二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 【ダンボール戦機W】バン×ハルと失われた過去 ( No.598 )
日時: 2012/11/20 20:30
名前: レッド ◆mAzj/Mydf. (ID: hSo8a19A)

よし、第30章で終わったことだし・・・・・・新展開の第31章に入る前にヒロナオの短編を描きます!!
それでは、第4弾のヒロナオ編スタート!!

短編4(ヒロナオ)
タイトル:ナオが見た悪夢とは?(ナオ視点)

真っ暗闇の中、1人の女性が不安そうに歩きながら見つめる。
まるで、闇の中にいるかのよう・・・・・・その不気味さを感じさせない、殺風景なところが映った。

「おーい、ヒロォー! どこにいるの?」

そう言いながら叫ぶ女性。周りを見る限り、夜のような感じだ。
いかにも殺風景なところは相変わらず、暗い。というのも、自分が感じた不安とはいったい何なのか。

「ったく、どこにいるのよ・・・・・・」

ふと光が漏れていることに気づき、目の前に現れた青年を見つけた。
その目つきはまるで冷め切ったかのような瞳・・・・・・冷たい視線を放つかのようにして呟く。

「おまえなんか嫌い・・・・・・」
「えっ、ヒロ! どういうこと、私のことを嫌いだなんて・・・・・・」

そう言いながら、青年を追いかける女性。
青年の姿が見えなくなったのと同時に再び、真っ暗闇になった。

「ちょ、ヒロ!?」

その時、自分を覆うかのようにして真っ黒いものが現れる。
女性自身を纏めて潰すといった感じだろうか、脱出しようとして試みた。

「くっ、抜けきれない!」

ドス黒いものが自分の前に現れ、いきなり襲い掛かってきた。
女性は思いっきり叫びながら怯えたまま、驚きを隠せないでいたのと同時に躊躇った。

「うわあああああ!」

目の前が真っ暗になり、意識が途切れていった。





ガバッと飛び起きながら、周りを見て驚く。

「はっ!!」

気づけば、朝になっていた・・・・・・カーテンの隙間から太陽の光が差し込まれている。
チュンチュンと雀の鳴く声が外から聞こえてきた。

「なんだ、朝かぁー」

何と目覚めの悪い朝・・・・・・何だったんだ、今の夢は?
どう見ても明らかに悪夢を見ていたとしか思えない。そう、まるでヒロが目の前からいなくなるような気がしてならなかった。

(ヒロ・・・・・・)

寝起きが悪いせいで、朝飯を食べる気力すらなくなっていた。
それでも起きて、学校に行かなきゃいけないというのが現状だ。

「しょうがない、さっさと起きるか」

ふと、机の上にあるCCMのランプが光っていることに気づいた。
CCMを取り出して開くと、ヒロからメールが来ていたのだ。

【おはよう、ナオ! 今日も授業、頑張ろうぜ!!】

たったの一言だけかよ・・・・・・まぁ、ヒロがいるから安心できるというのもある。
ハロウィン・パーティーが終わったこともあり、安心していたのだろう。

(今日は顔を合わせられないかぁ・・・・・・)

いっそのこと、授業をサボって行くのもありか。
だるそうに起き上がり、服に着替える。

(今日は行ける気分じゃないな・・・・・・)

学校で会えば、ヒロやハル、バンたちもいる。
悪夢を見てしまったら、行く気分になれないこともあって鬱になりそうだ。

(しょうがない、今日はサボって飲むか)

朝から酒を飲んだら、母さんにバレてしまいそうで怖い。
午後に行った方が良さそうかなって思いながら、ゆっくり考える。

(ヒロが来てないことを知ったら、きっと怒るだろうな)

きっと、自分のことを心配してくれる仲間なんていないと思う。
心の不安を解消させてくれる存在がいてくれれば・・・・・・の話だが。
不安定な時期になるのは間違いなく汲み取れているが、居酒屋で飲んだら寝てしまおうと思いながら考え込んでしまった。

(まぁ、飲んだら寝るのもいいよね・・・・・・・)

カーテンから差し込まれる朝の光を感じつつ、右手で太陽の光を遮った。
そう、まるで自分を救い出してくれそうな気がする・・・・・・というのも、大切な仲間がいるだけで十分だ。


やがて、時間が経ち・・・・・・午後3時ちょうど。
昼間から酒を飲んで帰るのもありだったので、みんなに気づかれないようにしていた。
トキオ大学の近くにある居酒屋で酒を飲んでいる。

「ヒロォ・・・・・・」

グラスの中に入っている酒を見つめながら、ヒックと呻いた。
どうせ、彼はボクシング部の練習だ。目の前にいたら、ビクってなってしまう。

「ウィ・・・・・・1人で飲むのも悪くないよね」

酒を煽りながら、顔を顰める。まさにヤケ酒を飲んでいるかのような感覚で体が温まってきた。

(飲み過ぎたら、叱られてしまうもんなぁー)

家を出る時、母さんに言われてしまったことを思い出す。

【あら、学校に行くの?】

その言葉を聞いて、そんな感じだって言いながらも上手く誤魔化せた。
でも、きっと気づいているだろうな・・・・・・母さんのことだから、飲んで帰ることを想像していたに違いない。

(そんなことはどうでも良いやぁ・・・・・・・)

ゆっくり飲みながら、酒を煽りつつもストレス解消することができた。
でも、また悪夢を見てしまったら・・・・・・嫌な気分がしてならなかった。

「ゆっくり飲むかぁー」

度の強い酒を注文して、ゆっくり飲みながら過ごした。