二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 【ダンボール戦機W】バン×ハルと失われた過去 ( No.651 )
- 日時: 2012/11/24 11:48
- 名前: レッド ◆mAzj/Mydf. (ID: hSo8a19A)
第34章 バンの様子に異変を感じた直紀、その違和感とは?
(ストーリーモード:直紀)
トキオ大学の帰り、僕はミソラ商店街を歩きながら考え込んでいた。
幼馴染の山野バンについて、気になることがある。最近、大学に来ないことを気にしていたので、何かありそうだということは間違いなく読み取れた。
(バンの様子がおかしかったのは何となくだけど・・・・・・)
夜中に歩いているところを見かけ、声をかけようとしていた時のことを思い出す。
バンはどこかに向かいながら歩いていたので、気になった。そこで、僕は後を追いかけようと思っていた。
しかし、いつの間にか知らない間に消えていた。そう、まるで誰かに場所を知られたくないのだと。
「うーん、何か引っかかる・・・・・・」
腕を組みながら、真剣に腕を組んで考えあぐねていると聞き覚えのある声がした。
「直紀ー!」
1人の女性が僕を見て駆け寄りながら、笑顔を見せた。
僕の前に現れた女性は直見温子だった。保育園時代の幼馴染で家が近所だから仲良くしてもらっている。
「あっちゃん、久しぶり」
「うん、さっきから何を考え込んでるの?」
「うん・・・・・・バンのことで気になることがあるんだよね」
「バンのことで気になること・・・・・・って、何?」
あっちゃんは僕を見て、思わず首を傾げる。確かにこの目で見たんだから間違いない。
でも、どこかに出かけていったのかもしれないが・・・・・・どうも、そこが引っかかるのだ。
「バンのヤツ、大学に来てないんだよ」
「ええ、何でー!?」
「妹のリンちゃんが誘拐されたとか言う話が出てるんだよ」
「リンちゃん? えっ、バンに新しい家族が来たの?」
「うん、そうだよ。健太と直太のお姉さんだって言ってたよ」
「健太君と直太君は前の記憶をなくしてるんでしょ?」
健太と直太は記憶をなくしている・・・・・・つまり、過去の記憶を思い出せないでいるのだ。
ハルが言うには、記憶をすりかえられていたのだという。本当の記憶が戻るまでゆっくり待っているところだ、
「ああ。少しだけでも何か思い出せることがあるなら、記憶が戻ることを祈るしかないね」
「うん、そうだね。バンの行き先というのが気になるんだけど・・・・・・」
あっちゃんが首を傾げていたその時、何か言いかけそうになった。
彼女の視線を追うようにして、その先を見ると・・・・・・見覚えのある青年がズボンのポケットに両手を入れながら歩いていたのだ。
「あれって・・・・・・」
「間違いない、バンだ」
腕時計を見ると、夜10時ちょうど。この時間に家を出るか、それは有り得ない。
あっちゃんもバンの行き先が気になったので、僕を促した。
「とりあえず、後を追いかけようよ」
「そうだな、慎重に歩いていこうか!」
僕たちはバンの後を追いかけ、慎重に歩いていく。
しばらく経ってから辿り着いた場所・・・・・・見慣れない風景に釘付けになった。
居酒屋なのか、バーなのかも分からないところだ。そこのドアを開けて入るバンを見つけた。
「あそこに入ったよ。そこで何してんだろうね?」
「さぁ・・・・・・店名が気になるんだけど、あいつがそこにやってきた理由を知りたいくらいだよ」
バンがその店にやってきた理由を知りたいというのもあるが、どうしても気になっていた。
ふと、あっちゃんが僕に上を見上げてって言うわりに顎をしゃくって促す。
彼女の視線を追うようにして、上を見ると店名が書いてあった。しかも英語で書かれていることが伺えた。
「んーと、【Detective bar】って書いてあるな」
「Detectiveって、探偵だよね?」
「・・・・・・ってことはそこで何か調べたりしてんのかな?」
「いや、ただ飲むだけだと思う。とりあえず、行ってみようよ」
「待て、バンに後をついていったこと知られたらどうするんだ?」
よく考えたら、バンに後をついていったことを知られたら困る。
それが僕たちの悩みどころだ。しかし、僕の家の近くにこんな店があるとは知らなかった。
「そうだね、入るのは止めようか。こんな近くに店があったとは思わなかったわ」
「でも、僕の家に来ることも有り得るしね。輝姫やティアラにも聞いてみないと分からないかもしれないな」
「あーあの2人なら何か知っていそうだわ」
「じゃあ、家に帰って休もうか」
そう言って、僕たちは帰路についた。
しばらくして、深夜3時ちょうど。家のインターホンが鳴った。
『ピンポーン』
こんな時間に誰だと思いながら、眠そうに起き上がる。
玄関のドアを開けると、幼馴染の山野バンがトロンとした目で突っ立っていた。
「バン!?」
「泊まらせてくれねぇー? 飲み過ぎちまったぁ〜」
「いいけど、家に上がってよ。水を持ってくるから」
バンが中に入ったのを見計らって、玄関のドアを閉める。
靴を脱いで上がったバンはフラフラとおぼつかない足取りで居間に向かって歩いた。
バンの靴を揃えてから、居間に向かった。そこに着くとバンは床に突っ伏して寝ている。
「ちょ、バン!?」
「んー・・・・・・」
ベロンベロンになるまで飲んで、急にどうしたんだろう。
そういえば、思い当たる節があったのを思い出す。温子と一緒についていった時に向かった店で飲んでいたのではないか。
「おい、バン! 起きろよー」
「んぅ・・・・・・直紀ィ?」
寝惚け眼で僕を見て、酒臭い息を吐いて言う。
飲み過ぎだと言いたいばかりだ。バンの世話をするの久しぶりだ。
修学旅行以来なので、酒に強いバンのことを尊敬してしまう。
「今、水を持ってきてやるからさ。ソファーに座ってて」
「ぅん・・・・・・サンキューな・・・・・・・」
バンは眠い目を擦り、フラフラと立ち上がってソファーに向かって歩く。
ソファーに座ったかと思えば、眠そうに目を開けているのがやっとだった。
その間に水の入ったコップを用意して持っていった。
「はい、水」
「サンキュ・・・・・・」
水の入ったコップを受け取り、ゴクゴク飲み干した。
コップが空になったのを見て受け取り、ダイニングルームの洗い機に入れる。
「バン、飲み過ぎだぞ。あれだけ飲んで、何してたんだ?」
「別に何もォ・・・・・・飲み過ぎてもいいじゃんー」
「良くないんだって、あの店で何してたんだよ?」
「あの店ェー?」
【Detective bar】のことだと察したのだろうか、そんなことを知っていたのかというような顔を見て呆れる。
やっぱり、後をついていったのが良くなかったのかな。
「うん、バンの後をついていったんだけど・・・・・・」
「あーやっぱり、おまえだったんだ? 何となく気づいてたぜ」
「気づいてたって・・・・・・ええ!? いつから?」
「歩いてる時に気づいた。直見と一緒にいたんだろォ?」
あっちゃんと一緒にいたことがバレているなんて・・・・・・どうなってるんだと言いたいくらいだ。
バンは何でもお見通しのようだ。毎回、バレないようにしてたつもりだった。