二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 【ダンボール戦機W】バン×ハルと失われた過去 ( No.804 )
日時: 2012/11/30 09:46
名前: レッド ◆mAzj/Mydf. (ID: hSo8a19A)

第41章 キラード団のアジトに関する場所の謎を解明せよ!

(ストーリーモード:バン)

ハルが自宅にやってきたところまでは良かったが、謎解きに専念しないといけない。
俺は缶ビールを浴びるように煽って飲み、ハルを見つめた。

「謎解きすりゃあ解ければいいってことだろ」
「でも、飲み過ぎだよ。まだ飲んだら・・・・・・」
「うるせえ。謎解きしないとやってられないぜ」
「いつも飲んだくれてるし、あんたは何がしたいわけ?」

ハルの一言でようやく、下に俯いていた顔を上げる。もちろん、目が据わったままの状態で。
反面教師になりそうな彼女を見ていると、先生らしさが出ていそうだ。

「なんだよォ、いつも飲んでて悪いかぁ〜?」
「悪くないけど、あんたは飲むと寝ちゃうでしょうが」
「ヒック、これが飲まずにいられるかってんだよ・・・・・・」

酒を煽り、空になったのを確認したのと同時にゴミ箱へ投げ捨てた。
空の缶ビールは見事にゴミ箱の中へと入った。その時、部屋のドアを叩く音が聞こえた。

「なんだぁ、こんな時間に誰だってんだ」

ドアを開けると、健太と直太が突っ立っていた。特に眠そうな様子が見られない。
俺とハルの言い争いを聞いていただけかもしれないが、今は深夜だ。

「兄貴、酔っ払ってんのか。どうりで飲み過ぎてるな」
「健太、俺をバカにする気か!」

健太が俺を見てからかうので、逆ギレしつつも直太に抑えられた。
飲み過ぎだから、酒を飲むのは止めてほしいというような顔をして訴える。

「兄ちゃん、飲み過ぎだよ。何があったのか知らないけど、ハルさんとケンカしないでよ」
「直太ァ、そんなこと言ってる暇があったら寝てろ」
「嫌だよ。リン姉ちゃんが捕まってんのに、1人で行って助け出すわけにはいかないよ」

直太はキッパリ言い放つ。その言葉を聞いていたハルと健太も同感だった。
リンが捕まっているのに、1人で行くことを感づいていたのだろう。それを承知で分かっていたのにも関わらず、俺に突っ込んでいく。

「いつもの兄ちゃんらしくないと思ったんだ」
「俺らしくない・・・・・・・どこが?」
「うん・・・いつも飲んで帰ってくるたびに何度か起きてるときに言おうとしたけど、なかなか言えなかった」

直太は心配そうな顔をして、俺を見上げた。無言で黙っていたが、直太の頭を撫でた。
そうだ、俺には大切な2人の弟がいる。なのに、こんな2人を放って行くことすらできない。
それが嫌だった・・・・・・でも、ハルがいるから大丈夫だと思い込んでいた。健太や直太に心配されてしまうのも頷ける。

「俺たちも兄貴の謎解きに協力するよ」
「健太・・・・・・」

目が据わったままの状態で俯いた顔を上げ、健太を見る。
健太はいつでも気遣いを見せながら、直太と一緒に俺の帰りを待っていてくれた。
飲んで帰るたびに2階で出迎えてくれる弟たちの顔を見ると、なぜか安心できた。

「僕も手伝うよ。去年の事件と似てるんだもん」
「直太・・・・・・」

直太の言葉を聞いていた健太もコクリと頷いて、ハルを見た。
ハルも健太と直太の2人を見て、無言で頷く。3人を見て信じるしかなかった。

「そうだよな、健太や直太もいるんだもんな・・・・・・」

フラッと立ち上がり、3人を見て頷いた。とりあえず、謎解きしてやらないと気がすまない。
問題はキラード団という謎の組織が存在するアジトの場所。その手掛かりを掴もうにも、なかなか真相に辿り着けないというのが現状だ。

「くそっ・・・どうやって解き明かせば良いんだよ」

それでも、謎解きは終わらない。これから謎解きをしなくてはいけないのに、酒なんか飲んでいる場合ではない。
飲み過ぎているのはどうかと思うが、こればかりは仕方ない。

「バン--------------」

ハルの呟きを聞きながら、スッと立ち上がった。机の上に置かれている手帳を見て考える。

(トキオシティにあることは分かってんだ。なのに、犯人はなぜ暗号を送ってきたんだ?)

