二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 【ダンボール戦機W】バン×ハルと失われた過去 ( No.664 )
日時: 2012/11/24 19:57
名前: レッド ◆mAzj/Mydf. (ID: hSo8a19A)

第35章 バン&ハルの幼馴染・鶴見ナナミ、登場!

(ストーリーモード:ナナミ)

ある日の夜、私は会社の飲み会を終えて帰る途中だった。
フラフラしながら歩いているのがやっとだった。その時、見覚えのある青年がこっちに向かって歩いているのを見かける。

「おーい!」
「あっ、ナナちゃん・・・・・」

幼馴染の山野バンだった。これから、どこかに出かけるのだろうか。
そういえば、ハルが悩んでいたのを思い出す。元気なさそうだったし、どうしたのかな。

「バン、どこに行くの?」
「んー・・・・・・ちょっとね。じゃあ、オレは行くな」
「ちょっと、バン!?」

そう言って、バンは私に向かって笑みを浮かべながら、手を振る。
まるで、人を避けている・・・・・・これは何かありそうだと思って、バンの後を追いかけようとした。
でも、酔ってるから追いかけるのは無理だろう。流石に歩いて帰るのも辛く、様子のおかしいバンのことを思い出す。

【んー・・・・・・ちょっとね、オレはいくから】

その一言が何か引っかかっているようにも見える。輝姫とティアラなら何か知っていそうだと思い、気になることをピックアップする。

(バンの様子がおかしいのはなぜ?)

それとも浮気しているのか、そうでもないのかと言いたいところだ。
でも、ハルが気になって仕方がない。直紀もバンの様子がおかしいと言っていた。
ハルが元気を取り戻せないのが、1つの悩みだ。

「うーん、明後日になったら行ってみるか」

空を見上げながら、ため息をつく。その後は帰路についた。




2日後、ティアラと輝姫に会って話を聞くことにした。

「バンなら見かけたわ」
「私も見ました」

輝姫とティアラが順番に答えて言う。どうやら、情報を掴んでいるようだ。
ティアラが首を傾げながら、気になることを呟く。

「そういえば、夜に輝姫と一緒に散歩していた時に見かけた女の子が気になってたのよね」
「女の子?」

ティアラの話を聞く限り、ハルに似たような容姿を持つ女性だったという。
彼が浮気しているとは思えないので、ただの見間違いではないかと推測する。

「バンが浮気しているとは思えないわ。ハルちゃんに似た子なんかいないんじゃない?」
「いや、それがもの凄く似ていたのよね。ね、輝姫?」

ティアラは何か納得がいかないかのような顔をしていて、輝姫に話を促す。
輝姫はコクリと頷いて、思い出しながら呟いた。

「確かに似てましたよ。私も最初は見間違いかなって思ってたんです」
「それで、ハルではないと思ってたのね?」
「はい。そこは気になります」

2人の話を聞く限り、バンの知り合いか何かになっている可能性が高い。
それとも知り合いではないのか、そこが気になっていたのだ。

(とにかく、あいつを私の家に呼び寄せるか)

バンを呼び寄せて、私の家に招き入れて泊まらせよう。その方が聞きやすくなるかもしれない。
今日は会社が休みだということもあり、夜遅くまで待っていてあげることしかできないというのが現状だ。

「まぁ、あいつのことは私に任せて」
「ナナ?」
「ナナさん?」
「ありがとう、お邪魔してごめんね」

ティアラと輝姫は呆然として見送ることができなかった。



やがて、時間が経ち・・・・・・深夜1時ちょうど。
自宅の2階にある部屋でバンの帰りを待っていた。電話してみたが、なかなか繋がらない。
そこで、バンにメールしておいたが・・・・・・今は返事待ち。

「はぁ・・・・・・」

ため息をつきながら、CCMを見つめていた。その時、着信音が鳴った。
やっと電話が来て、テレビ電話を繋げる。山野バンの姿が映っていたので、やっと来たかと思いながら待ちわびていた。

『オレだけど・・・・・・ナナ、家にいるのかぁ?』
「いるわよ。もー電話してくるの遅い!」
『ごめん、ナナの家の前にいるけどさ。開けてくれない?』

家の前にいる?
思わず、2階のカーテンを引いて見る。暗闇に紛れ込んでいて暗いが、確かにバンがいた。

「よっ!」

手を上げて、ヘラッと笑うバン。その笑い方がムカつくんだけど・・・・・・仕方がない。
溜息をつきながら、1階に降りて玄関に向かった。

「ったく・・・・・・」

玄関のドアを開けると、顔を赤く染めたバンが突っ立っていた。
どこかで酒を飲んできたのだろうか、かなり酔っ払っているようだ。
バンの口から酒臭い息が放たれて、思わず顔を顰めた。

「酒臭い・・・・・・」
「そう言うなってー飲んでたんだからさぁ・・・・・・」

バンはヘラッと笑いながら、家の中に入ったの同時に靴を脱いだ。そして、玄関の床に伏せた。
いきなり上がったかと思えば、そこで寝る気満々かよ!

