二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 【ダンボール戦機W】バン×ハルと失われた過去 ( No.390 )
日時: 2012/11/01 20:34
名前: レッド ◆mAzj/Mydf. (ID: hSo8a19A)

時間が過ぎ、今夜7時ちょうど。
トキオ大学の体育館でハロウィン・パーティーが催される。
その場所に来ていた私たちは同級生と一緒に佇みながら、パーティーが始まるのを待っていた。

「いよいよ始まるね! 2年生特有のハロウィン・パーティーなんてワクワクするなぁー!!」
「うん、そうだね。ナオ、何だかんだで楽しそうだな」
「ヒロも楽しまないとダメだからね、飲み過ぎない程度にしなさいよ!」
「うん、分かってるよ。20歳だし、ゆっくり飲めば良いんだからさ」

私は魔女のコスプレ、ヒロはドラキュラのコスプレを着用している。
ヒロと私の幼馴染である江連尚志はミイラ男バーションになりきっていた。

「尚志、ミイラになってるね」
「うるせぇ、俺はその方が都合が良いんだっつーの! お、ヒロはドラキュラか」
「なんだよ、まるで僕がドラキュラになりきってないみたいなこと言ってくれるじゃないか」
「ギャハハハ、何かこういうのもいいよな」

尚志は笑いながら、ヒロのドラキュラバーションを見て呟いた。
私もヒロのドラキュラバーションには同感してしまいそうだと思っている。

「まあ、コスプレも楽しまないと損だよな」
「そうだね! あっ・・・・・・」

ヒロが言ったのと同時にフッと体育館の電気が消えた。
ステージにスポットライトが当てられ、1人の青年が立っている。
私たちの同級生で幼馴染の荒幡直登だった。司会者という立場に回ったので、そこで進行を進めることになるらしい。

「えーお待たせしました。これより、ハロウィン・パーティーを行いたいと思います」

直登が言ったのと同時にワァァァ-----------------------と盛り上がりを見せながら、声を上げた。
何か始まってきそうな予感がするのは気のせいかと思いながら、隣に居るヒロたちをチラリと見やる。

(尚志とヒロ、何か楽しそうだな)

2人はふざけながら、じゃれあっていることが多い。
幼馴染ということもあって、何だかんだで心を許せそうな予感がするのだ。
ステージに立っている直登がハロウィンパーティーの内容を話す。

「今回のハロウィン・パーティーは酒を飲むのもあり、お菓子をあげないと悪戯しちゃうのもありなので、大いに楽しんでいってください」

直登がコップを持ちながら、乾杯の合図をする。同時に彼の元気そうな声が周りに響いた。

「それでは、乾杯!」

私たちも酒の入ったコップを持ちながら、同時にみんなで叫んだ。

「乾杯!」

ワイワイガヤガヤ騒ぐのもありなので、私は女子グループのところに向かった。
そこに行くと、空手部のメンバーが何人かいたのだ。

「あ、ナオ! trick or treat!!」

お菓子をくれっていうことなのだろうか。幸いにも持っていたので、お菓子を取り出す。

「はい、チョコだよー」

複数のメンバーにハロウィンパーティー用のお菓子をあげた。
そこで、私からもお菓子を求めて言ってみることにした。

「Trick or treat! お菓子くれなきゃ悪戯しちゃうぞー!」

メンバーを見ながら驚かす私。同時にメンバーは顔を青ざめる。
もしかして、お菓子をもっていなかったりするのか?

「もしかして、お菓子を持ってなかったの?」
「い、いや・・・・・・そのォー」

直井秀歌(なおい しゅうか)は焦っていたが、後ろに居るはずのメンバーを見やる。
すると、いつの間にか消えていたのだ。つまり、私から逃れるためだったということになるのだ。

「秀歌、もしかして・・・・・・・」
「あはは、ごめんねー」
「ぬぅ〜じゃあ、私の必殺くずくり攻撃をくらいな!」

私は両手を出しながら、秀歌の腹あたりに視野を入れる。
そして、必殺くずくり攻撃が始まった。

「そーれ、必殺くずくりファンクション! こちょこちょ攻撃!!」
「ちょ・・・・・・やめ、ナオ! あはははっ!!」

秀歌の笑い声が少し響いたので、ちょっと悪戯してしまった。
周りに迷惑をかけちゃったのは言うまでもない。



やがて、3時間が経過した頃には10時になっていた。
直登の司会進行により、パーティーが終わろうとしていた矢先。
ふと、ヒロの姿が見えないことに気づいた。私は秀歌に聞いてみることにした。

