二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 【ダンボール戦機W】バン×ハルと失われた過去 ( No.362 )
日時: 2012/10/30 19:53
名前: レッド ◆mAzj/Mydf. (ID: hSo8a19A)

第15章 ますます深まりつつある最大の謎・・・ヒントを元にして調査するバン、そこで掴んだ重要なキーワードによる手掛かりとは?

(ストーリーモード:バン)

翌朝、チュンチュンと雀の鳴く声が外から聞こえる。
カーテンの隙間から光が漏れているが、その証拠に太陽が昇ったのだろう。

「・・・・・・んー・・・」

眠そうに上半身を起こし、ボーッとしながら周りを眺める。
ふと、隣で寝ていたはずのハルがいないことに気づく。

(あれ、いない・・・・・・)

もしかして、彼女は1階の居間で料理しているのだろうか。
まぁ、朝飯を食えば大丈夫だなっていうのが率直な感想だろう。

「・・・何も考えられねぇや・・・」

リンが誘拐された事といい、望月(幸介&優)たちの安否も気になる。
それに謎の組織が残した暗号メッセージを解かなきゃいけないため、慎重に調べなければならないというのが現状だ。

「こんな時、何をすりゃ良いんだよ・・・」

ふわぁーと欠伸しながら、枕元に置かれているCCMを見つめる。
そういや、リンたちはどうなったんだろうか・・・その後、気絶させられていたみたいだから攫われた可能性も有り得る。

(とりあえず、ヒロにも聞いてみた方が良いかもしれない)

彼なら何か知っているかもしれないし、昨日は部活で行けないって言っていた。
俺が酒を飲んで寝ていた頃には、部活から戻ってきていたはずだ。

「昨日、酒飲んだのが効いたかなぁ・・・」

少しだけ頭痛がする・・・2日酔いにはなっていないが、親譲りの酒強さと言ったら良いだろうか。
頭を抱えながら溜息をついていたその時、CCMの着信音が鳴った。

「・・・ん?」

眠そうに枕元に置いてあるCCMを取り出し、テレビ電話の通話ボタンを押した。
画面に映し出されたのは・・・幼馴染のハルだった。

「おはよ、バン! 今、起きてるー?」
「あぁ、おはよう・・・うん、起きたところだよー」

眠そうに立ち上がり、部屋を出た。俺は階段を降り、居間に向かった。
そこに行くと、運よく料理していたハルが俺に気づいて、手を振ってくれた。

「おはよー!」
「おはよ、ハル・・・・・」

笑いながら、手を上げて返す。彼女の姿を見て、溜息をつく。

「おまえなぁ・・・こんな朝早くから起きなくても良いじゃないか」
「えへへ、何か料理したくなってさー」

ハルは笑いながら、俺を見て答えてくれた。
そういえば、ハルの料理はいつ食べてもおいしいんだよな。

(ハルは料理ができるから良いんだよな。俺の嫁になっても良いくらいだけどなぁー)

居間で椅子に座りながら、眠い目を擦って朝飯ができるまで待っていた。
朝飯はご飯とスクランブルエッグだ。

「はい、できたよ」

ハルがスクランブルエッグを乗せた皿とご飯を乗せたお茶碗を持ってきた。
その2つがテーブルに置かれたのと同時に挨拶した。

「いただきます・・・」

ふわぁーと欠伸しながらうとうとしつつ、ゆっくり食べる。
そんな俺の様子を見たハルは苦笑しながら溜息をつく。

「まだ眠いの?」
「ぅん・・・」

モグモグ食べながら言う俺を見て思わず苦笑した。
ハル、そこまで苦笑しなくて良いのになぁ・・・っていうか、このスクランブルエッグおいしいな!

「おいしい・・・」
「でしょ? だてに料理してないからね」

ハルは笑いながら、ご飯を食べる。
確かに料理の上手さには舌を巻かれてしまう。

「そっかぁ・・・」

朝飯をゆっくり食べながら、ハルと楽しく話せた。
しばらくして、ご飯を食べ終えて食器を下げる。

「ごちそうさまでした!」

食べ終えた後、洗面所で顔を洗ったり、歯磨きしたりして用意を整えた。
大学で授業に出すレポートもあって、その準備もちゃんとしていたのだ。

「バン、学校に行く用意できた?」
「あぁ・・・そろそろ行こうか」

眠そうに目を擦りつつ、玄関のドアの鍵を閉めた。
ハルと一緒にトキオ大学へ向かった。



大学に着いた途端、1限の授業がもうすぐ始まることに気付いた。
ハルに促され、講義室に入った俺は一番後ろの席に着く。

「バン、眠いなら寝たら?」
「ふわぁー・・・うん、そうする。始まったら起こしといてくれないか?」
「うん、分かった。1限が始まったら起こすね」

机に突っ伏したのと同時に睡魔が迫ってきたので、目を閉じた。
深い眠りに落ちた瞬間、転寝してしまいそうになるほど爆睡した。
数分後、ハルが俺の肩を優しく叩いて起こしてくれた。

「バン、先生が来たよ」
「んぅ・・・」

眠そうに身じろぎながら、ゆっくり顔を上げる。
ふと、教壇に教授が立っていることに気付いた俺は眠そうに欠伸する。

「ふぁ・・・」
「バン、授業のレポートできた?」

ハルが授業に出す課題レポートを机に置いて呟く。
俺も飲み会に行く前、ちゃんとやってきたから大丈夫だ。

「うん、飲み会に行く前にやってきたから大丈夫だぜ」

バッグから課題レポートの入ったファイルを取り出し、机に置いた。
何とか仕上げたものの、しっかり課題をこなさなきゃならないことには驚いた。
大学進学してから約3年が経つのか・・・そういや、立向居も教育学部で一緒だったな。

「バン、おはよう」

隣の席から聞き覚えのある声がしたので、振り返ると直紀だった。
直紀もギリギリでここに着いたのだろうか。

「直紀、おはよっ!」
「うん、ハルもね! バン・・・今も眠いのかい?」

直紀は苦笑しつつ、バッグから課題レポートを取り出して机に置く。
結構、そのことを言われるのが嫌なんだけど・・・まぁ、そこはしょうがない。

「うん、ちょっとな・・・ノートテイカーの人は?」
「もうすぐ来るはずなんだけど・・・あっ、来た!」

ノートテイカーは立向居だった。
暇な時に直紀とコミュニケーションを取りたいという理由で自らノートテイカーになったという。

「立向居も結構、気合が入ってんな」
「そうか? 俺は直紀のために役立ちたいと思えば、何でもできるんだよ」

手書きで通訳しながらサポートするという役割を担っている。
直紀に頼み込んだ方がやりやすいかな・・・と思いながら問いかける。

「俺が途中で寝てたら・・・そのノートテイクの紙を見せてくれない?」
「良いけど・・・先生の言ってること分かるの?」

直紀に指摘され、思わず苦笑しながら頷く。
何とかなりそうだから大丈夫だと思っていたのだ。