二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 【ダンボール戦機W】バン×ハルと失われた過去 ( No.712 )
- 日時: 2012/11/25 21:48
- 名前: レッド ◆mAzj/Mydf. (ID: hSo8a19A)
第39章 リン、望月兄弟&優雅の4人が誘拐されたことを知ったハル・・・バンの複雑な心境とは?
(ストーリーモード:ハル)
ハルはソファに座りながら、呆然と見つめていた。
隣に座って飲んでいるバンと前向きに対峙していたのだった。
「ちょっと待ってよ! バンたちだけ無事だったのは、なぜなの?」
「そんなこと知るか・・・俺が起きた時は帰ってなかったからさ」
バンは顔をしかめながら、私を見て答えた。
起きていた時は既にいなくなってたということになる。
そもそも、部屋で飲んでいる間に何かあったのか知りたい。
「帰ってない?」
私はバンの言っていることが分からずにいたのだった。
「・・・ああ。恐らく、スタンガンによるダメージを受けて気絶したんだろうな」
「じゃあ、スタンガンでやられたってこと?」
「・・・うん。これはあくまでも、俺の推測だけどな」
ああ、そういうことか・・・これなら納得できる。
だから、気絶させられて倒れていたというわけだ・・・ってことはスタンガンを使った犯行ではないのか。
「それで、その一部始終を見た人はいるの?」
近所で一部始終を見た人がいないか、バンに質問した。
すると、彼はコクッと頷きながら答える。
「・・・ああ。白井のおばさんだよ」
白井のおばさん!?
近所に住む、おしゃべり好きの人で私も仲良くさせてもらっている。
その人が目撃していたなんて知らなかったからビックリした。バンを見た私はすぐに叫んだ。
「ええええええ!? 白井のおばさんがそれを目撃してたの?」
「そういうことだ・・・おばさんが目撃した時間は夜9時〜10時ちょうどだった。その時にたまたま、2人組の男女がリンたちと対峙しているのを見ていたらしいんだよ」
バンはコクッと頷き、すぐに答えながら飲んだ。
白井のおばさんが目撃したということは、リンたちの身に何かあったに違いない。
「見ていたらしい・・・ってことは、2人組の男女は何者だったの?」
私はあることに気づいて答えながら、固唾を飲んで見守った。
バンは私を見つめながら、溜息をつく。
「ハル、それを聞いたら信じられないかもしれないけど・・・落ち着いて聞いてくれるか?」
「・・・? うん、聞くよ」
バンが訝しげに顔をしかめるので、首を傾げた。
これには何か理由がありそうだ。そう思っていると、バンが重々しく、口を開いた。
「リンを攫ったのが・・・キラード団っていう組織なんだよ」
「キ、キラード団!?」
私は呆然として、彼を見つめながら呟いたのだった。新しい組織ができたとは知らなかった。
そんな私を見たバンはああ・・・と言いかけて呟きながら、酒を煽る。
「そうだよ・・・どうやら、厄介なことになっちまったぜ」
「厄介なことって・・・それどころじゃないでしょ!」
なぜ、そんなことを言わなかったのか・・・キラード団という謎の組織の存在が気になった。
その組織があったとは思えないくらい、信じられずにいた。
「そう・・・キラード団だと名乗る人物から問題を出されちまったんだ」
「問題?」
「こんなメッセージとたった1つだけ残されたヒントを元にして解いてこいって言われたんだ」
バンは机に置いてあった謎解き手帳を取り出した後、ソファに戻って座り込んだ。
すぐに手帳を開いてから、私に渡した。
「はい、これが話した暗号メッセージとヒントだ」
その手帳に記されていたメッセージとたった1つだけ残されたヒントが書いてある文章を読んだ。
「トキオシティ・・・それのどこかにある・・・?」
そう言って読んだ後、無言でバンを見つめる。
トキオシティって・・・この前、バンと再会したところじゃないかと思いながら考え込んだ。
「・・・ああ。トキオシティのどこかにある廃工場だって言ってたからさ」
バンは溜息をつき、それを思い出すのが辛かったようだ。
そこまで無理しなくても、私が居るから大丈夫だと思うし・・・謎解きの手伝いをするつもりでいたのだ。
(リンは私の後輩だし、優たちも助け出さなくては!)
沸々とキラード団に対する怒りが沸いてきた。絶対に許せないという気持ちを持って、必ず助け出そうと決めた。
そんな彼を見た私はすぐに励ましながら言った。
「よーし! だったら、その謎を解いてやろうじゃないの!!」
「---------あ?」
バンは私を見て呆れながら聞き返す。眠そうに見つめるその姿・・・なぜか惚れてしまいそうになる。
しかもイケメンだし、そこまでモテるわけだよね。
「謎解きオタクのくせに解けないこともあるんだから・・・こういう時は幼馴染を頼るべきじゃないの?」
私はバンを見て呟きながら笑った。
それに対し、バンはふてくされたような顔をして思わず溜息をつく。
「なんだ、そりゃ・・・おまえも本当によく言うようになったなぁ」
「は?」
「・・・まあ、たまには頼るか」
「あはは・・・何よ、それ!」
私は笑いながら答えつつも、半ば呆れていた。
そんな私を見たバンはあることを思い出しながら呟いた。
「リンのヤツ、何で俺に本当の過去を話そうとしなかったんだ?」
「-------------え?」
バンを見て思わず、首を傾げた。
リンの過去・・・そこが気になってきた。
「バン、リンに何があったの?」
心配そうにバンを見て問いかける。
虚ろな目で私を見つめ直し、無言で缶ビールを煽って飲んだ。
少し経ってから、ようやくバンは口をゆっくり開けて言う。
「奈良警部のこと覚えてるか?」
「あぁ、警視庁の捜査一課で働いてる人でしょ?」
奈良警部は警視庁の捜査一課で働いており、警部としての腕を振るっている。
バンにも信頼を置いており、直井さんと由美さんの上司でもある人で凄く頼りになる。
「うん・・・あいつのことで話があるって言うから、今日の午後は警視庁に行ってきた」
「えっ!?」
警視庁に行って、奈良警部と面談するためだったのか。
どうりで、午後の授業を休んだ理由が分かった。
「何もかも信じたくないけど、あんなに辛い思いしてきたんだろうな」
「辛い思い?」
もしかして、リンは誰かに暴力を振るわれていたということか。
そう考えれば、納得できるはず・・・でも、何か理由がありそうだ。
バンがあんなに落ち込んでいる姿を見るのは初めてだった。
「バン、何か嫌なことでもあった?」
「別にない・・・けど、リンのヤツ---------------」
バンは顔をしかめながら、私を見つめる。
改まったような態度を示し、ようやく話すときが来たのだと察する。
「ハル、今からリンの過去のことを話すから聞いてくれるか?」
「うん! もちろんっ!!」
ようやく話すときが来たようだと気付き、バンを見つめる。
重々しく、口を開けて話し始める。
「リンは虐待されてたんだ」
バンの口から語られる、衝撃的な展開が待っていたのだ。
その同時に目が大きく見開かれ、驚きを隠せない。
「えっ・・・・・」
リンが虐待されたという壮絶な過去とはいったい?