二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 【ダンボール戦機W】バン×ハルと失われた過去 ( No.436 )
日時: 2012/11/07 17:00
名前: レッド ◆mAzj/Mydf. (ID: hSo8a19A)

第18章 西園信助・松風天馬・雨宮太陽・狩屋マサキの4人組、ただいま参上!

(ストーリーモード:信助)

土曜日の午後、僕は天馬たちと一緒に河川敷のグラウンドで仲良く話しながら待っていた。

「いよいよだね、天馬!」
「ああ、立向居さんが連れてくるチームっていうのが気になるけど、誰だろうね?」

天馬と会話しながら、サッカーボールを蹴っていた。
僕たちの会話を聞いていた狩屋と雨宮太陽くんが突っ込んで言う。

「そういえば、雨宮ってそういうの好きじゃないのか?」
「何を言ってるんだ、こっちは応援に来てくれる人がいるから頑張れるんだぜ」
「雨宮、俺の言ってること分かるのかよ?」
「マサキくんはそういうところに突っ込みを入れるからね」

太陽は苦笑しながら、オレンジの髪を靡かせて呟いた。
あれから3年経つのかと思えば、立向居さんが僕のGK特訓に付き合ってくれたおかげで何とかなった。

「狩屋、そういうところに突っ込まなくても良いんじゃないの?」
「何だと、天馬ァー俺をバカにしやがって!」

ギャーギャーと騒ぎながら追いかけっこを始めた天馬と狩屋。
太陽と僕は顔を見合わせながら、思わず苦笑してしまった。

「まあ、こんなこともあるよね」
「でも、今回のサッカーバトルは誰が出るのかも気になるね」
「そうだね。今回のサッカーバトルは僕がGKやるよ」
「うん、任せたよ! 信助君の活躍、僕も期待してるから!」

太陽とガッチリ握手を酌み交わしながら、草むらの上に乗って見つめている1人の少女のところに向かう。

「輝姫ちゃん!」
「あ、信助君・・・・・・久しぶりだね」

この子は白炎輝姫ちゃんと言って、雨宮太陽の幼馴染なんだ。
髪型は腰辺りまである白髪の超ロングヘアーになっている。左目が水色、右目が黄色のオッドアイである。
背は低いが、太陽より少し低いくらいで痩せている。肌は透き通るように白い。
ただし、サッカーをする時は赤いリボンでツインテールになる。太陽から貰ったオレンジの石と黄色の石がはめ込んであるペンダントをいつもつけている。

「輝姫、応援に来なくても良かったんじゃないの?」
「ふぇぇ、それ言うの酷くない? だって、太陽のサッカー見るの久しぶりだもん」
「確かに輝姫は高校進学してからやってないもんな、サッカーするの好きか?」
「うん、好きだけど・・・・・・今日は立向居さんでしょ?」

輝姫は太陽と会話を交わしながら、楽しそうに話し込んでいる。
幼馴染だからこそ分かる、何かを感じさせないオーラを纏っていそうな太陽を見ていると安心するのだろう。

「そうなんだけど、そのチームのメンバーが気になるね」
「でも、立向居さんって信助くんの特訓に付き合ってくれた先輩でしょ?」

輝姫は僕に振って話しかけてくれた。確かに立向居さんは僕の先輩にあたる人だけど、GKとしての素質を見抜いてくれたことがあったのを思い出す。

(そういえば、勇気先輩が僕のGKとしての才能を見抜いた人だった)

あの時、立向居さんがいなければ・・・・・・今の僕はいなかった。
でも、あの人がいたから頑張れたのもあったし・・・・・・天馬たちの励ましによって、化身を完成させることができた。

「うん、そうだよ。天馬たちがいたから頑張れたというのもあるけどね」
「今日は信助くんの化身が見られそうな気がするけど、私も応援してるよ」
「輝姫ちゃん、僕の活躍に期待してて!」

ニッと微笑みながら、輝姫に向かって笑った。その様子を見ていた太陽が見計らったのか、河川敷の上を見上げる。

「おっと、どうやら来たようだな」
「えっ? 来たって・・・・・・・」

河川敷の上にいる青年を見て驚く。見覚えのある青年・立向居勇気がいた。
その背後には知らない人たちが3人くらい突っ立っている。

「お待たせ、信助」
「勇気先輩! 遅いですよー」
「ごめん、ちょっとチーム編成に手間取っちゃってね」

勇気先輩は草むらを降りながら、河川敷のフィールドに立った。
その背後にいる人たちを見る限り、身長が高い人ばっかりだ。

「あれ? 大輝?」

髪が青色になっていて、ボーイッシュな感じになっている青年を見て驚いた。
東京都内の桐皇学園高校に進学した青峰大輝とは保育園時代の幼馴染で仲が良かった。
まさか、サッカーバトルで再会するとは想像していなかったのだ。

