二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 【ダンボール戦機W】バン×ハルと失われた過去 ( No.621 )
日時: 2012/11/21 22:21
名前: レッド ◆mAzj/Mydf. (ID: hSo8a19A)

第32章 再会Ⅱ カレン・キャベルン登場、その目的とは?

(ストーリーモード:ハル)

ミソラ商店街の裏通りに回り込んで逃げたが、カレン・キャベルンに遭遇してしまった。
彼女が狙う目的は分からなかったが、私の後を追ってきたのだと想像できる。
しかし、目の前に彼女がいるということは何らかの理由があるはず。

「あなたは・・・・・・居酒屋で行われたLBXバトル大会の決勝戦でバンと戦っていた人ですよね?」
「そうよ。私はカレン・キャベルン、お見知りおきを」

カレンが自己紹介しながら、礼儀正しく言う。つまり、私に用事があってきたのだろう。
でも、カレンの異名は【ヴィーナス】って言ってたような気がする。

「だったら、私のことを知ってるのはなぜ?」
「山野バンの幼馴染でしょ?」
「なっ、何で分かった?」

バンの幼馴染だと知っている・・・・・・カレンはある程度、情報を把握している可能性が高い。

(これはいったい・・・・・・どういうことだ?)

カレンが何をしようとしているのか、想像がつかない。
あまりにも面食らったけど、彼女は何か悪いことをしていたとか聞いた記憶があったのを思い出す。
警視庁で直井さんや由美さんから聞いた話を思い出して考える。

(25年前の惨劇が関係していると言ってたな・・・・・・)

25年前の惨劇というのは、イタリアのミラノで起きた事件。
イタリアのマフィアが組織として動いている場所でカレンの父親が殺されて亡くなった。
その出来事をきっかけに、父親を殺した人物を追っているという話が出ていたらしい。

(殺した犯人が厄介だとか聞いたな・・・・・・)

殺した犯人がちょっと厄介なのは分かるけれど、いったい何が起きたのか。
由美さんの話によると、犯人は爆弾を仕掛けるといったものに関して強いらしい。
つまり、犯人は爆弾を仕掛けることしか考えていないという人物だということが判明した。

「もしかして、カレンは25年前の惨劇で殺された父親の仇を取りたいんでしょ?」
「うるさいわね! 小娘、承知しないわ!!」

カレンは声を荒げて言う。いきなり睨みつけておいてどうするつもりだ。
私はファイティングポーズを構えて、相手を睨みつけながら問うた。

「そもそも、私を狙うのはどうして?」
「山野バンの幼馴染だということが気に入らないし、目障りなんだよ」
「目障りねぇ・・・・・・よく言ってくれるじゃん、あんたなんかに命は渡さない!!」

そうだ、油断しない方が良い。カレンに殺されるよりはまだマシだ。
だけど、逃げ道が塞がれてて追い詰められる状況になっている。どうしたらいいのか悩んでいた。

(くっ、どうやって逃げ切ろう)

相手はヴィーナス・・・・・・・厄介な人と出くわしちゃったから逃げ切るにしても無理だ。
どうしようかと思いながら、目の前にいるカレンを睨みつけた。

「山野バンの居場所を教えてもらおうか!」

バンの居場所なんて知らない。実際に知らないって言ったら殺されるかもしれない。
とりあえず、死を覚悟するしかなかった。助けに来てくれるわけがないのだから--------------------------

「知らないよ!」
「フン、本当に知らないみたいだね。なら、こうしてやるか」

カレンはポケットからナイフを取り出した。それを見た瞬間、ヤバいと悟った。
しかし、その時はもう既に遅し---------------------------

「これで死ねェェェ--------------------!」

ナイフを持ったまま、カレンが私に突っ込んで襲い掛かってきた。
同時に思わず私は目を閉じて、顔を顰めた。

(やられる-----------------------------!)

すると、シーンと静まり返った。恐る恐る、目を開けるとカレンが右手を押さえたまま顔を顰めて蹲っていたのだ。
ナイフが弾かれていて、いつの間にか足元に落ちていた。そこに見覚えのある缶を見て驚く。

(缶ビール?)

空になった缶ビールが1本・・・・・・もしかして------------------
そう思ったその時、後ろから聞き覚えのある声が聞こえた。

「そこまでだ、【殺しのヴィーナス】」

振り返ると、見覚えのあるクセ毛の青年が突っ立っていた。
顔を赤らめているが、その様子を見ると酒を飲んで帰るところだったらしい。

「バン!?」

目の前に現れたのは、幼馴染の山野バンだった。
何でここにいるのか分からなかったが、私の後を追ってきたのだろう。
フラフラしながら歩いてきた。その様子を見る限り、近くの店で酒を飲んだ帰りだろうか。

「ヒック、酒を飲んだ帰りに探しに来てみたら・・・・・・【殺しのヴィーナス】がいたなんてさぁ」
「バンが何でここにいるの?」

トロンとした目つきを見る限り、かなり酔っ払っていることが伺えた。
その目つきは定まらないかもしれないが、バンは私を捉える。

「こっちの台詞だ。まぁ良いや、話は後だ・・・・・・」
「えぇ!? 後でって・・・・・・・」
「まぁ仕方ねェよ、今はカレンが相手だからな」

バンはそこに落ちていた缶ビールを拾って、右手で持った。
一方、カレンはバンの登場に躊躇いながら、困惑気味に戸惑う。

「なっ・・・・・・何でおまえがいる?」
「へっ・・・それを言うのは、俺の方だよ」

バンはふらつくのを感じつつ、バランスを崩さないようにして睨みつける。
その様子を見る限り・・・壁に背中を預けてくっついているが、彼は自力で歩くのがやっとだったのだろう。

「何だとォ-----------?」

カレンはイラつくような感じでバンに突っかかった。それでも、彼は動じないかのように、オーラを纏う。
チラリと私を見た後、鋭い目つきでキッと睨みつける。

「そりゃ、こっちの台詞だぜ。そもそも、おまえがここに潜んでいたのはハルの後をつけていたから・・・・・・そうだろ?」

バンの口から放たれた言葉を聞いて驚く。いったい、どういうこと?
いつの間にか知らない間に気づいていたのか、バンは肩を竦める。

「まぁ、謎解きしてやらなきゃ分かんないよな」
「バン、カレンが【殺しのヴィーナス】ってどういうことなの?」
「俺の話をよーく聞いてれば分かる。おまえは黙って聞いてろよ」

カレンが【殺しのヴィーナス】っていったい?
これから、バンの謎解きが始まろうとしている-----------------------