二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 【ダンボール戦機W】バン×ハルと失われた過去 ( No.571 )
- 日時: 2012/11/18 13:31
- 名前: レッド ◆mAzj/Mydf. (ID: hSo8a19A)
第30章 輝姫&ティアラ&一ノ瀬心愛の3人組、登場!
(ストーリーモード:ハル)
ある日の休日、午前中に部活を終えた私は大学からの帰り道を歩いていた。
「はぁ・・・・・・」
幼馴染の山野バンに会えないのが辛く、苛立ちを隠せない。
最近、大学で見かけないからどうしているのか。楓が言うには、朝まで飲んでいるところを目撃したという話を聞いたそうだ。
(実際、その居酒屋に来たわけじゃなさそうなのに・・・・・・何で?)
幼馴染って言うよりも、何か彼氏に近いといったところか。
それに嫉妬してたら、埒が開かなくなるのでは・・・バンに何度か連絡したけど、なかなか繋がらない。
「うーん、どうしよう」
「ハル!」
その時、聞き覚えのある声がして振り返る。ふと、見覚えのある青年が走りながら駆け寄ってくるのが見えた。
そこに現れたのは・・・大学の同級生であり、幼馴染の船津直紀だった。
聴覚障害を持っており、多少のハンディはあるものの・・・両親の支えを糧に乗り越えていった。
ちなみに手話の他に口話ができるので、私たちと会話するときはそれを駆使しながら話してくれる。
「直紀、どうしたの?」
「ハルを見かけたから、声をかけようと思って。今、帰り?」
「ああ、そんなところよ。はぁ・・・・・・直紀、どうしよう」
「おい、ハル・・・・・・急にどうしたんだよ、悩み事があるなら相談に乗ってあげようか?」
直紀は躊躇いながらも、私を見て思わず首を傾げる。
きっと、バンのことで悩んでいるのだろう。それを察したのか、直紀はあることを閃いた。
「そうだ、あそこに行ってみるか」
「あそこって?」
「うん、僕の知り合いがやってるレストランなんだけど・・・・・・気分転換に行ってみるか?」
彼の提案により、その知り合いがやっているレストランに立ち寄ることにした。
(どんなレストランなんだろう?)
知り合いの方がどういう人なのかも分からなかったので、まずはそこに行ってみた方が良いだろう。
直紀に連れられて、レストランに向かうことにしたのだった。
数分後、駅から少し離れた場所に到着した。
そのレストランは分かりづらい場所にあって、『Le Jardin Secret』という名前の店である。
「うわぁ・・・・・・」
まるで隠れ家のよう・・・・・・しかも落ち着いた雰囲気を醸し出していて、ログハウスになっている。
中に入ると・・・店内は天井が高くなっているし、天井には扇風機がついていて涼しくなった。
「直にぃ!」
聞き覚えのある声を聞いて、席の方を見た。そこには、見覚えのある2人がいることに気づく。
直紀はその2人の元に駆け寄って、4人専用の席に座る。
「輝姫じゃないか! それにティアラさんまでいるし・・・・・・」
白炎輝姫という少女は直紀を見て頷き、ニッコリ笑う。
髪型は腰辺りまである白髪の超ロングヘアーになっている。左目が水色、右目が黄色のオッドアイになっており、背は低い。
身長は太陽の肩より少し低いくらいで痩せている。肌は透き通るように白い。
サッカーをする時は赤いリボンでツインテールに縛る。太陽から貰ったオレンジの石と黄色の石がはめ込んであるペンダントをいつも首につけている。
「あっ、ハルさんも来てたんですか! お久しぶりです」
「うん、久しぶり・・・輝姫、元気そうだね」
「ハルさん、何か元気がないんですけど・・・・・・どうしたんですか?」
輝姫が心配そうに気遣いながら話しかけてくれる。
その様子を見ていたもう1人の女性が私を見て挨拶してくれた。
「ハル、久しぶりー! 私のこと覚えてる?」
「ティアラさん、久しぶりです」
