二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 【ダンボール戦機W】バン×ハルと失われた過去 ( No.678 )
日時: 2012/11/25 10:22
名前: レッド ◆mAzj/Mydf. (ID: hSo8a19A)

第35章の続き

(ストーリーモード:ハル)

翌日、直紀に呼び出されて向かった場所は大学の食堂。
そこに見覚えのある青年と女性が座っていた。その席に歩み寄り、声をかけた。

「こんにちはー!」
「おっ、ハル! 待ってたぞ」
「直紀、急に呼び出して・・・・・・どうしたの?」

直紀はナナミと顔を見合わせながら、コクリと頷く。もしかして、バンのことだろうか。
ナナミは俯き加減にしてうなだれている。何かあったのだと察し、向かい側の席に座った。

「直紀、ナナミちゃんの様子がおかしいけど・・・・・・」
「うん、そのことなんだけどね。どうやら、ケンカしちゃったみたいだよ」
「うーん、ケンカね・・・・・・」

直紀の話を聞くと、ナナミは自宅に呼び寄せたバンと言い合っていたらしい。
その時、酒を飲んで帰ってきたバンが妙なことを言い出したというのだ。

「妙なこと?」
「うん、ハルに似た女性とつるんでるとかって・・・・・・」
「は? 私に似た女性って・・・・・・・ナナミちゃん、間違いないの?」

直紀から話を聞いてみたが、あまりにも微妙だ。ナナミに話を振って促した。
ナナミはコクリと頷いて、昨夜のことを思い出して言う。

「うん、輝姫とティアラが見かけたって言うのよ。バンと一緒にいたらしいんだけど・・・・・・」
「うーん、信じ難いんだけど・・・・・・ナナミちゃん、バンが浮気なんてしないはずだと思うよ」
「いや、私が聞きたいのは・・・・・・ハルがバンのことをどう思ってるか」

私がバンのことをどう思ってるかって?
そんなの当たり前だし、幼馴染でありたいと思っている。

「私は幼馴染でいたいと思ってるから、気にしてないよ」
「いや、ハルはバンに片思いしてるんでしょ!!」
「なななっ・・・・・・何を言って・・・・・・・」

数秒間、ナナミの言うことを理解するのに時間がかかった。
恋心というべきか、バンのことが大好きなのは確かだけど・・・・・・いや、そこまで思ってるわけじゃない。
でも、何で分かったのかと思いながらも首を傾げる。

「ナナミちゃん、何でそんなことを聞くの?」
「バンがね、ハルに避けられてるような気がするって言ってたんだ」
「私がバンを避けてる? いや、そんなことしてないって!」

うーん、心当たりはない。寧ろ、こっちの方が気になるくらいだ。
バンは私に避けられてると思い込んじゃっているのではないか。別にケンカしたわけじゃないし、心当たりが全くない。

「そうなの?」
「うん、バンとケンカしたのはそれだけじゃないの?」
「ティアラと輝姫が私に似た女性とつるんでるところを見かけたって言い出すのよ」
「へぇ・・・・・・どこで見かけたんですか?」
「直紀の家の近くのバーだよ」

今どき、私に似てる人なんているんだと思いながら唸った。
あまりにも信じ難い話だが、直紀の家の近くにあるバーという店が気になる。
バンのことだから、酒を飲んで騒いでいるのだと想像できた。

「その店の名前を聞いてもいいかな?」
「確か、【Detective bar】だったかな」

【Detective bar】ねぇ・・・・・・・うーん、面白そうな店だ。
とりあえず、夜を待ってバンが出るところを見計らってみるのはどうだろうか。
しかし、空手部の練習が終わった帰りに1人で訪ねるのはどうかと思う。

「面白そうな名前じゃん。私に任せてもらっていい?」
「ハル?」
「まぁ、そう言わずに任せてくれればいいから。私が聞きだしておかないとダメみたいだしね」

気づけば、空手部の練習に行かないといけない時間になっていた。
席を立って、スポーツバッグをしょって言う。

「2人とも気にしなくていいよ。私が突き止めるから」
「ハル・・・・・・まさか、そいつに会う気満々なのか?」
「うん、会う気満々だよ。今どき、似たような人なんているわけないじゃない?」
「確かにそうだけどさ・・・・・・」
「よし、そうと分かればよろしい。2人とも話を聞かせてくれてありがとね! じゃあ、そろそろ行くね」

直紀とナナミに向かって、笑顔で手を振った。
ハルは空手部の練習に専念するべく、体育館に向かうことにしたのだった。