二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 『イナGO』-アドニス〜永久欠番のリベロ〜 ( No.8 )
日時: 2012/11/10 14:22
名前: 優騎那 (ID: hoeZ6M68)

第二話 『帰国、そして再会』

そこからは早かった。
おれは友達にしばしの別れを告げて4月1日の13歳の誕生日に日本に戻ってきた。
キャリーケースを引いて、ちょっとカッコつけてグラサンを頭に乗せてみた。
黄色の髪はいつも通り結って、フランスの古典的なファッションに身を包んだ。
通れば女の子がおれをチラ見、二度見三度見する。
入国審査をすませ、空港の外で空を見上げた。

「やっぱあちぃな……」

地中海性のからっとした気候になれていた所為で、日本の日差しと空気が蒸し風呂のように感じる。

指定された時刻に指定された場所に行く。
そう、待ち合わせという奴だ。
向こうが目立たない場所を選んでくれたため、女に声をかけられることもなかった。

「尊姉!」

栗色の特徴的なヘアスタイルをしたスカイグレーの目の男子がかけてくる。

「天馬か!?」

おれの方からもそいつに駆け寄った。
間違いない。
背もでかくなったし—とは言ってもおれより低い—顔つきも少し大人びたように思うが、弟の天馬だ。

「久しぶり!!元気してた?」
「当たり前ェだろ?お前こそくたばってねぇのかよ」
「酷い!それ弟に言う台詞!?」

おれはけらけら笑った。
やっぱ、天馬おもしれぇな

「悪ぃ悪ぃ」
「絶対悪いと思ってないでしょ!!」

天馬はおれの歯に衣着せぬ物言いに噛みつく。
こいつと皮肉を言い合っていると戻ってきた感じがする。

「まぁいいや。とりあえずお帰り」
「ただいま」
「戻ってきたってことは、日本の学校に通うの?」
「あぁ。まだどこに行くかは決めてねぇけど、雷門か新雲に行こうと思ってる」
「雷門においでよ!おれ、雷門に入るんだ!」

天馬が雷門に?
だったら、おれがどこに入るかは自動的に決まった。

「そうだな。考えとく」