もう1人の女性はティアラ・クルーガー。アメリカ代表の選手を務めていたマークの妻である。
髪型は肩にギリギリつかないくらいの金髪になっており、目は太陽のような赤い瞳で明るく感じる。
髪の上の両サイドに赤いリボンをつけており、背は低い。身長は輝姫より少し高い。
ルビーが埋めこまれた天使の羽の形をしたペンダント、結婚指輪で貰ったルビーの指輪をいつもつけている。服装は元気系に関するファッションを好んでいる。
「2人とも、こっちに来たってことは何かあったの?」
「ハルのヤツ、最近になって元気ないからね。ここのことを思い出して、気分転換に食べようかってことになったんだ」
直紀は苦笑しながら、私を気遣いつつも2人を見て答えてくれた。
確かに元気がないことが伺えたので、フランス料理を堪能しつつも食べる気になることができた。
「直紀、ここにはよく来るの?」
「うん、悩んだりした時とかに来ることが多くてさ。ところで、何を食べたい?」
直紀はメニューを開いて、フランス料理の数々を見て考え込む。
輝姫とティアラはさっき食べたばかりだから大丈夫だという。
「フランス料理といっても、順番に出されるんだよね」
「えぇ、どんな風に?」
「たとえば、前菜が出るとするよね。それ食べ終わったら、肉料理が食べられるんだ。あとは、デザートくらいかな」
直紀の説明を聞きながら、メニューを見る。フランス料理っていろいろあるのか。
メインは前菜、次は魚or肉料理のどちらか1つを選ぶことができる。最後はデザートと紅茶入りである。
「じゃあ、私は肉料理にしようかな」
「やっぱり、ハルも? じゃあ、僕もそれにしようかな。飲み物は?」
「紅茶でいいわ。直紀も飲む?」
「ああ、そうするよ。すみませーん!」
直紀が右手を上げて、女性に向かって叫ぶ。その女性は直紀を見て、ゆっくり駆け出してきた。
「はーい、いらっしゃい。あら、輝姫ちゃんとティアラも来てたのね」
「ここ、元気そうね。仕事は楽しい?」
ティアラが笑いながら、『ここ』と呼ばれた女性に向かって言う。
女性はティアラを見て、満足そうに頷く。
「そりゃ、楽しいよ。直紀君もいらっしゃい、彼女と一緒に来たの?」
「いやいや、彼女って言うほどじゃないですよ。僕の幼馴染で、大学の同級生だよ」
直紀が紹介してくれたので、その女性を見て特徴を把握する。
髪型は背中の真ん中あたりに黒のロングヘアーをしていて、目は茶色の瞳になっている。
背は低く、肌は白い。紫の蝶のヘアピン、アメジストが埋め込まれた蝶の形をしたペンダント、結婚指輪でもらったアメジストの結婚指輪を身につけている。
服装はクール系を好んでいるようだ。
「ようこそ、『Le Jardin Secret』へ。この店でシェフを務めている、一ノ瀬心愛と言います。私のことは『ここ』って呼んでね」
「初めまして、人見晴香です。直紀の幼馴染ですが、よろしくお願いします。私のことは『ハル』って呼んでください」
ここさんに紹介することができたので、フランス料理のメニューを見て注文した。
「肉料理でお願いします」
「うんうん、肉料理ね。OK」
ここさんはコクリと頷きながら、私と直紀を見た。ふと、直紀が思い出したかのように、私に話してくれた。
「ここさんは心理カウンセラーの資格も持っているんだよ。悩み事があるなら話してみると良いよ」
「そうなの!? うーん、話してもいいのかな?」
その様子を見かねて、ここさんが私に優しく話しかけてくれた。
「うん、私でよければ話してくれる?」
「でも・・・・・・」
「とりあえず、ランチを食べてからにして聞きましょうか。料理ができるまでゆっくり寛いでね」
ここさんはそう言いながら、慌てて調理場に戻っていった。
結構、落ち着くなーと思いながら、周りを見回した。
「ここは本当に落ち着くね」
「うん、僕もここの雰囲気が気に入ってね」
「そうなんだ・・・・・・・」
悩みを聞いてくれそうな人がいて、安心したのも束の間に目を閉じた。