「信助じゃねーか、こんなところで何やってんだ?」
「何って、僕たちはサッカーバトルに出るために来てるんだよ」
「ほー兄貴が言ってた例のアレか。久しぶりだな、信助」
「大輝こそ、こんなところでやってんのかと思ったら・・・・・・」
「まあ、やるからには手加減しないぜ。信助のサッカーしてるところが見たいから、やってやるよ」

大輝は僕の頭をくしゃくしゃ撫でながらも優しく話しかける。
後ろの黄色い髪の人が気になったので、大輝に聞いてみた。

「あのさ、後ろの黄色い人は誰?」
「ああ、黄瀬のことか。黄瀬涼太って言ってな、俺の同級生で中学の時にバスケ部で知り合って仲良くなったんだ」
「へぇーじゃあ、黄瀬くんとは高校で一緒?」
「いや、高校は別々だ。あいつは神奈川の海常高校に通ってんだ」

なるほど、高校は別々ということか。高校進学してからも、たまにメールする仲だというので、友人関係になっているようだ。

「なるほどね、大輝の友達と仲良くなりたいね」
「バカ、なーに言ってんだ。信助もそこそこ伸びたんじゃねぇか?」
「そう? 僕はGKやってるからね。まあ、勇気先輩のおかげでもあるんだけど・・・・・・」
「勇気とは仲がいいって言ってたな、兄貴が」

大輝は思い出したのか、苦笑しつつも天馬たちの方を見やる。
天然パーマの天馬を見て思わず気になったのか、僕に質問してきた。

「おい、あの天然パーマもおまえの友達?」
「そうだよ。あいつは松風天馬って言って、仲がいいよ」
「へー天然パーマなくせにしてサッカーやんのかよ」
「まあ、天馬の実力を見たことがないから分かんないだろうね」
「何言ってんだ、俺もそいつらの実力を見ておきたいくらいだぜ」
「よく言うよ。天馬たちのスピードについてこれるかな?」

ワイワイガヤガヤ騒ぎながら、ふざけあっていた僕と大輝のところに黄瀬くんが歩み寄った。

「どもー青峰っちの幼馴染っスか?」
「うん、そうだけど・・・・・・」
「俺、黄瀬涼太って言います。よろしくねー」
「僕は西園信助。こちらこそよろしく!」

お互いに握手を固めた後、大輝が黄瀬くんに突っ込みを入れて殴った。

「気安く話しかけんじゃねーぞ、黄瀬ェ!」
「いってぇ〜何するんスか、青峰っち!!」
「ゴタゴタ言ってねーで、さっさとサッカーバトルの前に何か練習しろ!」
「そう言われても、太陽くんが挨拶しに行けって言うし・・・・・・」

黄瀬くんは両手で頭を抱えながら、顔を顰めた。
そんな彼の様子を見た僕は大輝に落ち着くよう話しかける。

「大輝、落ち着いて。黄瀬くんも悪気があってやったわけじゃないんだから、そこは許してあげてよ?」
「そこが良くねえんだよ、黄瀬。まあ、元チームメートとしてのコンビを見せ付けてやらねーとな」

大輝は僕に向かって、自信満々に言って睨みつける。
同時に黄瀬も立ち直り、僕に向かって言い放った。

「まあ、やるからには俺らのコンビネーションでスピードを上げてやるっスよ。青峰っち、今日はよろしくな」
「へっ、黄瀬のサッカーセンスも悪くねえな。なら、俺も本気を出さないとな」
「よく言うよ。2人とも、僕を甘く見ないでよ」

熱く語りながら話しかけていたその時、立向居さんが2人を呼ぶ。

「大輝、黄瀬! そろそろ準備しとけ」
「あっ、はーい! じゃあ、俺らはそろそろ準備するんで」

黄瀬は手を振りながら、立向居のところに向かった。
大輝も黄瀬に続いて、後を追うかのようにして立ち去る。
2人を見送った僕は雨宮と一緒にグラウンドへ戻って、天馬たちと円陣を組んだ。

「雷門、ファイト!」

僕が気合を入れながら、天馬たちに向かって話しかける。
天馬・太陽・マサキの3人も頷き、思いっきり叫んだ。

「「「雷門、ファイトッ!」」」

同時に4人で思いっきり、大声を上げて叫ぶ。

「「「「オーッ!」」」」

試合の刻が迫ろうとしている、まさにサッカーバトルが始まろうとしている。
果たして、信助チームVS立向居チームのサッカーバトルはどんな展開になるのか?