二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 【ダンボール戦機W】バン×ハルと失われた過去 ( No.835 )
日時: 2012/12/02 09:55
名前: レッド ◆mAzj/Mydf. (ID: hSo8a19A)

第41章の続き

(ストーリーモード:バン)

やがて、時間が経ち・・・・・・夜8時ちょうど。ミソラタウン駅前で待ち合わせしていた。

「バンさーん!」

ヒロがナオたちを連れてやってきた。見覚えのあるキョウヘイたちもいた。
その背後には見知らぬ少年たちがいる。

「おい、そこのガキども。小学生だろ?」
「はい、そうっす。俺は無頼シントって言います。そっちの2人はフジとテツヤです」

2人の少年はフジとテツヤという。ヒロのことは知っていたらしく、知り合いらしい。
ヒロは溜息をつきながら、3人組を見て呟く。

「僕はこいつらを連れて行くつもりじゃなかったんですよ」
「へぇ、懇願されたのか?」
「そうです。事件があるなら、俺らも一緒に行くと言い出して・・・・・・仕方ないから連れて行くことにしました」

ヒロの話を聞いて納得する。キョウヘイたち、シントたちがいれば大丈夫だ。
後は輝姫とティアラが来るのを待つだけ。ハルが呼び出しておいたので、そろそろ来るはずだ。

「おーい、バン!」

聞きなれた声がして振り返ると、幼馴染の船津直紀だった。その背後にいたのはティアラと輝姫、もう1人の女性。

「あれ、この人・・・・・・」
「あぁ、紹介してなかったわね。一ノ瀬心愛って言うの」

ティアラが苦笑しながら、ここさんを見て笑う。
一ノ瀬心愛は俺に向かって、笑顔で挨拶する。

「一ノ瀬心愛って言います。私のことは『ここ』って呼んでね」
「俺は山野バン、よろしくお願いします」

さて、残るは青峰太陽か。黄瀬も来るって聞いたけど、どうしたのやら。
そう思いながら考え込んでいたその時、CCMの着信音が鳴った。それを取り出し、確認すると太陽からだった。

「太陽、来るの遅いぞ」
『すんません。みんな、先に行ってください。俺たち、後から追いますんで!!』
「・・・・・・分かった。いいか、場所は-----------------」

太陽に向かって、場所の位置を詳しく説明する。その後、電話を終えた俺はみんなを見て振り返る。

「健太と直太も捜査に加わるけど、これから俺たちが捜査するのは、リンたちが囚われている場所だ」
「リンちゃんが攫われたって、どういうことなの?」
「詳しくは何とも言えない。でも、言えることはただ1つ・・・・・・早間綺羅という少年と深い繋がりがあるということさ」

早間綺羅という少年との関係が深まりつつあるリン。
幼馴染である可能性も高まっていることから、催眠術を解かないといけない。
ここからが最大の問題・・・・・・リンたちがいる場所の位置を掴むにはどうすれば良いのか。

「リンたちが囚われている場所を特定するにしても、どこにいるのか分からないんだ」
「じゃあ、どうやって解けば良いの?」
「ハル、その手は1つだけある。昨日の夜に書いておいたアレ持ってきてるか?」
「うん、持ってるよ」

光度計の謎に関する問題が出ていたので、それを捉えた上で捜査することになるのだ。
よく考えたら、謎解きするに越したことはない。それでも、輝姫たちにも協力を仰いでもらうしかなかった。

「みんな、この紙を見てくれ」

光度計に関する問題を見せた。輝姫がすぐに気づいて叫ぶ。

「あっ、これって・・・・・・光度計に関する問題ですよね?」
「そう。輝姫、よく分かったな。この仕組みが何で起こるか分かる?」
「えっと、光と屈折によって起きるんですよね。ということは懐中電灯を使うわけだと思います」
「その通りだ。輝姫にしては勘が鋭いな」

その言葉を聞いた輝姫は照れくさそうに笑って頷いた。
ティアラが俺とハルを見て突っ込んで言う。

「光度計って、機械?」

ドシーン!
その言葉を聞いて、俺たちは滑って呆れつつもティアラを見る。
輝姫はどれだけ分かってないのかというような顔をしているし、ここさんはクスクス笑っている。

「相変わらず、天然なところがあるなぁー」
「ええ、酷いっ! ここ、そこまで言わなくて良いのにー」
「ティアラがそんなこと言うから、こうなっちゃったんじゃない」

ティアラとここさんの話を聞いて納得することができた。
その様子を見ていたハルも笑いながら、コクリと頷く。

「あー何か面白いよね」
「ティアラのヤツ、どれだけボケてんだよ」
「まぁ、面白いから許すけどね。輝姫、ティアラって天然なの?」

ハルが輝姫に向かって問いかける。輝姫は呆れつつ、ティアラを見て答える。

「ティアラ姉はこう見えてバカなんですよ。勉強は苦手で授業中に抜け駆けしたことのある有名人ですから」
「抜け駆け? 俺はそんなことしたことないから分かんないけど、居眠りした時によく怒鳴られてたぜ」

中学、高校の時はよく居眠りしていたので、何度か先生に怒鳴られては寝てしまう・・・・・・の繰り返しだった。
ハルは中3の時からずっと一緒だったので、俺が居眠りしていることは分かっていたのだろう。

「そりゃあ、バンはよく寝てたからね」
「いつも起こしてもらって悪かったな。でも、クイズは楽しかったな」
「クイズ? 何でそんなことやってたんですか?」

輝姫が興味深そうに聞いてくる。俺は高校時代の記憶を探りながら、懐かしそうに語った。

「高校の時、世界史の授業とっててさ。居眠りしては起こされて、その先生にクイズを出されたんだよ」
「バンは記憶力が良かったから、他の授業でもクイズ出るようになって・・・・・・それからもやってたわ」

世界史の他に生物の授業でもクイズが出されたことは今も覚えている。
ハルたちもビックリして、声が出ないくらい驚いていた。それが懐かしく感じられて思い出せた。

「凄いです、バンさん!」
「まぁ、大したことしてねーから良いけどさ」
「よく言うよ。あれだけ寝てて起きるのが面倒って言うのはどうなの?」

ハルに頬を抓られて、顔を顰めた。幼馴染だから分かるのだが、飽きられているのは確かだった。
そう、よく居眠りしては起こしてくれたり、席が離れている時はCCMでメールを送ってくれた。

「いてて、何すんだよ。寝てたからいいじゃんー」
「ダメだよ! 寝てたこと、少しでも良いから後悔しなさいよ」
「悪かったって思ってんだから、良いじゃんか!!」
「まったく、もう・・・・・・ところで、そろそろ行った方が良くない?」

みんなを見回すと、いつでも行ける準備ができているようだ。
輝姫とハルもコクリと頷いて、そろそろ本格的に捜査した方が良いだろう。

「よし、それじゃあ・・・・・・」

そろそろ行こうかと言おうとしたところで、後ろから聞き覚えのない声がした。

「ちょっと待った! 僕も一緒に連れてってください」

振り返ると、見覚えのない青年がいた。15歳くらいの少年だろうか。
それにしても、冷静沈着なところが見受けられていて大人しいと感じてしまうのは気のせいか。

「おまえ、いったい何者なんだ?」
「別に何者でもないですよ。事件が起きたってことは確かですよね?」
「あっ、あぁ・・・・・・そうだけどさ」

俺はそいつを見て、顔を顰めながら躊躇う。
いきなり、目の前に現れた少年はいったい何者なのか?