二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 【ダンボール戦機W】バン×ハルと失われた過去 ( No.508 )
- 日時: 2012/11/16 09:53
- 名前: レッド ◆mAzj/Mydf. (ID: hSo8a19A)
短編5の続き(ハル視点)
帰り道、バンはフラフラと歩きながらも千鳥足で酔っ払いらしく歩いている。
あまり飲んでいなかった私はバンの背中を追うようにして歩きながら、心配そうに見守っていた。
「バン、飲み過ぎだよ」
「うるせえ、飲んでて悪いかぁー?」
「かなり酔ってるくせに、ちゃんと歩けるならしっかりしてよ」
飲み過ぎが良くないことを強調して言うと、バンは顔を顰める。
私が言うのもなんだけど、問題児になるわけではなかった。あいつが飲んで寝ることは間違いない。
「飲み過ぎてるのはいつものことじゃないの?」
「なんだよ、ハル・・・・・・俺のこと、からかってんの?」
「からかうなら、とっくにしてるけど・・・・・・・バン?」
バンの様子がおかしいと思ったので、優しく声をかけた。
飲み過ぎんなよって言うのが、私の本音なんだけどね。
「なあ、ハル・・・・・・」
「何よ、急にどうしたの?」
「ハルんちに行ってもいい? 今日は泊まりたくなったぜ」
「いいけど・・・・・・水くらい用意しとく?」
「ああ、そういうことでいい・・・・・・」
フラフラ歩きながら、先を進むバンの後を追いかけて、帰路に着いた。
数分後、やっとの思いで自宅に着いた。玄関のドアを開けて入ったのと同時にバンはいきなり、玄関の床に突っ伏した。
「ちょっ、バン!?」
突っ伏して寝入っているバンを見て驚く。気持ち良さそうに寝ていた。
母親が現れて、何事かと私を見る。バンを見て、ようやく納得した。
「あら、バン君じゃない。寝ちゃったの?」
「そうなのよ、お母さん、コップに水と氷を入れてくれる?」
「いいわよ。すぐに用意して持ってくるから」
居間に戻っていった母親の背中を見送り、仰向けに突っ伏して寝ているバンの背中を揺り起こす。
「バン、起きてよ」
「・・・・・・んー・・・・・・」
身じろいだ後、また寝入ってしまった。バンの肩を揺り起こしながら、優しく起こす。
「バン、風邪引くよ」
「寝かしてくれよォ・・・・・・」
靴を脱いで上がるのが面倒になったのか、バンは寝返りを打って爆睡した。
仕方なく、バンの靴を脱ぎながらも文句を言う。
「ったく、どれだけ飲んだのよ。バン、いい加減にして起きてよ」
彼を起こすのが精一杯だったので、母から氷と水の入ったコップを受け取る。
右手で持ったまま、バンの頬にくっつけてみる。
「うぅん・・・・・・」
眠そうに目を開け、バンはようやく意識が戻った。
氷と水の入ったコップを見て納得しながら受け取る。
「冷たいなーって思ってたら、これかよ」
「起こしたのに、なかなか起きてくれないんだもん」
「ごめん、寝ちまってたんだな。2階で聞くから、説教は後にしてよ」
私、そんなこと言ってないのに・・・・・・バン、勘違いしてる?
バンは上半身を起こして、水を飲み干すと私にコップを返す。
「2階に行くよ」
2階の部屋へと通じる階段を上って、バンはヒックと呻きながら言う。
「俺が寝てたこと、今回は許してよ」
「許すけども、バンが酔ってて起こすの苦労したんだから」
「あーはいはい、起こす役目はおまえだもんな」
笑って誤魔化すバンを見て、顔を顰めた。
これだから、酔っ払いに絡まれるのが嫌になる。
2階に辿り着き、自分の部屋に入った。バンはフラフラと歩きながら、私のベッドにダイブしてなだれ込むかのようにしつつも倒れこんだ。
「ちょっと、バン!?」
「寝かしてくれよー。俺、疲れてんだからさ」
「こんなところで寝るなー!! って、あれ?」
突っ込みかけて、バンを見る。穏やかな寝息を立てていた。
その間に風呂に入った後にでも起こして、ソファベットに寝かそう。
「しょうがないなぁ・・・・・・・」
部屋を出て、風呂に入ることにした。
風呂を出た後、部屋に戻ると寝入っていたバンは眠そうに待っていてくれた。
「起きたの?」
「ああ、風呂に入ってたのかぁー」
いつも優しい幼馴染のバン。彼がいると、安心できるというのもある。
幼馴染だからこそ分かる、性格や気持ちが純粋に現れているのだ。バンは眠そうに私の話を聞いてくれた。
「どうしたぁ、ハル?」
「ねえ、バン・・・・・・聞いてもいい?」
バンは仰向けに寝転がったまま、ベットの前にいる私の背中を見て答える。
「んあ、なんだよ・・・・・・」
「私のこと、どう思ってんの?」
開いた口が塞がらなくて、バンの思いを聞いてみたかったというのもあった。
彼は私の質問を聞いて、ああ・・・・・と言いながら頷いた。
「気が強いけど、いつも優しいんだよな。面倒くさがりなくせに、俺のことを気遣って心配してくれる・・・・・・それがおまえの長所だろォ?」
面倒くさがりなのは当てはまる。それに優しいところも当てはまっていたし、バンのことが大好きだという証だ。
「あと、マイペースだよな」
「うっ、気づいてたの?」
「何となく。ガキの頃から接してきたようなもんだし、俺はおまえのことが分かっちまう」
「マジですか・・・・・・じゃあ、私が言いたいのも分かるんだね」
「何となくだけどさ、うん・・・・・・でも、俺はハルがいなきゃ生きられないんだなぁ」
バンは私の肩に手を回して手繰り寄せる。その寄せ方がちょっと嫌だったけど、悪夢を見てしまったのならば尚更だ。
不安そうに語るバンを見たのも初めてだったし、最初はどうしようかと思っていたのだ。
「バン、不安になったの?」
「ああ、悪夢のことだろォ・・・・・・うん、まあな」
「まあな・・・・・って何それ」
バンを見て呆れる。飲みすぎで影響を受けなきゃいい。
「ハル、一緒に寝ようぜ」
「えっ、うん・・・・・・」
バンの腕の中に入ったのと同時に睡魔が襲ってきた。
意識がまどろんでくる中、バンとハルは深い眠りに落ちた。
The End-----------------------------------------