二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 【ダンボール戦機W】バン×ハルと失われた過去 ( No.4 )
日時: 2012/10/09 22:56
名前: レッド ◆mAzj/Mydf. (ID: hSo8a19A)

数分後に河川敷を経て、俺たちはミソラタウン駅前に着いた。
周りを見回しながら探していたその時、聞きなれない声が聞こえた。

「あのー・・・・・・直井さんが言ってた、山野バンさんでしょうか?」

声がした方向を振り返ると、見知らぬ女の子がいた。
この子が健太と直太の姉だと推測できた。

「そうだよ。俺は山野バン、よろしくな!」
「私は小海リンって言います。よろしくお願いします」

小海?
もしかして、実の両親が死ぬ前に使っていた旧姓なのか。
そう考えれば、山野に変わることも有り得る。

「小海って・・・・・・」
「はい、実の両親が使ってたんですけど・・・・・・今は山野に変わるよう言われたので、これからは山野家でお世話になります」

リンは頷きながら、俺を見て答える。
山野リンに変わるんだということが分かったなら、親に伝える必要がありそうだ。

(リンは妹だから、仲良くしていきたいと思うんだよな)

身長は165cmくらいだろうか、背はハルより少し低い。
服装はカジュアル系を好み、そのファッションを生かしたものになっている。
靴は緑のスニーカーを履いており、性格は大人しくて優しそうな感じだ。

「リン、これからは山野家の一員だ。よろしくな、それから普通に喋っていいぞ」
「うんっ! よろしくね、バン兄さん」

リンは俺を見て頷きながら、納得してくれた。
そこに居たハルはリンに向かって自己紹介した。

「私は人見晴香だよ。私のことはハルって呼んでね!」
「ハルさん!? もしかして、空手の都大会で優勝したハルさんですよね!!」

目をキラーンと輝きながら、ハルに近寄って駆け寄る。
リンの突発なところを見て呆れていたが、意外なことに突っ込みやすくなるのだろうか。

「リン、どうしたんだよ?」
「あ、ごめんね。バン兄さんは知らないと思うんだけど、私は空手やってたの!!」

リンが空手やっていたことを知らなかった。
じゃあ、ハルに憧れて始めていたということになるのか。

「空手やってたのか?」
「うん、小海リンの名で空手やってたけどね」

誰も知らない者はいないと言わせるほどの実力派だと有望視されていたらしい。
リンは幼い頃から空手に嗜んできたこともあり、ハルに憧れて鍛えるようになったのだという。

「だから、ミソラ学園高校でも空手やってるのよ」
「へぇ・・・・・・」

俺はリンの意外な一面が見れて良かったとつくづく思った。
こいつが空手やってたなら、どうりで強いわけだと納得できる。

(どうりで空手をやってたのか、ハルに憧れるわけだな)

リンの意外なところが見れたから良かった。
でも、大人しそうなのにしっかりしていそうな印象が残っている。

「リン、俺の家に行こうか?」
「うんっ!!」

リンの様子を見かねたハルがクイクイッと手招きした。
ハルに手招きされたリンはすぐに歩み寄る。

「何ですか、ハルさん?」
「リン、バンを見張った方が良いかもよ?」

ハル、なんてこと言い出すんだ!!
まったく、俺を困らせてくれるなよ。
こっちがヤバいことになりそうだから、後ずさりするしかなかった。

「ハル、おまえなぁ・・・・・・」
「だって、バンがアレをやらかしたらまずいでしょ?」

ハルの言うアレが何なのか分かった。
酒を飲み過ぎて寝てしまう俺の様子を見ていたからこそ分かる。
それが奏したのか、俺の弱点を掴んでいると言っても過言ではない。

「飲み過ぎても良いじゃんか」
「ダメ! 良くない!!」
「なんだよ、別に良いじゃないかぁ-------------」

ハルに追い掛け回されながら走り回っていた。
ギャーギャー叫びながら追いかけるハルを見て微笑ましく見つめる。
幼馴染がいるからこそ、信頼できる仲間がいるのだということに感謝した。

「このバカ、バン!!」
「ギャハハハ!! 追いかけてみろよ」

そう言いながら追いかけっこして遊んでいた。
そんな俺たちの様子を見たリンはクスクス笑っていた。

「なんだよ、リン」
「ごめん、こんなに仲良しだと思ってなかった」

リンが謝るのを見て納得した。
確かにリンから見れば、まさに仲良しだと言えるだろう。

「じゃあ、そろそろ行こうか」

追いかけっこを止めて、俺たちは踵を返した。

「うん、そうだね!」

リンは満足そうに頷き、俺たちの後を追うようにして走り出す。
ミソラタウン駅を出て、河川敷を通った後は山野家に戻った。