二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 【ダンボール戦機W】バン×ハルと失われた過去 ( No.629 )
日時: 2012/11/22 20:50
名前: レッド ◆mAzj/Mydf. (ID: hSo8a19A)

第33章 再会Ⅲ バンVSカレンの因縁対決

(ストーリーモード:バン)

バンはカレン・キャベルンと対峙していた。
そう、まるで佇まいを感じさせないかのような目つきで睨みつけている。
なぜ、彼女が【殺しのヴィーナス】であるのかということについて解き明かそう。

「さっき、言ったよな。【殺しのヴィーナス】っていうのは、カレン・キャベルンの異名さ」
「ええ、カレンの異名って・・・・・・」
「まぁ、ハルは知らないだろうな。調べていくうちにいくつか分かったことがあるんだ」

彼女について調べていくうちに分かったことが3つある。
1つ目は25年前の惨劇による事件。2つ目は連続爆弾事件。3つ目は【殺しのヴィーナス】について・・・この3つを合わせて纏めると、確かに矛盾しているところが出ているのだ。

「まず、1つ目は25年前の惨劇についてだ。当時、イタリアのミラノで起きたという話だったな」
「ええ、そうよ。何を根拠にして言うつもり?」

カレンは動揺を隠せず、俺を見て躊躇いながら言う。
それでも揺るがないくらい、謎解きに専念するしかない。

「ミラノにあるマフィアの組織で働いていたとされる、父親は何者かによって惨殺された」
「それってもしかして--------------------------」
「そう、例の爆弾によるもので殺された。だが、父親はたった1つの手掛かりを残していたんだ」

カレンの父親はマフィアとして働いていたが、爆弾によるもので惨殺されて亡くなった。
死ぬ前に手掛かりを残したとされているようで、謎はすぐに解けた。

「父が手掛かりを残していた?」
「そう、おまえは何も知らないで育ったということになる。親父さんが残した1つの手掛かりはこれだよ」

1枚の写真を出して見せた。写真には、黒く焦げた電池が写っていた。
その写真が示すのは、父親の手の中に収まっていたというものだった。
つまり、この電池が重要な手掛かりになるということである。

「で、電池?」
「ああ。この電池は親父さんが死ぬ間際に残したものなんだ。なぜ、これが残されていたのか・・・・・・」
「だから、何で残されていたのか知りたいのよ!」
「まぁ、そう言うなよ。それは巧妙なトリックが仕掛けられていたからさ!」

父親が死ぬ間際に残した、黒こげの電池・・・それを使ったトリックがあった。
そのトリックとは、あるものを使って利用したというものだ。

「この電池を使った巧妙なトリック・・・・・・それがあるものを利用して作ったということになるんだ。あるものとは、懐中電灯さ」

犯人は懐中電灯を使って、父親が手に取ったのを見てタイミングを図ったということになる。
俺の推理が正しいのだとしたら、犯人は懐中電灯に爆弾を仕込んだのではないかと思っていたのだ。

「犯人は、あらかじめ用意しておいた懐中電灯に電池を入れて起動させようとしたんだ」
「なんだって・・・・・・!?」

そう考えれば、何もかも辻褄が合う。犯人がもし、起動させるスイッチを仕掛けたとしてもおかしくない。
つまり、手の込んだ仕掛けを仕組んだことになるのだろうか。

「父親が懐中電灯を見つけて、ライトをつけた瞬間に爆発が起きた。それで、その仕掛けに気付くことができなかったかもしれない・・・だから、死ぬ前に黒い電池を掴んで握った可能性が高い」

そこで起きた惨劇、つまりマフィアを巡る騒動によるものではないか。
イタリアではマフィアという組織がいくつもの存在しているのだから、騒ぎが起きてもおかしくないはずだ。

