二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 【ダンボール戦機W】バン×ハルと失われた過去 ( No.57 )
日時: 2012/10/11 15:25
名前: レッド ◆mAzj/Mydf. (ID: hSo8a19A)

第5章の続き

(ストーリーモード:バン)

警視庁内にある応接室に通された俺たちは椅子に座り、向かい側の席に座った由美さんをみる。

「さて、急に聞きたいこととかあるの?」
「由美さんはご存知ないですか?」

ハルが直接、言い切ったのを見て思わず苦笑する。
確かに由美さんは何も知らないはずがないと思っていたのだから。

「何を?」

由美さんはいったい、何のことかと思いながら問いかける。
ハルとアイコンタクトをとり、お互いに頷き合う。

「この写真を見てもらえませんか?」

ハルが差し出したCCMの画面に映っている写真。
その写真には、カレン・キャベルンの姿が映っていたのだ。

「カレン・キャベルン!?」
「知ってるんですか?」

ハルは由美さんを見て聞き返す。
その様子を見る限り、何か知っていそうな感じだ。

「バン君とハルちゃん、どこで撮ったの?」
「俺たち、LBXバトル大会の会場に来てて・・・・・・その時に撮りました」
「LBXバトル大会!?」

どういうことだと言わんばかりに俺たちを見つめる。
確かにLBXバトル大会で見かけたし、決勝戦で戦ったから知っていた。

「何でLBXバトル大会?」
「ヒロに誘われて行ったんですけど・・・・・・あいつ、その不良グループを叩きのめしたいとかで参加するって言って、俺を誘ってくれました」

ヒロは由美の従兄弟に当たり、弟のような存在でもある。
その話を聞いたら、ヒロのことで説教されるかもしれないと思った。
由美は腕を組みながら、うーんと唸って考え込んでいた。

「なるほどね、ヒロが酔い潰れて帰ってきた理由が分かったわ」
「は? 今朝、何かあったんですか?」

由美さんに聞くとヒロは自宅に帰ってくるなり、玄関の床に倒れ込んで寝てしまったそうだ。
起こしてもなかなか起きないから、部屋まで連れて行ったが・・・・・・当の本人は酔い潰れていたため、完全に爆睡していたらしい。

「へぇ、あのヒロが床で寝るなんて珍しいな」
「あれでも大変だったのよ、酔っ払って帰ってくることは想像してたけど・・・・・・どんだけ飲んだのよ、もう!」

由美さんは呆れながら、ヒロを気遣って溜息をついた。
カレン・キャベルンのことで何か知っているようなら、話を聞きたい。

「話を戻すわね。カレン・キャベルンはイタリア警察から捜査依頼を受けていたとき、国際指名手配されていたそうよ」

国際指名手配?
何の事件を起こして逃げ回っているというのか?

「国際指名手配されていたって・・・どういうことなんですか?」
「そういえば、消える時に閃光弾を使って去るというのがあるよね」

閃光弾を使ったというところなら、確かに目撃した。
でも、ヴィーナスってどういう意味を示しているんだろう?

「はい。俺も目撃したんですよ、奈良警部も一緒に居たから分かります」
「マジで見たの?」
「はい・・・・・・奈良警部がやってきた時、いきなり閃光弾を出して逃げ切ったみたいです」

記憶を探って思い出しながら答える。
あの時、カレンは間違いなく閃光弾を出して消えた。
目の前から消えて、どこに逃げたのかも分からない状況になっていたのだ。

「なるほどね・・・・・・ある事件との繋がりがあると見て、逃亡先の日本に潜んでいた可能性が高いって聞いたわ」

逃亡先を日本に絞って、そこで何を企てようとしているのか。
そこが何となく引っかかるという由美さんはある事件について話してくれた。

「ある事件というのは、イタリアのマフィアという組織が起こしたものでね・・・・・・今から25年前に遡るんだけど、当時はイタリアのマフィアがいくつもの存在していたのね」

25年前、当時のマフィアにはいくつもの組織が存在していたという。
たくさんあったマフィアの組織は少なからずとも、血の繋がったファミリーでないとやっていけなかったそうだ。

「そのマフィアの組織の1つであるファミリーにカレンの父親らしき人物が入っていたらしいのよ」
「父親がマフィアに?」
「そう・・・・・だけど、ここからが問題の事件ね」

由美さんが言うには、25年前に起きた惨劇が関係しているのだという。

「25年前の・・・・・・惨劇?」

由美が語る、25年前の惨劇とはいったい?