二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 【ダンボール戦機W】バン×ハルと失われた過去 ( No.693 )
- 日時: 2012/11/25 16:57
- 名前: レッド ◆mAzj/Mydf. (ID: hSo8a19A)
(ストーリーモード:バン)
翌朝、チュンチュンと雀の鳴く声が聞こえる。カーテンの隙間から太陽の光が差し込まれている。
窓側に向けて寝ていた俺は眩しさを避けるためにベッドの内側へ寝返りを打ったのだが、あるはずの感触がないことに気づく。
「んぅ・・・・・・」
眠そうにゆっくりと瞼を開く。眠気眼にボンヤリと映るハルの背中は同じベッドで寝ているのにも関わらず、全容がよく見える。
(ったく、そんな端っこで寝てたら・・・・・・)
どうやら、ギリギリで落ちそうになっているので寝る体制が危うく見えた。
オレは無意識にハルの肩を掴んで、抱き込む要領でズリズリと引き寄せた。
「ふわっ!? ・・・・・・えぇ、バン!?」
「ハル、そんな端っこで寝てたら落っこちる・・・・・・」
仕上げとばかりに足を絡ませて引き寄せる姿は体格差もあり、俺の方がベッドから落ちないようにしている。
まるで、ハルにすがりついているかのようだ。
「バン、何で私を・・・・・・」
「昨日はごめんな・・・・・・・寝ちまって、おまえの話を聞いてやれなくてさ」
「いや、別に怒ってないよ」
ハルはフルフルと首を振りながら、オレの方に向いた。
昨日は飲み過ぎたようなもんだけど、ウイスキーを飲んだ後の記憶が全くない。
何かしでかしたかもっていう記憶はうっすらとしか残ってるが、なかなか思い出せない。
「なぁ、ハル・・・・・・」
「んー何よ?」
「オレ、何かしたっけ?」
「何も・・・・・・」
ハルの顔を見て、ふにゃりと笑いながら返す。寝惚けたまま、ハルの頬を抓る。
顔を顰めながら、オレの手を掴んで呆れつつも見る。
「いてっ、何すんのよ!」
「なにって・・・・・・オレ、のんだあとのきおくがねえよ」
低血圧からなのか、普段より呂律が不安定で喋り方が幼い。多分、寝惚けているためだろう。
それでも、幼馴染であることに変わりはない。いつも文句を言いながら接してくれるハルがいるから頑張れた。
「本当にウイスキーを飲んだ後の記憶がないの?」
「ぅん・・・・・・オレのきおくじゃあ、ハルたちがバーにやってきたところまでしかおぼえてないー」
確かにハルたちがやってきたところまでは覚えているが、その後の記憶が全くない。
いわゆる、飲み過ぎの影響で記憶を失ったのだろうか。記憶を維持するのがやっとだったオレはハルに聞きたいことがあった。
「ハル、あのバーにやってきたのはさぁー」
「志穂ちゃんとはどういう関係?」
「しほー? あいつとは大学の後輩だよ、ともだちみたいなもんだからー」
志穂のことは話してなかったが、オレの友達。あいつはオレにある話を聞かせてくれた。
その話は起きている時にでもしようと思っている。
「友達なのは分かったから。あんた、浮かない表情してたって言ってたよ」
「オレがぁ?」
「うん、志穂ちゃんが言ってた」
「ああ、リンのおまもり・・・・・・もってたから、あれを見せたのかもー」
「何で浮かない顔してたの?」
「あー言うの面倒くせぇ、後でするから寝かしてー」
そう言って、目を閉じた。2度寝しながら転寝しつつ、深い眠りに落ちた。