二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 『イナGO』-アドニス〜永久欠番のリベロ〜 ( No.19 )
日時: 2012/11/14 22:09
名前: 優騎那 (ID: hoeZ6M68)

第七話 『ふざけた話』

おれは今、すげぇ機嫌が悪ぃ。
なぜか。
今現在、おれは天馬と携帯で通話中だ。
無精なおれから電話をかけたり、メールを送ったりすることは奇跡に近いくらい極希なこと。
おれの携帯がバイブしてるとすりゃ、誰かからのメールか、電話だ。
天馬から1ヶ月ぶりにかかってきた電話はおれの機嫌を損ねるには地味にいい材料だった。
……地味じゃねぇか。

その内容は、フィフスセクターとかいうよくわからねェ組織が日本のサッカーを管理しているという話だった。
ただ管理してるだけじゃなく、試合の勝敗や、点数まで決めてご丁寧に通達してくるらしい。
どの学校にも平等に勝ちが回るように勝敗を振り分けてるとか何とか。
雷門のキャプテンは—話に聞いた感じは泣き虫っぽい—自由に、本気でサッカーができない現状を嘆いてるんだと。
天馬は勝ちを取りに行きたいのに、先輩達や周りが賛同してくれない。
……めんどくせぇ!!

「おい天馬、おれ明日部活さぼる」
『え!?』
「んで、雷門に殴り込む」
『だ、ダメだよ!!尊姉が入ったって、逆効果だよ!』
「うっせぇな。おれが行くっつったら行くんだよ!」
『でも…』
「おれがどんな気持ちでサッカーやってるか……知らねぇわけじゃあるめぇ……」
『ごめん。尊姉……』

明日になれば頭も冷えてるだろう。
いや。むしろ、怒りで嵐が起きそうだ。

「だからよ、アホのキャプテンに打ち合わせとけ。お休み」

耳から携帯を離し、一方的に切った。

今のサッカーは自由じゃねぇ。
全部の試合に勝敗指示があって、それに従っていれば学校の評判はよくなる。
だが、逆らえば粛正される。
フィフスセクターは総力を挙げてサッカーの英才教育を施した連中を各学校に使者として送り込み、監視させている。
雷門にもそのシードはいて、剣城というらしい。
それは分かった。
だけど、おれが一番腹が立つのは、フィフスじゃねぇ。
シードの剣城って奴でもねぇ。
今のサッカーのあり方でもねぇ。
雷門だ。

自由にサッカーができねぇからって嘆いてる。
本気でサッカーがしたいってわめいてる。
アホか。

明日、そのキャプテンにあったら言ってやろう。

「あんた、サッカーやめた方がいいぜ」

……って。