二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 【ダンボール戦機W】バン×ハルと失われた過去 ( No.653 )
- 日時: 2012/11/24 16:55
- 名前: レッド ◆mAzj/Mydf. (ID: hSo8a19A)
第34章の続き
(ストーリーモード:直紀)
待てよ、ここにバンがいるってことは何かあって来たんじゃないだろうか。
でも、バレてたのが分かった今は問い詰めることすらできない。
「どうしたんだよ、直紀ィ?」
「バン、何で分かったの?」
「・・・・・・んー? 歩いてたら、誰かがついてくるような気がしたんだ」
「それで分かったと?」
「そういうことーっていうかさぁ、オレの後をついてきて何するつもりだったのォ〜?」
酔っ払いの戯言を聞いていると眠くなりそうな予感がしてならない。
バンの優しさは今も健在。いや、バンはいつも素直だから言いたいこともあると思う。
「いや、何も・・・・・・」
「嘘つけ、オレが気づいてないとでも言いたいわけ?」
「バ、バン・・・・・・僕は別に何も言ってないよー!」
バンに逆らおうと思えば、グイッと左手で押し寄せられる。
ソファーに倒されてしまった瞬間、バンは目が据わっている状態で僕を見て呟く。
「オレさぁ、ハルに言いたいこともあったのに・・・・・・」
「は? ハルとケンカでもしたの?」
「してねぇよ、あいつに避けられてるような気がすんだよ」
「ハルに避けられてる・・・・・・?」
押し寄せられたままの状態で呆れながら、バンを見る。
ハルとケンカしたわけではなさそうだけど・・・・・・酒を飲みまくって、何してたんだろう?
「あれだけ飲みまくって、何が言いたいんだよ?」
「ぅん・・・・・・ヤケ酒飲んでた。オレ、ハルに言えないんだよな」
「もしかして、あの店のこと?」
「あぁ、それもあるんだけど・・・・・・いつもなら居酒屋で飲むだろォ?」
確かにいつもは居酒屋で酒を飲むことが多い。僕もたまに付き合わされることがある。
バンはそんなことを気にすることもなく、僕を連れてきて飲むこともあるくらいだ。
でも、今回はそうでもないみたいで誰も誘わなかったようだ。1人で飲むことが多くなってきているのか。
「誰も誘わなかったの?」
「ヒロ誘ったけど、部活あるっていうしさぁー・・・・・・オレ1人じゃ辛いから、あの店で飲んで話してたんだよ」
もしかして、【Detective bar】っていうところはバンのお気に入りの店ではないか。
そう考えれば、他の常連客とも話せるわけだ。つまり、最近はそこに通いながら飲んでいたということになる。
「バン、質問していいかな?」
「んー・・・・・・いいよォ、なんだよー」
「その店の名前は【Detective bar】だよね。もしかして、あそこは探偵が集まったりするの?」
「あーそうとも限らないかなぁ・・・・・・」
「限らない?」
「うん。オレみたいな大学生も通ってるし、他の大学に行ってるヤツらと意気投合して話すことなんかもあるぜェー」
うーん、内容からしてよく分からないけれど・・・・・・僕もそこに行ってみようかな。
バン以外の人と仲良くしてみたいというのもある。
「なるほどね、僕も行っていい?」
「えーおまえがぁ?」
「うん、ダメ?」
幼馴染なんだから、何をしでかすかも分からないバンを放っておくわけにはいかない。
せっかくだから、一緒に連れて行ってもらおうかと思っていたのだ。
「んー・・・・・・ダメとは言わないけどさ、おまえは耳が聞こえないから分かんないよなぁ?」
「あ、そうだったね。でも、口をゆっくり読み取るくらいならできるし・・・・・・良いんじゃないの?」
「まぁ、オレは多分、酔ってるから通訳できないかもしれねぇけど・・・・・・あっちゃんも一緒に来てもらいなよ?」
バンの話を聞いて、コクリと頷く。ふと、時間を見ると朝の5時になっていた。
とりあえず、今日は寝ておいた方が良いかもしれない。
「バン、そろそろ・・・・・・ってあれ?」
「すー・・・・・・すかー・・・・・・・」
僕の上に覆いかぶさって、気持ち良さそうに寝息を立てている。
このままでは動けない・・・・・・仕方なく諦めて、バンを退かすのが面倒になってきた。
「ったく、世話の焼けるヤツだなぁ・・・・・・」
そう言って呟いた後、ムニャムニャと寝言を呟いているバンの様子を見た。
すると、気になる言葉が出てきた。
「ムニャ・・・・・・志穂ォ・・・・・・・オレの邪魔すんなよォー・・・・・・へへへ」
志穂という女性の名前を聞いて驚く。バンに恋人ができちゃったりするのか?
いや、それはいくらなんでも有り得ない。ハルがこの事を知ったら、焼きもちを焼くだろうな。
(バン、どうなっても知らないぞ・・・・・・)
睡魔が襲ってきたので、目を閉じた。意識がまどろんでくる中、深い眠りに落ちたのだった。