「つまり、イタリアで起きた惨劇はマフィアの組織の者による事件だったんだよ」

イタリアのマフィアによる事件だった。これは父親が殺されたという出来事だということだけしかない。
連続爆弾犯はちょっと厄介だということが分かった。爆弾を仕掛けるといったものに関して強いらしい。
つまり、犯人は爆弾を仕掛けることしか考えていないという人物だということが判明した。

「あんたが追っている連続爆弾犯はちょっと厄介な人物だ。爆弾を仕掛けるといったものに関しては強いらしいが、あれだけ高度なものを作るってことは何か理由があるはずだと思わないか?」

カレンが行方を追っている連続爆弾犯が潜んでいる場所は依然分からないままだ。
高度なものを作る人物は逃亡先の日本に潜んでいるという噂が出ていた。
逃亡先を日本に絞って東京のどこかにいるということになる。

「でも、【殺しのヴィーナス】ってどういうこと?」
「彼女はね、5年前に起きた誘拐事件に関与しているんだ」

5年前に起きた誘拐事件でカレンらしき女性を見かけたという話が出ていた。
その時、早間綺羅という少年を誘拐して連れ込んで行ったらしい。後は目撃情報も出ず、行方は掴めないでいたのだ。

「5年前、誘拐されたのは早間綺羅という少年。そいつは催眠術で操られているんだ」
「催眠術!?」
「そう。催眠術を駆使して、敵だと思い込ませることで誰にも心を開かないようにしたんだ・・・・・・違うか?」

早間綺羅はカレンの催眠術によって操られていた。敵だと思い込ませて、誰にも心を開かずに育ってきた。
5年経った今は風貌が変わっていて、キラとは思えないような感じになっていたのだ。

「ほぼ正解よ。でも、警察が来ない限り・・・・・・」
「へっ、そう言うと思ってたぜ。もう逃げられないよ」

そう言って呟いたのと同時に俺の背後から複数の明かりがカレン&ハルを照らす。

「そこまでだ、カレン! 逃亡した挙句の果てに、バンに捕まれるとはな」
「なっ・・・」

そう、俺が考えて仕組んだ罠・・・つまり、挟み撃ち作戦だったのである。
カレンは冷静に状況を把握した上で、俺に向かって呟いた。

「ふっ、私が警察に捕まるとでも思っているのかい?」
「あー? どういうことだよ」

カレンが何か企んでいそうな顔をしていることから考えると、居酒屋にいた時と同じようなことをするつもりだろうか。
そう思っていたその時、カレンは閃光弾を放った。

「おまえたちに邪魔されたら、私の計画が台無しになるんでな。じゃあね!」

言い放ったのと同時にいきなり光が現れて、ピカッと明るくなった。
両手で覆いながら、俺たちは顔を顰める。

「うわっ!」

光が消えた瞬間、姿が見えなくなってしまった。また逃げられたので、今回は仕方ないと思った。
奈良警部たちも悔しさを滲ませ、怒りを露にする。

「くそっ、逃げられたか!」
「奈良警部、ヤツのことは俺に任せてもらえませんか?」
「ああ、バンなら捜査できそうだからな。何かあったら連絡してくれ」

奈良警部と連携して、捜査を進めることにした。何よりハルが無事で良かったとつくづく思う。
その時、ハルが俺のところに駆け寄ってきた。

「バン!」
「大丈夫か?」
「うん、怖かったよぉ・・・・・・」
「とりあえず、帰るか。家まで送るからさ」

家まで送ろうと思っていた矢先、グゥゥゥ--------------------とお腹が鳴る音が聞こえた。
もしかして、何も食べてないのか・・・・・・帰りに居酒屋でまた飲んでから帰ろうと思っていたのだ。

「なんだ、夕飯は食べてないの?」
「ぅん・・・・・・・」
「しょうがないな、居酒屋で喋ってから帰ろうか」
「いいの、マジで!?」

ハルはキラーンと目を輝きながら喜ぶ。そういうところが可愛いから、許しちゃうんだよな。
幼馴染であることには変わらないのだから--------------------------