二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 【ダンボール戦機W】バン×ハルと失われた過去 ( No.88 )
日時: 2012/10/12 18:58
名前: レッド ◆mAzj/Mydf. (ID: hSo8a19A)

第8章の続き

(ストーリーモード:バン)

1時間経った頃には、もう既に11時を回っていた。
ミソラタウン駅前でジンと話しながら、リンたちを見守っている。

「今日はリンを助け出してもらって・・・・・・本当にごめんな」
「いや、別に大丈夫だ。リンちゃんのことはハルから聞いてたしね、廃墟ビルに行くとは想像していなかったからな」

ジンは腕を組みながら、高校生の女子組を眺める。
確かによく考えたら、リンが帰ってこないことに疑問を抱いていた。
母さんからの連絡でハルがリンを見かけたけど、逃げられたという話を聞いて知った。

(リンのヤツ、廃墟ビルに行くなんてありえないだろ?)

リンはいつも大人しいというイメージしかないし、自ら夜遊びするようなタイプではない。
妹だけど、俺からしたら可愛い子だと思ったかもしれないけど・・・・・・こんな夜中に遊んでから帰るつもりだったんだろうが、そうはいかない。

「ああ、後で説教しなきゃな」
「ちょっと待て、バン君。リンちゃんは妹だぞ、説教はしなくても良いんじゃないのか?」
「でもさぁ、夜中に出歩いてたら心配しちまうだろォ?」

リンを見ながら、心配そうに見守る俺は缶ビールを煽って飲んだ。
少しずつ飲みながら、リンの様子を伺うしかなかったから話しかける余裕すらない。

「確かに女の子が出歩いて良い時間じゃないな」
「そうだよな、リンはそのことを自覚してんのかねぇ・・・・・・」

まったく、本当に困ったヤツだと思いながら溜息をつく。
妹を説教するのはちょっとなぁ・・・・・・と思いながら、ポリポリと頬を掻く。

「彼女は分かってると思うよ」
「そうかぁー?」
「うん、リンちゃんはバン君が迎えに来てくれるかもって思ったかもしれないけど・・・・・・帰りに聞いたらどうだ?」

ジンはハルから聞いたって言ってたから、リンのことは知っていたようだ。
そして、リンと話している女の子は優って言ってたな。

「優って・・・望月の妹だったかな?」

ジンが優を見て、何かを思い出したかのような顔をして呟く。
高校の同級生である望月幸介がいたことを思い出し、連絡を取ろうかと思ったその時だった。

「おーい、優!」

聞きなれた声がして振り返ると、同級生の望月幸介が現れた。
望月雄介は俺とジンの友達であり、高校時代の同級生でもある。
体つきは逞しく、スポーツ万能で運動神経が思ったよりも良く、運動神経抜群だ。

「望月!」
「おお、久しぶりだな!」

幸介はニコッと人懐っこく笑いながら応えてくれた。
優が幸介のところに駆け寄り、歩み寄った。

「コウちゃん、迎えに来てくれたんだね!」
「優、リンちゃんに迷惑かけただろォー」

コラッと言いながら、頭を軽く小突く。
優はえへへ・・・・・・と言いながら、明るく笑顔を見せた。
こんな時間に廃墟ビル探検なんてするもんじゃないだろ、と言いたくなる。

「リン、明日も学校で会おうね!」
「うん、優もね!!」

リンと優は満足そうに手を振る。
幸介は苦笑しながら、俺とジンの方に向けた。

「すまんな、僕の妹が迷惑をかけちゃって・・・・・・」
「いや、別に大丈夫だよ。その様子だと楽しめたみたいだけどな」

俺は望月に向かって、笑顔を見せながら応える。
缶ビールが握られていることに気付いたのか、望月はすかさず突っ込んだ。

「おまえ、酒飲んでたのか?」
「少しね・・・・・・」

左手で缶ビールを持ちながら応える俺。
酒を飲むことは好きだけど、望月やジンに咎められることもあった。
まあ、好きなことには取り組めているけど・・・・・・リンのことが心配なのは確かだ。

「バン、飲み過ぎんなよ」
「うっせぇ、そんなこと言わなくても分かってるよ!」

缶ビールを飲み干した後、空になったのを確認した。
近くのゴミ箱に捨ててきたのと同時に、望月が優ちゃんを連れて帰った。

「バン、今日は本当にごめんな。俺たちは帰るから、じゃあな」
「おお、気をつけて帰れよ」

手を振りながら、望月兄弟を見送った後にジンもすぐに帰ると言って駆け出した。

「僕もそろそろ帰るかな、バン君たちも気をつけて帰るんだよ」
「おう、ジンもな!!」

ジンと別れた後、その場に佇んでいるリンの肩を優しく叩いた。
リンは我を振り返ったのか、怪訝そうに俺を見る。

「リン、どうしたんだ?」
「あ、ううん・・・・・・何でもない!」
「そうかぁー? なら良いんだけど・・・・・・俺らも帰るぞ」

リンを連れて、帰路についた。