あの時、電話で聞いた声を思い出しては苦痛にもなるほど、悩むに悩んだ。
真相にも辿り着けないままじゃ終わらない・・・だからこそ、今から謎解きに挑むしかない。

(リンたちを助け出さなきゃならないのに、どうして---------------)

何もかも考えたくないという気持ちがあった。
それでも助け出さなければいけないという気持ちに駆られた。
酒浸りの日々を送って、飲み歩きながら調べるといった感じでトキオシティに行っていた。
その時、ミソラタウンのメインストリートでハルを見つけて探し出せたのは良かった。
奈良警部から電話があった際、カレンが殺しのヴィーナスだったということを聞いて知ったのだ。

(だから、真相に辿り着くまでに時間がかかったが・・・少しだけでも手掛かりは掴めた)

現時点で分かっているのは、カレンが催眠術師だったということだけだったが・・・他にも何か手掛かりがあるはずだ。

(・・・・・・)

地図を取り出して考え込むが、未だに見つめても集中することができない。
健太と直太も地図を見つめながら、無言で黙りこくっている。

「はぁ・・・」

フラフラと歩きながら、ベッドにダイブして倒れ込んだ。酔いの浸った頭で理解しようとするにも時間がかかる。
どうやって解くかだけど、リンたちの安否が気がかりでならなかった。

「バン、飲み過ぎだよ」

ハルが傍に歩み寄りながら溜息をつき、ベッドの前に座り込んだ。
幼馴染だから、何かしでかすか分かったもんじゃないと言いながらも何だかんだで優しく接してくれる。
そんな彼女がいたから、心の支えとなって励みになっていた。

「うっせぇ・・・これが飲まずにいられるかってんだ」

ゆっくりと上半身を起こしながら、ベッドの前に背を預けて俯いているハルを見下ろす。
幼馴染だから、やっぱり放っておけないことがあるかもしれない。
そう考えると、何もかも分かってしまうような気がしてならないのだ。

「ん? 待てよ・・・・・・」

ふと、ハルを見て何か思い出す。メインストリートでカレンに襲われかけた時、俺が助け出した。
ヤツは何か企んでいそうな感じがしてならない。その時に声をかけようとしたが、何やら捕まっているようにしか見えなかった。
彼女が危機に陥っているということだけは分かっていた・・・それにも関わらず、何としても助け出すという気持ちが強まった。

(あの時、逃げられたのには何か理由があるはず-------------------)

もしかしたら、トキオシティの裏通りに面している可能性も有り得る、
問題はアジトがどこかに隠されているかというところだ。

(アジトが隠されている場所・・・もし、シンプルに暗い場所だとしてスラム街みたいな感じのイメージが強い)

どこかの窓から明かりが漏れてしまうような仕掛けとかそういったものがあるとしたなら、間違いなく存在することも少なくない。何らかの理由で仕掛けが施されているとしたら、懐中電灯を持っていく必要がある。

「うーん・・・裏通りか」
「裏通りがどうかしたの?」

ハルが身を乗り出して言う。俺は彼女を見つめながら考え込む。
ひっそりと佇まいを感じさせないかのように気付かせないようにするため、アジトを建てた可能性もある。

「ああ・・・裏通りが怪しいような気がしてならないんだ」
「裏通りが怪しいって-----------」
「うん、そこが気になるんだ。仕掛けがあったとしてもおかしくないよな?」

現時点で考えられるのは、仕掛けがあったとしてもおかしくない。
キラード団という組織は暴力団関係であり、そこの縄張りをしていると言っても過言ではない。
仕掛けがあるとして考えられることはいくつかある。

「おい、ハル。紙とポールペン持ってないか?」
「えっ、あるけど----------」

バッグを漁りながら、ペンケースとルーズリーフを取り出す。
その2つを受け取った瞬間、ペンケースからポールペンを取り出した後に裏通りの地図を描く。

「あっ! バン、それって-------------」
「あぁ、裏通りだよ!」

裏通りの地図を見て、イメージしながら考える。
まず、裏通りはひっそりと佇みながらも不気味な印象を受けている。
そうだとして、いくつかのビルが並ばれているかのように建てられていることが分かる。

(その場から隠し通路みたいなところに通じるドアとかあってもおかしくない状況だ)

よく考えたら、アジトがどこかに隠されている可能性が高い。
アジトがある場所ならば、廃工場の入口に過ぎない隠し扉とかあってもおかしくない。