精神的に不安定だったみたいでさ・・・ジンはユウヤの右肩に古傷があることに気付いて、やっと知り合いだと分かったみたいなんだ」
ジンはユウヤと知り合いだったらしく、幼馴染にあたる人物だという。
幼い頃にトキオブリッジで起きた事故に遭遇し、病院に入院していた時に会ったことがあったそうで知り合いだったとも聞いている。
「へぇ・・・・・・2人が幼馴染だったなんてね」
「僕はバンさんから聞いてたし、少しくらいなら知ってます」
ヒロはバンから少し聞いたことがあるらしい。
ユウヤは病院に運ばれ、意識不明の重体になっていたが・・・ジンがお見舞いに向かっていたことを知ってから、たまにバンも病院に向かうことが多かった。
「まぁ、ユウヤも両親がいないしな・・・あいつも辛い思いしてきたんだろうな」
「そっかぁ・・・何か可愛そうだね」
肩を落としながら、ユウヤの過去を聞いて納得した。
両親がいなくて寂しいという気持ちは何となく分かるような気がしてならなかった。
今もレックスのことを思い出すと胸が痛くなるようだ。
「レックスって言う人はどんな人だったの?」
「強いて言えば、俺の師匠に当たる人かな・・・あの人はブルーキャッツっていうコーヒー店でマスターとして働いてたんだけど、実は伝説的な強さを持つLBXプレイヤーだったんだよ」
レックスはブルーキャッツというコーヒー店で働いていて、そこに来ることが多かった宇崎拓也さんとは知り合いだった。
実は伝説的な実力を持つLBXプレイヤーだったことが判明。
その事を知ったのは、アングラビシタスというルール無用な闇のLBX大会に参加した時に知ったそうだ。
「ええええええええ!?」
私は素っ頓狂な声を上げて驚く。
そりゃ、確かにレックスと知り合いだったことを知ったら・・・・・・当然、驚くに決まっている。
「レックスって言う人、そんなに凄い人だったの?」
「うん・・・凄い人だったらしくてさ、俺もその事を知ったときは流石に驚いたよ」
ポリポリと頬を掻きながら答える。
でも、レックスはイノベーター事件の陰謀を巡る黒幕として存在していた。
「レックスは・・・イノベーター事件の陰謀を巡って、黒幕として操っていたことが判明したんだ」
「えっ!? レックスが黒幕?」
「そうなんだよ・・・レックスは世界を破滅に導く計画を企てていたんだ」
当時、レックスは世界を破滅に導くという計画を企てていた。
そのために生き続け、復讐心に駆られてしまったのだろう。
「世界を破滅に導くって・・・どうして、そんなことを?」
「19年前、レックスの父親は次世代エネルギー研究所の爆発事故に巻き込まれたんだ。その事故が起きたのをきっかけに、レックスは狂気の世界に導かれたんだろう」
その過去のことは本人から聞いていたし、あの時はバンも信じたくなかったという。
レックスがそんなことをするなんて・・・絶対に許せないと思っていたけど、アキレスの後継機となったオーディーンを使って戦った。
「狂気の世界に導かれるなんて・・・だからって、そんなことをして許されるわけがないよね」
「そうだよな・・・俺もそう思ってたんだ。レックスはサターンのコックピットを占拠してたんだけど、俺が食い止めた」
レックスがそのコックピットにいることを掴んで、そこまで辿りついた。
でも、彼はその場にひっそりと佇んでいた・・・イフリートを繰り出してきて、LBXの存在をかけた壮絶な戦いが始まった。
「さすがじゃん、そこまで食い止めたんだね」
「あぁ、イフリートとの戦いは凄まじかったよ。想像以上に強かったし、オーディーンで倒せるか分かんなかった」
確かによく考えたら、オーディーンを使って倒さなければならなかった。
イフリートの脅威はバンのオーディーンを脅かすほどの存在になっていて、一時は戦うことを諦めかけていた。
それでも、みんながいたから頑張ることができたと思っているようだ。