二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 【ダンボール戦機W】バン×ハルと失われた過去 ( No.487 )
- 日時: 2012/11/13 09:18
- 名前: レッド ◆mAzj/Mydf. (ID: hSo8a19A)
第23章 キョウヘイ&メイ&ヒュウの3人組、登場!(後編)・・・バン、ただいま参上!!
(ストーリーモード:キョウヘイ)
俺たちはそこで出くわした山野バンと一緒にいた。
バンはそこに置いてあった缶ビールを取った後、それを煽って飲んだ。
「キョウヘイって言ったっけ。いつか会ったよな」
「バンさん、キタジマ模型店で見かけたことがあるんですか?」
「ああ。酒を飲む前に立ち寄ることが多いから、たまたま通りかかってさ」
バンはヒックと呻きながら、周りを見渡す。
俺たちを見回した後、溜息をついて言った。
「中学生がこんな時間までほっつき歩いてるんじゃないぞォー」
「ご、ごめんなさい。微妙な物音が聞こえたんで、気づいたら・・・」
「ふぅん・・・・・・それで、ここにやってきたのかぁー」
バンは訝しげに俺を見て、缶ビールを煽る。
そういえば、バンさんがやってきた理由を聞いてなかった。
「バンさん、何でここに来たんですか?」
「キョウヘイ、おまえが言ってたのと同じだよ。飲んだ帰り、駅までの道を歩いてたら・・・音が聞こえたんだ」
どうりでLBXバトルしてることが分かったのか。バンさんには敵わないな。
それにしても、あの早間綺羅という少年のことが気になる。
「キラっていうヤツのことが気になるな」
「そいつとは初めて会ったのか?」
バンさんの問いに無言で頷きながら、顔を見合わせた。
キラは何かしでかしそうな感じがしてならなかったから、嫌な予感がしたのを覚えている。
「はい、そうです」
「なるほどなぁ・・・・・・」
バンさんは缶ビールを煽って飲んだ後、空になったのを確認するとスーパーの袋に入れて閉まった。
「バンさん、助けてくれてありがとうございます」
「いいって。ここにいるのは危険だから、続きはメインストリートの方で聞くよ」
ザワザワとしてきた裏道の不気味さを感じさせない風が吹いてくる。
俺たちはバンさんと一緒に来た道を辿って、トキオシティのメインストリートに戻った。
場所は打って変わり、トキオシティのメインストリート。
やっとの思いで裏道を脱出した俺たちは申し訳なさそうにバンさんを見つめた。
「バンさん、すみませんでした」
「いや、そんなことは気にしなくていいからさ。そういえば、自己紹介してなかったな」
バンさんは苦笑しつつも、自己紹介しそびれたことを言って反省した。
それでも、俺たちはバンさんが目の前に現れたことが嬉しかった。
「俺は山野バン。よろしくな!」
「俺はキョウヘイって言います。よろしくお願いします!」
「俺はヒュウって言いますッ! よろしくッス!」
「あたしはメイ。よろしくお願いします!!」
お互いに自己紹介した後、バンさんは腕を組んだ。
何か考え込んでいたようにして見つめつつ、思い出しているようだ。
「早間綺羅・・・・・・どっかで聞いたな」
「バンさん、キラのこと知ってるんですか?」
「知ってるも何も・・・・・・これを見てくれ」
バンさんはポケットからあるものを取り出した。それは赤い布巾着・・・中に何か入っているのだろうか。
その中から取り出し、そこに現れたのは1枚のプリクラ。そこにはキラらしき少年と見知らぬ少女が写っていた。
「キラみたいですね。その隣にいるのは?」
「ああ、俺の妹だ。名前はリンって言うんだけど、会わなかったか?」
山野リンという少女の名前に聞き覚えがあった。
俺とメイは顔を見合わせながら、まさか・・・というような感じで顔を青ざめる。
「リンさんって、たまにキタジマ模型店に来たことのある人だ」
「えっ、知ってるのかぁー?」
バンさんは目を丸くしながら、リンの写真を見て驚いた。
どうやら兄弟だということが分かったので、その時のことを話すことにした。
