二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 【ダンボール戦機W】バン×ハルと失われた過去 ( No.735 )
- 日時: 2012/11/26 14:41
- 名前: レッド ◆mAzj/Mydf. (ID: hSo8a19A)
第40章の続き
(ストーリーモード:バン)
現在に至る。その過去の話を聞き終えたのと同時に呆気に取られていた。
リンがそこまで暴力を振るわれていたとは想像できないほどのダメージを深く負っていたのだということを感じた。
「そんなことがあったとは・・・・・・」
「うむ。まぁ、それで終わったかに見えたんだがな」
「それって、まさか・・・・・・再発しちゃったんですか?」
嫌な予感がしてならなかった。虐待が終わらないのが問題になっているのだという。
奈良警部によると、1年後に再び彼女を待ち受ける出来事が起きてしまったらしい。
「起きてしまったって・・・・・・じゃあ、父親は懲りてなかったんですか?」
「懲りてないというより、反省していないようだったな」
「反省してない? じゃあ、また起きちゃったってことですよね」
「ああ。その直登君は・・・・・・1年後に亡くなっているんだ」
直登が1年後に亡くなったってどういうことだろう。
奈良警部の話によると、1年後に事件が再発。その時に直登が父親の暴力によって、重体を負うまでになっていたのだ。
様子を見ていたリンは呆然として突っ立っていることしかできなかったらしい。
諒平も気づいていたが、自身も酔っていて寝ていたという。諒平とリンは直登が亡くなった後も仲良くしていたが、直登が死んだのを機に大人しくなったのだとか。
「諒平というヤツって、俺と同じ年ですか?」
「ああ。トキオ大学に通ってるって聞いてたが、会ってないか?」
「会ってませんね。学部が同じなら、コースが違っても知り合えるはずですよね」
「そうか。諒平に会ったら、よろしく言っておいてくれるか」
「そのつもりです。リンが大人しいのは、そういうことだったのか」
どうりでリンが大人しいわけだと納得できた。心の傷を癒えることができないのか。
できることなら、リンの心の傷を癒してあげたい。失われた過去の時間を取り戻して、ゆっくり過ごしたいという気持ちが沸いてきた。
「俺、リンのこと放っておけないんですよ。健太と直太のお姉さんがリンなら、その失われた記憶を取り戻すしかない」
「バン、健太と直太の記憶が戻らなければどうするつもりだ?」
2人の記憶は今も封印され、閉ざされかけたものを戻したいところだ。
しかし、記憶はすりかえられていると言っていた。リンは2人のことを覚えていると言っていたし、記憶のない健太たちを連れて行くのは無理かもしれないと思った。
「俺、あいつらに本当の記憶を取り戻してあげたいんです。あいつら、辛い顔して言うこともなかったけど・・・・・・」
「健太たちのことがそんなに心配なのか?」
「はい! 本気で心配してます。だって、俺の大切な家族だから!!」
なぜ、そう言えるのかは分からない。ただ、何となく分かるような気がするのだ。
記憶が失われている健太たちのサポートをするべく、俺も何かできることがあればいいと思っていた。
「そうか。それで、3人は家にいるのか?」
「いえ、それが・・・・・・・」
リンがキラード団に連れ去られてしまったことを話す。
俺はキラード団という謎の組織のことを詳しく話した。その話を聞いた奈良警部は腕を組みながら考え込んで呟く。
「キラード団・・・どこかで聞いたことがある」
「知っているんですか!?」
キラード団という謎の組織について知っているようだ。
奈良警部の話によると・・・ここ最近になって、新しく作られた組織。
謎の組織というよりは暴力団に近い可能性が高いということが分かっている。
「何か分かったら・・・すぐに連絡するよ」
「お願いします」
奈良警部たちを信頼しているし、リンや2人の身に何かあったら困る。
それを考えたら、代わりに俺が事件解決しなきゃいけない。
「うむ、今日は帰っていいぞ」
「はぁ・・・」
そう言って立ち上がり、応接室のドアを開けて廊下に出た。
リンが虐待されていたなんて信じられなかった。健太と直太の記憶がすりかえられていたとも聞いているし、実際に取り戻すことができるかどうかも分からない。
(できる範囲で俺もサポートしなきゃいけないな)
複雑な思いを抱きながら、健太と直太のことを思い出して心配する。まさか、2人が記憶をなくしていたとは思えない。
記憶を取り戻させるには、どうしたらいいか考えることにして、自宅に戻った。