「そういえば、ヒロが見当たらないよ?」
「あ、本当だ。どこに行ったんだろ?」

秀歌が呟いたその時、CCMの着信音が鳴った。
CCMを取り出し、テレビ電話を繋げる。そこに映ったのは、山野バンだった。

「ば、バンさん! どうしたんですか?」
『どうしたもこうしたもないけど、体育館前を通ったら・・・・・・ヒロが寝てるんだもん』
「えっ、体育館前で寝ちゃってるんですか!?」
『ああ、図書館で課題をやり終えた帰りに通りかかったら、ヒロが寝ててさ』

その証拠に画面を映させてくれたバンさん。よく見てみると、ヒロが酔い潰れて寝ている。
その様子だと戻るのが面倒になったのか、その場で寝てしまったのだろう。

「はぁ・・・・・・しょうがないな、私が戻るまで見張ってくれませんか?」
『ああ、分かった。ヒロのことは任せとけ』
「すいません、ハロウィンパーティーが終わる頃なので・・・・・・もう少ししたら行きます」
『うん、別に謝らなくても大丈夫だって。じゃあ、パーティーが終わったら体育館前に来て』
「分かりました。じゃあ、また後で」

バンさんとの電話を終えた頃には、すっかりパーティーが終わっていた。
直登が秀歌から聞いたのか、私のところに駆け寄った。

「ヒロがいないって聞いたけど、本当か?」
「うん。でも、バンさんが見つけてくれたんだよ・・・・・・しかも、アイツは体育館前で寝てるんだとさ」

2人は顔を見合わせながら、首を傾げて竦めた。
いきなり酔い潰れるなんて・・・・・・私も想像していなかったので、何とも言えない。

「とりあえず、体育館前に行くね!」

直登たちと別れて、私はバンさんが待つ体育館前に向かった。


数分後、体育館前に到着した。その場に佇んでいる青年がいることに気づいた。

「バンさん!」

山野バンが待ちくたびれたかのようにして立ち上がった。
苦笑しながら、頬をポリポリ掻くバンさん。

「よう、ハロウィンパーティーやってたのか」
「はい。今しがた、パーティーが終わったところなんです。それより、ヒロは?」
「ああ、あそこで寝ちまってるよ」

バンさんが顎をしゃくりながら、あっちを見てみろというようなしぐさをする。
後を追うようにして見ると、ヒロはベンチで横たわって爆睡していたのだ。

「あーあ、こんなになるまで酔っ払っちゃったのか」
「そういうことになるな。何度か起こしたんだけど、なかなか起きてくれないんだよ」
「とりあえず、頬を抓って起こしてみましょうか」

仕方がなく、ヒロの元に歩み寄る。試しに彼の頬をギュッと抓った。
すると、うぅんと唸り出して眠そうに重そうな瞼をゆっくり開ける。
ボンヤリとした視界に私とバンさんの姿が映ったのか、ヒロは顔を向けた。

「んぁ・・・・・・ナオ、それにバンさん?」

ゆっくりと上半身を起こし、交互に私とバンさんを見つめた。
何が起きているのか分からないと思ったのか、私は呆れながら突っ込んだ。

「ヒロ、何で寝てるの? バンさんが見つけてくれたから良かったんだけどさー」
「バンさんがぁ?」

眠そうにバンさんを見るヒロはいかにも睡魔に襲われそうな状態になっている。
バンさんは溜息をつきながら、ヒロの視線に合わせるようにしてしゃがみこむ。

「ヒロ、ナオがどれだけ心配したか分かってるのか?」
「ふぁい・・・・・・・分かってまふぅ・・・・・・」

眠いのか、今にも寝入ってしまいそうだ。
このままだとヤバい、寝てしまったら起こすのが面倒だ。

「ナオ、パーティーは?」
「終わったよ。それより立てる?」
「んー・・・・・・」

フラッと立ち上がり、千鳥足になって歩き出すヒロ。
バンさんが肩を貸して、一緒にヒロの家まで送ることになった。

「ヒロ、歩けるか?」
「うーん・・・・・・」

転寝しながら、眠いのを堪えているヒロ。
そんな彼を見ていたら、思わず動揺しそうになる。

(はっ、ここは堪えろ! ヒロが寝たら、私も帰らなくては!!)

ヒロを連れて、バンさんと一緒にヒロの自宅へ向かったのだった。