「はい。リンさんと話したことがありますよ、何度か会ってるから」
「でも、最近になって・・・・・・見かけないからどうしたのかと思ってたんですよ」
俺とメイはバンさんに話しながら、リンが来ていないことを強調する。
ヒュウもリンのことは知っていたので、何かと気にかけていたのだろう。
「キョウヘイたちがリンと知り合いだったなんて思わなかったな」
「ええっ、どういうことですか?」
バンさんは俺たちと出会うまで知らなかったということになるのか。
あるいは、リンのことを知っている人物に会っておかないといけなかったのかもしれない。
「リンは・・・・・・誘拐されてしまったんだ」
「誘拐された!? それって、いったい・・・・・・」
「キラード団っていう謎の組織がリンの他に3人も捕まえて誘拐したんだ」
「じゃあ、バンさんはそいつらを追って捜査しているってことですか?」
「ああ、そういうことになるな。でも、ヤツらが何かしでかすかも分かったもんじゃない」
キラード団っていう謎の組織が気になる。でも、そんなことしたら・・・許せないと思う。
俺はバンさんを見て、ムカッと来たのか・・・顔を顰めて言い放つ。
「絶対に許せない! リンさんを攫うなんて・・・・・・俺が叩き倒す!!」
「キョウヘイ、その気持ちは嬉しいけど・・・・・・相手は組織だから、迂闊に手を出さないほうがいいと思うぞ」
「でもっ・・・・・・」
言いかけたのを見計らったのか、バンさんは俺の頭を優しく撫でた。
メイとヒュウは苦笑しながら、顔を見合わせる。
「俺たちも手伝いますよ!」
「その申し出は嬉しいけど、俺だけで十分だ」
「えっ・・・・・・バンさん、もしかして1人でやる気なんですか?」
「ああ、そうだけど? そこまで言ったら、あいつらに心配かけてしまうからな」
バンさんの言う、あいつらって・・・誰なのか分かった。
きっと、勇気さんたちのことを考えて気遣っているのだろうか。
「もしかして、勇気さんたちのことですか?」
「立向居のこと知ってんの?」
「はい。たまにサッカーしてるところに出くわすことが何度もあったので、友達になってます」
「なるほどなぁ・・・・・・ま、あいつらには心配かけたくないからな」
バンさんは腕時計を見ながら、こんな時間かと呟いた。
「こんな時間まで過ごしたのは久しぶりだな、そろそろ帰るか」
「あ、そうですね・・・・・・・」
気づけば、時間は11時ちょうど。
バンさんが送ってくれるというので、一緒に歩いて帰った。
そして、現在に戻る。その経緯を話し終えた俺は話のまとめを締めくくった。
「・・・というわけで、バンさんに会ったってことなんです」
「なるほどなぁ、どうりでバンのこと知っていたのか」
立向居勇気は腕を組みながら、思わず首を傾げる。
何があったのかというところまでは分からないが、リンのことを思い出していたようだ。
バンさんの様子を見て、少し納得するところがあったけど・・・何か気になった。
「何か気になるな・・・・・・」
「えっ、どういうことですか?」
勇気さんを見て驚きながら、首を傾げる。
すると、彼は顔を顰めながらも質問を投げかけた。
「話を聞いていて、気になったけど・・・・・・早間綺羅という少年は5年前の事件で行方不明になったという子だよね?」
キラのことが気になっていたのか、話を聞いていて引っかかったことがあるというのだ。
「何か引っかかるんだよ。あの少年、リンちゃんの知り合いとしか思えない」
「知り合いだと思ってたんですか? 実は俺たちも気になってて・・・・・・」
「うん。みんなでバンの家に乗り込みたいところだけど・・・・・・」
勇気さんが言いかけたその時、河川敷の上から聞き覚えのない声が聞こえた。
「立向居殿、お久しゅうございます」
その声を聞いて確信した勇気さんは上を見上げて驚く。
俺たちもその視線を追って、上を見上げた。すると、そこにいたのは2人の少女。
(この人たち・・・・・・いったい、誰なんだ?)
目の前に現れた、2人の少女の正体は?