二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 【ダンボール戦機W】バン×ハルと失われた過去 ( No.711 )
- 日時: 2012/11/25 21:29
- 名前: レッド ◆mAzj/Mydf. (ID: hSo8a19A)
第38章の続き
(ストーリーモード:ハル)
しかし、机の周りを見る限り---------------
缶ビールが6本くらいあった。どれだけ飲めば、気が済むのか?
本当に呆れる・・・っていうか、何でメモ帳が置いてあったのかも気になる。
「バン、午後の授業はサボったでしょ!」
「ハルが何でここにいるんだ?」
眠そうに顔を上げ、ゆっくりと上半身を起こす。
バンは目を擦り、起きることが精一杯だったのだろう。
「は? 昨日、話があるから・・・ここに来てって言ったじゃん!」
バンのヤツ、本当に忘れてるなぁ・・・しっかりしてよ!
まったく、もう・・・ここまで来て、何のために来たんだろうか。
溜息をつき、腰に手を当てる。
「あーそうだったな」
バンはポリポリと頭をかきながら、溜息をつく。
やっぱり飲んでたんだと思い、考え込む。私はバンを見て気になったことを話す。
「あのさ、バン--------------」
「なんだ?」
「前から気になってたんだけど・・・最近、来てなかったのには何か理由があるんでしょ!」
バンに突っ込みを入れながら問いかける。
うっ・・・と顔をしかめながら、ガクッとうなだれた。
どうやら、その様子だと何か知っているようだ。ここまで来たら、話を聞くしかない。
「そうだと言ったら?」
「本当のことを言いなさい!」
バンに突っ込んで言う。
幼馴染のことだから、絶対に何かあるはず・・・そう思い込んで、彼を見つめる。
白状するまで問いかけるわけにはいかないので、どうしようかと思ったその時だった。
バンがいきなり立ち上がり、冷蔵庫の方に向かった。
「あの、バン・・・・・・?」
「何か飲むかぁー? って言っても缶ビールしかないけどな」
そう言いつつもふらつきながら、千鳥足で歩く姿を見る。
足元は相変わらず、おぼつかないほどまでになっていたが・・・そのわりにはしっかり歩けるようだった。
(しかし、バンの部屋にも冷蔵庫なんてあったんだ?)
1階の居間にあるのは確かなんだけど・・・バンは自分でお金をためて、自分専用のものを買ったのだと推測できた。
「ハル、ソファに座って話そう」
「・・・うん」
すぐそこにあるソファに座り、バンを見つめる。
両手に2本の缶ビールが握られており、私の分も取っておいたのだろう。
バンはヒックと呻きながら、左手でもう1つの缶ビールを渡してくれた。
「ほらよ、おまえも飲むか?」
「ありがと・・・いただくよ」
そう言って受け取り、右手で缶ビールのプルトップをプシュッと開ける。
そういえば、酒を飲むのも久しぶりな気がするなぁ・・・っていうか、最近は飲めていなかったというのもあったからだ。
(バン、飲み過ぎだよ。何があったんだろう?)
バンは黙りながら、缶ビールを煽って飲んだ。
そんな彼を見た私は心配そうに話しかけた。
「バン、なんで6本も飲むのよ?」
「そんなことはどうでも良いだろォ・・・」
バンは私を見て溜息をついた。
ふと、来る前に玄関のドアが開いていたことを思い出す。
「そういえば、玄関のドアが開いてたけど?」
私はバンを見て思い出しながら問いかける。
すると、バンはああ・・・と言いかけて答えた。
「そういやぁ、閉めるの忘れてた。ハルが来るまで開けっ放しにしてあったんだっけ」
「まったく、もう・・・っていうか、リンがいないのはどうして?」
私は缶ビールを少し飲みながら話しかけてみた。
それに対し、バンはうなだれたままだった。様子がおかしいし、何か浮かない表情をしている。
「--------?」
どうしたんだろう、バンのヤツ・・・いったい、リンの身に何があったのか?
そう思いながら感じていたその時、バンは缶ビールを煽って飲んだ後に1回だけ深呼吸してから話し始めた。
「これから、俺が話すことは全て事実だ」
「--------え?」
私はバンを見て驚きを隠せなかったが、話を聞くことにした。
全て事実・・・ってことは、リンの身に何かあったのではないか?
「実はリンが何者かによって誘拐されてしまったんだよ」
その言葉を聞いた私は呆然として、バンを見つめた。
リンが何者かによって誘拐された?
「う、嘘・・・それ、マジで?」
「・・・ああ。確か、6日前だっけ・・・その夜にあの2人組の男女が現れたらしいんだよ」
バンは私を見て答えながら溜息をつき、缶ビールを持ったまま黙り込んだ。
嘘だと言いたい・・・どうしても信じられなくて、呆然として見つめていた。
2人とも誘拐されたのか?
「でも、誘拐されたのはリンだけじゃない・・・」
バンは私を見て答えながら溜息をつき、缶ビールを煽って飲んだ。
誘拐された人物はリンだけじゃない・・・ということは、他にも誰かが誘拐されたことになるのか。
「・・・え?」
リンだけじゃない・・・ってことは、それ以外に誰か誘拐されたのだということが伺える。
そう思いながら感じていたその時、バンが切り出して言った。
「望月や優ちゃん、優雅も誘拐されたんだよ」
「ええーっ!? 望月と優ちゃん、優雅が?」
望月兄弟や樋田優雅も一緒に誘拐されたなんて信じられない。
リンに続いて、3人も誘拐されるなんて・・・突然のことであまりにも衝撃的な出来事だったから、そこで驚くのも無理はない。
「はっ! ちょっと待って・・・リンだけ誘拐されて残ったのは、バンだけだったの?」
私はあることに気付く。リンが学校から帰ってくる間は家の中で飲んでいた。
バンが酒を飲んで寝るまでの間に何があったのか?
「・・・ああ。俺だけじゃない。健太と直太も一緒だ」
バンは顔をしかめながら、コクッと頷いた。
そもそも、4人が誘拐されるなんて・・・いったい、どういうことなのか?