二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 【ダンボール戦機W】バン×ハルと失われた過去 ( No.61 )
- 日時: 2012/10/11 16:53
- 名前: レッド ◆mAzj/Mydf. (ID: hSo8a19A)
第6章の続き
(ストーリーモード:バン)
首を傾げながら見ていたその時、ガチャッと応接室のドアが開いた。
そこに現れたのは、捜査一課で働いている刑事の直井健太だった。
「直井さん!?」
「あ、バンじゃないか。久しぶりだな、ハルちゃんまで来てたんだ」
ドアを閉め、由美さんの隣の席に座った。
直井さんはちょうど会議が終わったらしく、由美さんを探しに来たそうだ。
「そしたら、応接室にいるって言ってたからさ」
「直井くん、この人のこと知ってる?」
由美さんがハルのCCMに載っている写真を見せる。
その写真を見た瞬間、直井さんはビックリした。
「この写真、どこで撮ったの?」
「LBXバトル大会の会場にいたときに撮りました。俺たち、たまたま来てて・・・・・・」
「もしかして、ヒロが言ってた居酒屋か?」
直井さんはCCMに写っている女性を見て、顔を顰める。
「まさか、ヴィーナスがいたとはね」
「直井さんも知ってるの?」
ハルが直井さんに聞きながら質問する。
どうやら、直井の方が詳しいと見ていいだろう。
さっそく、直井から話を聞いてみた方が良いかもしれない。
「直井さん、何か知ってることがあるなら教えてください」
「うん、彼女はヴィーナスと呼ばれていたんだ」
直井の話によると、カレンは日本にやってきてすぐに事件を起こした。
その時に爆弾が仕掛けられ、高度なものを使った爆弾を爆発させたらしい。
これは復讐による狂気に駆られて、爆弾を仕掛けたと考えるのが妥当だろう。
「カレンはいつの間にか知らない間に高度な仕掛けを身につけるようになっていった。父親を殺した犯人に対しての復讐を募らせている可能性が高い」
高度な仕掛けを解除させるには、相当の技術をもっていないとできないそうだ。
警察ですら、少しだけでも解除しない限りは不可能だと見て考える。
「でも、連続爆弾事件を起こしてはまずい状況になっている。つまり、連続爆弾事件を食い止めないといけないからだ」
「じゃあ、その連続爆弾事件を食い止めるしかないんじゃないですか?」
連続爆弾事件で国際指名手配されているカレンのことを考えれば、危うくなるのは間違いない。
リンたちの身に何かあったら、絶対に困るかもしれない。
「食い止められたら・・・の話だけど、奈良警部はイタリア警察からの要望に応えて捜査しながら追っていたんだ」
「じゃあ、LBXバトル大会の会場にいたのはそういうことだったんですか?」
「ああ、奈良警部からバンに会ったと聞いて驚いたよ」
確かにそこで会ったら、本当にビックリしちゃうよな。
でも、連続爆弾事件を食い止めないといけないのは分かる。
どこまで追い詰めることができるかどうかも気になるくらいだから、何か事件を起こそうとしているのは間違いない。
「まあ、その事件の捜査も兼ねて手伝いますよ?」
「え、でも・・・・・・」
直井さんは焦りながら、苦笑しつつも溜息をつく。
その時、聞きなれた声が聞こえた。
「あれ、バンたちじゃないか」
そこに現れたのは、奈良警部だった。その様子を見る限り、会議は終わったらしい。
「こんにちは、奈良警部」
そう言って挨拶すると、奈良警部はコクリと頷いた。
直井の隣に座り、捜査資料の中に入っている写真を見せた。
「この男に見覚えはないか?」
写真に写っていたのは、1人の男だった。
身体がガッチリしていて、細身に近いといったところだろうか。
服装は黒ずくめになっていて、全体的に不気味な姿で行動しているように見える。
「いや、この男は見てないけど・・・・・・なあ?」
ハルに聞きながら質問して話しかけると、彼女は無言で頷いた。
奈良警部はそうかと言いながら、顔を顰めた。
「そうか、君たちも見てないか」
「はい。この男がどうかしたんですか?」
「カレンが追っているらしいんだ。その男の行方が日本のどこかに潜んでいる可能性が高いという情報を掴んだそうだ」
日本のどこかに潜んでいる可能性が高い。
つまり、日本といえば・・・・・・東京のミソラタウンしかない。
「もしかして、東京のどこかに潜んでいるってことですか?」
「ああ。カレンを追っていたんだが、もうちょっとで逃げられた」
奈良警部は昨夜のことを思い出しながら、顔を顰めて言う。
確かに言われてみれば、その場所で会うとは思っていなかった。
よく考えたら、そこで再会できなければ捕まえることができたかもしれない。