「こらぁ、バン! ここで寝ちゃダメだぞ!!」
「えー・・・・・・いいじゃん、オレ眠いんだからさぁ」

バンは眠そうに言いながら、顔を顰めて言う。
本当に困ったヤツだと思いながら、溜息をついた。

「はぁ・・・・・・呼び出しておいて、そこで寝るの?」
「んー・・・・・・ナナちゃん、何でオレを呼び出したんだよ?」
「メールで話があるって言ったの忘れてないでしょうね?」

幼馴染とはいえ、私の方が年上だ。今は会社員になっているが、たまにバンが遊びに来てくれることもある。
悩みを聞くのはいつものことだから、よっぽど気にしていない。ただ、話があるだけで呼び出したのは確かだ。

「んぁ・・・・・・メール見たけど、忘れてないーってか、居間で聞いてもいい?」
「あー親が寝てるから無理、2階に来て」
「分かったよ、起きればいいんだろォ・・・・・・」

フラフラと立ち上がりながら、2階に通じる階段を上った。
私の部屋で聞いた方が良さそうだと思っていたので、上で聞くことにした。



場所は打って変わり、私の部屋。
部屋に着くなり、バンは面倒くさそうに私のベッドにダイブして倒れこんだ。
そんな彼を見た私は顔を顰めながら、バンの隣に座って突っ込んだ。

「ちょっと、私のベッドで寝るんじゃないよ!」
「んー・・・・・・きもちいいんだもん・・・・・・」
「そんなこと言ってる場合があったら、私の話を聞け!」

バコンッ!
拳骨がバンの頭にタクティカルヒット!!
拳骨のダメージを受けたバンは顔を顰めながら、上半身を起こす。

「いってぇー・・・・・・・」
「ふさげてんじゃないわよ! 真面目に私の話を聞かんかい!」
「・・・・・・・ふぁい・・・・・・」

バンはシュンと頭を下げて、思わずうなだれたまま俯いた。
ようやく分かってくれたみたいだし、話を聞かせてもらうことにした。

「2日前の夜に輝姫とティアラが女の子を見かけたんだけど・・・・・・」
「女の子ォ?」

女の子の話をした途端、バンは眠そうに聞き返す。
確かに物凄く似ていたから、何となく覚えていたのだ。

「うん、ハルちゃんに物凄く似てたよ」
「あぁ・・・・・・なんだ、そんなことか」
「えっ、そんなことって・・・・・・・」

まさか、知り合いだったのかと思いながらも首を傾げた。
バンは眠そうに私を見て、素直に答えてくれる。

「あいつは志穂だよ。ちょっとした知り合いなんだけどさぁー」
「ちょっとした知り合いって・・・・・・何それ! まるで、あんたがハルちゃんを避けてるような言い方をしてるじゃないか!!」

確かにバンがハルを避けてるような気がしたのだ。事件のこと調べているはずではなかったのか。
そう思うと、ハルが落ち込むかもしれない・・・・・・そこが不安だった。

「避けてないってー」
「どうして、そう言えるのよ!」
「あいつに避けられてるような気がすんのはオレの方だよ」

バンの口から言い放たれた言葉を聞いて、驚きを隠せなかった。
ハルちゃんに避けられていると言っていた・・・・・・それがどういうことなのかも分からない。

「えっ・・・・・・」
「オレ、ハルに無視されてるような気がすんだよ」
「もしかして、あんた・・・・・・」
「そ、志穂とつるんでんだよ。最近、よく話してるからさぁー」

バシッとバンの頬を平手打ちで叩く。バンは何が起きたのか分からなかった。
今までの怒りが最高潮に達したようで、ゴゴゴ・・・・・・と肩が怒ったように見せ付けた。

「お、おい・・・・・・」

それを見たバンはますます顔を青ざめる。

「バン、あんたは反省してなさい!」
「なんだよ、オレが何したっていうんだよ・・・・・・」
「ハルちゃんの気持ちくらい分かってよ! どれだけ辛い思いしてきたか分かるの?」
「わ、分かんないけど・・・・・・・」
「ソファベッドで寝なさいよ! このバカ!!」

思わず、泣きそうになってベッドの中に入る。
怒りが収まらないのは分かっていたが、このままでは気が済まなかった。