二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 【ダンボール戦機W】バン×ハルと失われた過去 ( No.805 )
日時: 2012/11/30 10:13
名前: レッド ◆mAzj/Mydf. (ID: hSo8a19A)

隠し場所があるとしたら、裏通りしかない。
最近になって、新しくできた組織の1つで縄張りにしている場所は裏通りを中心とするところになっている。

(そのことから考えると何か引っかかる)

ボフンとベットに横たわりながら、地図を上げて見つめる。
月夜に照らす光が、紙を透き通そうとしているが--------------

(こんな仕掛け、どこにあるかも分からないのに---------------)

その謎を解き明かすには、時間がかかってしまうため限られる。

「んー・・・仕掛けがありゃおかしくねぇよな・・・」

そう言いながら呟いた瞬間、ハルが紙を引っ手繰って見つめる。
いきなり引っ手繰ってどうするのかと思いながら質問した。

「---------ハル、急にどうしたんだよ?」
「ねぇ、バン-----------------」

ハルが地図を持ったまま答えながら、見つめたのと同時に振り返る。
その様子だと何か言いたそうな感じがした。健太と直太も身を乗せて、紙を見た。

「あ? なんだよ---------------」
「仕掛けがあったとしてもおかしくないわけじゃないよね・・・そうだとしたら、アレかもしれないよ」

ハルはそう言いながら、紙にカキカキと何か書き始めた。
そこに記されていたのは、月の光が照らす明かりを何かに透き通しているかのような状態になっている。

「アレってなんだよ?」
「ほら、高校の時に天文台みたいなところで授業やったじゃん!」
「そういえば、こんなこともあったな。健太と直太に説明しとくか」

天文台みたいなところで授業をやったことは覚えている。
その時、俺は疲れて居眠りしていたので、先生の話をあまり聞いていなかった。
ハルが起こしてくれたので、ノートを貸してもらって書き写すことができた。

「その太陽の光が屈折した時に何か起きるようなトリックとかあるじゃない?」

ハルのヒントを聞いて、ようやく気付いた。
もしかしたら、何らかのトリックが仕組んである可能性が高まってきた。

(太陽の光・・・屈折・・・)

太陽の光と月の光に関係する屈折という言葉を活用して考えると、光度計のようなものが仕組まれていることになる。
何かに照らすものがあれば、仕掛けを容易に解くことができるのだ。

「そうか! もしかして---------------」

ハルを見て、何か閃いた。仕掛けは太陽の光に関係することが分かった。
そう、このトリックは仕掛けてあった・・・つまり、これは何らかのトリックを仕込んだということになる。

「多分、光度計のようなものが仕組まれていそうだぜ」
「バン、分かったの?」

ハルが目を丸くして驚きを隠せなかった。
彼女のおかげで少しずつ、希望が見えてきた。

「あぁ、おまえのおかげで少しずつ解けてきそうだ」
「ホント!? それなら良かったァ------------」

大喜びで笑顔を見せた瞬間、ニッコリと微笑み返した。
少しずつ解けてきそうな予感がしてならなかった。その時、健太が首を傾げる。

「なぁ、兄貴。光度計って・・・・・・何?」
「ああ、光度計っていうのは、照度や放射照度を測定する機械さ」
「例えば、どんな風に仕掛けができるって言うの?」
「仮に太陽の光がこのカーテンの間に差し込まれたとする。その間に屈折が起きるんだ」

そう、太陽の光がカーテンの隙間から差し込まれているときに屈折が起きる。
風呂に入った時も屈折みたいなものが起きているけれど、これとは別。

「屈折・・・・・・あっ、そうか!」

直太がポンと叩いて笑う。直太はやっと分かったみたいだ。
それに比べて、健太は少しだけでも分かったような顔をしていた。

「兄ちゃん、僕も思ったんだけど・・・・・・光度計はその光の角度によって、屈折が起きるんだね!」
「ああ、そういうことだ。直太は物分りが良いな」
「えへへっ、僕の方が分かっちゃったもんね」

直太は照れくさそうに仕掛けの謎を解くことができたようだと思って満足しているのだろう。
健太は腕を組みながら考え込んで、俺を見た。

「でもさ、兄貴・・・・・・光度計って言っても、どこに仕掛けが施されてんだよ?」
「それは後で調べて解くしかなさそうだ」

しかし、謎解きはまだ終わらない。
トリックを暴くには、その場所を訪ねて調べるしかないというのが現状だ。
よく考えれば、仕掛けがあってもおかしくないはず・・・なのに、裏通りに建てたのはなぜ?

