二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 【ダンボール戦機W】バン×ハルと失われた過去 ( No.363 )
- 日時: 2012/10/30 21:22
- 名前: レッド ◆mAzj/Mydf. (ID: hSo8a19A)
2時間目を終えた頃には昼休みになっていた。
まだ爆睡していた俺は気持ち良さそうに寝ていた。
「バン、起きてよ」
「・・・・・・んー?」
ハルに強く揺すられ、徐々に意識が覚醒したのと同時に起き上がる。
周りを見回すと・・・ガラーンとしていて、いつの間にか知らない間に終わっていたようだ。
「・・・んが・・・?」
眠そうに顔を上げ、隣の席に座っているハルを見つめる。
彼女は呆れながら、俺の頬を軽く叩いた。
「バン、いつまで寝てんのよ。2限の授業はもう終わったよ」
ハルに促され、CCMを取り出して画面に映っている時計を見る。
気付けば、12時30分になっていた・・・そっか、昼になってたんだ。
「・・・昼か・・・?」
眠そうに呟きながら問いかける。彼女は苦笑して頷いた。
「何度も起こしたんだけど、なかなか起きなくてさ」
「俺、そんなに爆睡してた?」
「うん、かなり寝てたよ」
やっぱり起きなかったのか・・・どうりで爆睡しちまったな。
ハルに申し訳ないことをしたなと言いつつ、1限の課題レポートはもう出したから良いかということで食堂に向かうことにした。
「食堂に行こうか」
「うん、大丈夫?」
「何が?」
眠そうに立ち上がり、机の下にあったショルダーバックをしょって講義室の階段を降りながら言う。
ハルが俺の頬を人差し指でゆっくり突きながら話してくれた。
「この前みたいにドアにぶつからないようにしなさいよ」
「俺だって寝惚けてるわけじゃないんだよ?」
そう言いながら歩いていたその時、ドアに手をかけようとしたのと同時に顔をぶつけた。
「いでっ!」
寝惚けながら歩いていたせいでまた講義室のドアにぶつけるなんて・・・俺は情けないことに顔を覆いながら溜息をつく。
そんな俺を見た彼女は呆れながら、腰に手を当てて言った。
「またぶつかっちゃうなんて・・・バン、しっかりしなさいよ!」
ハルに背中を叩かれ、一緒に講義室のドアを開けて出た。
結局、食堂で昼飯を食べることになった。
「何を食べようか?」
「そうだなぁ・・・俺は牛丼にするよ」
「私も同じで良いや」
ハルと一緒に牛丼を注文し、席が開いているテーブルに着いて座る。
その時、聞きなれた声が聞こえた。
「こんにちは、バンさん! 僕たちも一緒に座っていいですか?」
ヒロが食器を乗せたトレーを持ちながら、ナオと一緒にやってきた。
ナオもハルの後輩ということもあって、空手部のチームメイトとして接している。
「ああ、いいよ」
向かい側の席に座り、俺と対峙しながら食べ始めた。
ナオも同時にハルと話しながら食べているようだ。
「ヒロ、おまえに聞きたいことがあるんだけど・・・大丈夫か?」
「うん? 別に良いですけどォ・・・」
ヒロは怪訝そうに首を傾げながら、俺を見る。
ちょ・・・そんな目で見つめられても困るじゃないか。
そう思いながら溜息をつき、昨日のことを聞き出す。
「昨日、河川敷で何か騒がしいことはなかったか?」
「うーん・・・騒がしいって言えば、何か騒いでたかなぁ・・・」
ヒロは腕を組みながら、思わず首を傾げる。
やっぱり、ヒロたちも気付いていないのか。
「そっかぁ・・・何時頃に聞いたか覚えてる?」
「確か、夜の8時頃か9時頃だったはず・・・っていうか、何でそんなこと聞くんですかぁー?」
ヒロに問い詰められ、なんて答えたら良いのか分からずにいた。
彼のことだから、鋭い洞察力を発揮する可能性が高い。
「いや、質問しただけだから気にすんなよ」
「・・・? それなら良いんですけど、何かあったんですか?」
「何でもないよ。ただ、質問しただけだからな」
ヒロは首を傾げていたが、すぐに納得してくれた。
それよりも気になるのは謎の組織から出された暗号・・・その謎を解き明かさなきゃいけないのだ。
(うーん・・・・・・何か暗号の謎を解くことができればなぁー)
だが、暗号の謎を解くことができるのか?
手掛かりを掴むにも、なかなか聞く時間が取れそうにない。
目の前にハルがいるのは良いとして、問題はトキオシアのどこかにある廃工場を探さなければならない。
「うーん・・・廃工場か」
そう言いながら呟いた瞬間、ヒロを見つめる。
廃工場の場所さえ掴めば、楽なんだけど・・・どうやって掴んだら良いのか分からない。
頭を抱えながら、顔をしかめた俺はメモ帳を取り出す。
「・・・・・・」
「バンさん?」
ヒロの呼びかけに気付き、すぐに応答する。
「なんだ?」
「メモ帳を取り出して、急にどうしたんですか?」
「あー・・・うん、ちょっとな。気にしないで良いよ」
答えるのが面倒だったので、彼に言うのはどうかと思った。
手掛かりを掴まなければならないことに変わりはない。
(リンや優までもがキラード団に攫われた可能性があるなら・・・望月たちと一緒にいるかもしれない)
そう考えれば、キラード団という謎の組織が事件の鍵を握っている。
もし、そうだとしたら・・・キラード団という謎の組織を作ったのは誰なのか気になる。
それに電話で聞いた男の声・・・その特徴を考えると直紀に似た大柄な男だろうか。
(もしかして、リンたちも事件に巻き込まれた可能性が高いだろうな)
リンたちも何か事件に巻き込まれた可能性があると見ている。
しかし、有力な手掛かりをつかめないでいるのは確かだ。
「バン、さっきから何を考え込んでんのよ?」
「あっ・・・いや、別に何でもない」
余計に考えたら、ハルやヒロたちと一緒に居る時間を失ってしまいそうで怖い。
隣の席に座っていたハルは俺を見て思わず首を傾げる。
「さっきから様子がおかしいよ?」
「そ、そうかぁー?」
ハルに指摘された瞬間、リンのことを思うあまり、謎解きに熱中したようだ。
まぁ、そこまで熱中するのは良いけれども・・・今は3限から始まる授業に専念した方が良いだろう。
「牛丼も食べ終えたし、そろそろ片付けちまおうぜ」
「うん、そうだね!」
ハルは満足そうに頷き、食堂の返却カウンターに牛丼を乗せた皿を戻しに行った。
同時に片づけを終えた瞬間、俺たちは3限の講義室に行くことにした。