二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 【ダンボール戦機W】バン×ハルと失われた過去 ( No.493 )
日時: 2012/11/15 09:40
名前: レッド ◆mAzj/Mydf. (ID: hSo8a19A)

バンハルの短編を描いていきます。ヒロナオ編は第25章の後に更新する予定です!
それでは、バンハルの短編スタート!!

短編5(バンハル)
タイトル:バンが見た悪夢とは?(バン視点)


真っ暗闇の中、1人の青年が歩きながら見つめる。
まるで、闇の中にいるかのよう・・・・・・その不気味さを感じさせない、殺風景なところが映った。

「おーい、ハル! どこだよー」

そう言いながら叫ぶ青年。周りを見る限り、夜のような感じだ。
いかにも殺風景なところは相変わらず、暗い。というのも、自分が感じた不安とはいったい何なのか。

「ったく、どこにいるんだよ・・・・・・」

ふと光が漏れていることに気づき、目の前に現れた女性を見つけた。
その目つきはまるで冷め切ったかのような瞳・・・・・・冷たい視線を放つかのようにして呟く。

「あんたなんか嫌い・・・・・・」
「おい、ハル! どういうことだよ、俺のことを嫌いだなんて・・・・・・」

そう言いながら、女性を追いかける青年。
女性の姿が見えなくなったのと同時に再び、真っ暗闇になった。

「おい、ハル!?」

その時、自分を覆うかのようにして真っ黒いものが現れる。
青年自身を纏めて潰すといった感じだろうか、脱出しようとして試みた。

「くそっ、抜けきれねえ!」

ドス黒いものが自分の前に現れ、いきなり襲い掛かってきた。
青年は思いっきり叫びながら、驚きを隠せないでいたのと同時に躊躇った。

「うわあああああ!」

目の前が真っ暗になり、意識が途切れていった。




気づけば、朝になっていた・・・・・・カーテンの隙間から太陽の光が差し込まれている。
チュンチュンと雀の鳴く声が外から聞こえてきた。

「なんだ、朝かぁー」

何と目覚めの悪い朝・・・・・・何だったんだ、今の夢は?
どう見ても明らかに悪夢を見ていたとしか思えない。そう、まるでハルが目の前からいなくなるような気がしてならなかった。

(ハル・・・・・・)

寝起きが悪いせいで、朝飯を食べる気力すらなくなっていた。
それでも起きて、学校に行かなきゃいけないというのが現状だ。

「しょうがない、さっさと起きるか」

ふと、机の上にあるCCMのランプが光っていることに気づいた。
CCMを取り出して開くと、ハルからメールが来ていたのだ。

【おはよう、バン! 今日も授業、頑張ろうね!!】

たったの一言かよ・・・・・・まぁ、ハルがいるから安心できるというのもある。
今日は学校に行くか悩んでいたので、朝飯を食べてから考えることにした。



朝飯を食いながら、リンたちと仲良く話していた。

「バン兄さん、魘されてたけど・・・・・・大丈夫?」

リンに咎められ、声をかけられてしまうとは思っていなかった。
魘されていたところを見られてしまったことを聞いて、情けないと思っている。

「あ、ああ・・・・・・大丈夫だよ。心配すんな」
「兄貴、顔色が悪いよ?」
「健太、そこまで気にすることないから。まぁ、大したことじゃないからさ」

健太にも声をかけられ、朝飯を食べながら答える俺。
悪夢を見てしまいそうで、目の前にいる幼馴染がいなくなってしまうことを恐れているのか。
あるいは、冷めた瞳を感じてしまうせいで憂鬱な気分になってしまうことがあるかもしれないが。

「バン兄ちゃん、もしかして悪夢を見た?」
「バカ、そんなんじゃないぞ。別に大したことないって言ってんだから良いじゃないか」

それにしてもリアルすぎた悪夢だったので、微妙に目が冷め切ってないのだろう。
ハルがいなくなってしまったら、俺は何をすれば良いのか。

「バン兄ちゃん、無理しなくて良いんじゃ・・・・・・」
「うっ・・・・・・・」

直太にも咎められてしまい、兄弟の集中攻撃に躊躇った。
それでも怯まないのか、俺は無言で黙りながら食べ終えた。

「ごちそうさまでした」
「兄貴、学校に行くの?」
「あっ、あぁ・・・・・・おまえたちも頑張って行きなよ、じゃあな」

そう言って、居間を出て2階に通じる階段を上った。

(今日は行ける気分じゃないな・・・・・・)

学校で会えば、直紀やハル、コウたちもいる。
悪夢を見てしまったら、行く気分になれないこともあって鬱になりそうだ。

(しょうがない、今日はサボって飲むか)

朝から酒を飲んだら、母さんにバレてしまいそうで怖い。
午後に行った方が良さそうかなって思いながら、ゆっくり考える。

(ハルが来てないことを知ったら、きっと怒るだろうな)

きっと、自分のことを心配してくれる仲間なんていないと思う。
心の不安を解消させてくれる存在がいてくれれば・・・・・・の話だが。
不安定な時期になるのは間違いなく汲み取れているが、居酒屋で飲んだら寝てしまおうと思いながら考え込んでしまった。

(まぁ、飲んだら寝るのもいいかもな・・・・・・・)

カーテンから差し込まれる朝の光を感じつつ、右手で太陽の光を遮った。
そう、まるで自分を救い出してくれそうな気がする・・・・・・というのも、大切な仲間がいるだけで十分だ。


やがて、時間が経ち・・・・・・午後3時ちょうど。
昼間から酒を飲んで帰るのもありだったので、みんなに気づかれないようにしていた。
トキオ大学の近くにある居酒屋で酒を飲んでいる。

「ハル・・・・・・」

グラスの中に入っている酒を見つめながら、ヒックと呻いた。
どうせ、彼女は空手部の練習だ。目の前にいたら、ビクってなってしまう。

「ウィ・・・・・・1人で飲むのも悪くないよな」

酒を煽りながら、顔を顰める。まさにヤケ酒を飲んでいるかのような感覚で体が温まってきた。

(飲み過ぎちまったら、叱られてしまうもんな)

家を出る時、母さんに言われてしまったことを思い出す。

【あら、学校に行くの?】

その言葉を聞いて、そんな感じだって言いながらも上手く誤魔化せた。
でも、きっと気づいているだろうな・・・・・・母さんのことだから、飲んで帰ることを想像していたに違いない。

(そんなことはどうでも良いんだよ・・・・・・)

ゆっくり飲みながら、酒を煽りつつもストレス解消することができた。
でも、また悪夢を見てしまったら・・・・・・嫌な気分がしてならなかった。

「ゆっくり飲むかぁー」

度の強い酒を注文して、ゆっくり飲みながら過ごした。