「このトリックの謎は明日の夜に行って、捜査してみようか」
「捜査って言っても、どうやって?」

ハルは肩を竦めながら、首を傾げて問う。
捜査する方法は1つだけある・・・その場所に行って調べることだけしか考えられない。

「懐中電灯を持ってきてくれれば、2人で調べることも可能なんだがな」
「でも、どうすんの? トリックを暴くには時間がかかるよね」

ハルに指摘され、溜息をついて寝転がる。容易に謎を解き明かすのは想像以上に難しい。
その謎を解明するにも時間がかかってしまう。

(問題は光度計・・・その入り口に何か仕掛けがあるかもしれない)

これはあくまでも推測だが、どうやって調べていくか・・・・・・立向居や直紀も誘って調べてみるのもありだよな。

「うーん・・・立向居や直紀たちも一緒に誘ってみるか?」
「あ、それ良いかも!」

ハルが賛成してくれたので、立向居や直紀たちも一緒に誘って捜査してみることになった。
あとは電話して聞くだけだが、どうにかなるもんじゃないと思い込んだ。

「-------------ん?」

ガバッと上半身を起こし、窓を見上げる。
夜空が澄み渡るかのような風景に見とれながら考え込んだ。

(確か、輝姫もそんな感じで虐待を受けてたんだよな)

直紀の幼馴染に白炎輝姫という少女がいた・・・彼女もドイツにいた頃は叔父から虐待を受けていたとも聞いている。
そういうところは共感できるし、リンの心を癒すことができるかもしれない。

「----------ハル、直紀に言っといてくれ」
「え? 何を・・・・・・」

ハルは呆然としたまま、CCMを持って問いかけた。
輝姫とティアラなら、俺たちの捜査に協力してくれるかもしれない。

「輝姫とティアラを連れてくるように言っといてくれ」

ハルは怪訝そうに見つめていたが、コクリと頷いた。
直紀に連絡すれば、明日の夜は捜査に集中できる。

「そろそろ寝るかぁ-------------」

ベッドに寝転がったまま、眠そうに彼女を見つめる。
謎解きすんの疲れるけど、結構楽しくてたまらないからだ。

「そうだね・・・でも-------------」
「んー?」
「バン、あまり飲み過ぎないでよ! 何度も言ってんのに、私の言うこと聞かないんだから!」

ハルは俺の頭を撫でながら、ベッドにダイブした。
彼女がいると、なぜか和みやすくなる・・・いつも俺の話を聞いてくれるし、謎解きに協力してくれたりもするから助かっている。

「うん、ありがとな・・・ハル」
「--------------っ!」

ハルはカアーッと頬を赤らめながら、俺の胸に顔を伏せて抱きしめる。
そんな彼女を見て思わず苦笑したのか、眠そうにハルの身体を寄せながら見つめた。

「おまえ、可愛くなったね」
「なっ、何言ってんのォ-------------!?」

ハルはガバッと顔を上げながら驚く。
幼馴染だからか、気を緩めずに接してくれる----------・・・そんな彼女のことが大好きだった。

「おまえもしばらく見ないうちに女らしくなったよな」
「そういうバンこそ、イケメンになったしね・・・そういうところがカッコよくて憧れるよ」

ハルはそう言って笑いながら、俺の頬に手をつける。
その手を受け止めながら、ゆっくり離す。

「そうかぁー?」
「うん! だって、バンはいつ見てもカッコいいもん!」
「俺がイケメンになったからって、いきなり惚れるんじゃないぜ?」

ハルのキラキラした目を見て呆れながら答える。
幼い頃からずっと育んできた彼女との友情や絆は永遠に深まっていく。
自然に仲良くしてもらっていたし、俺もハルと関わっていて楽しいと思うこともあった。

「本当によく言うよ。そんなこと言って、私から逃れたいって思いたいんじゃないの?」
「あ? 俺は別にそんなこと言ってないって-----------」

そう言いながら答えようとした瞬間、ハルにデコピンを食らった。
指で弾かれるとは思っていなかったが、幼馴染だから心を許せる仲間を手に入れたんだと気付いた。

「いってぇ----------・・・・・・いきなり何すんだよ」
「今回も酒飲んだ罰♪」

ハルは笑いながらもからかいつつ、俺には何だかんだで接してくれた。
そういうところがあって嬉しかったのを覚えている。

「・・・ま、しょうがないよな」

寝転がりながら、ハルを抱えたまま呟く。
彼女は首を傾げていたが、すぐに頷いた。

「じゃあ、そろそろ寝ようか」

そう言った後、ハルは目を閉じた。
気持ち良さそうに寝ている彼女を見ていると、こっちも眠くなってきた。

「おやすみ、ハル----------」

まどろんだ意識の中、目を閉じた。だんだん、深い眠りに引きずり込まれていって落ちた。
今日も良い夢が見られますように-------------------