二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: イナズマGOクロノ・ストーン 光と闇の姫(プリンセス) ( No.713 )
日時: 2013/03/02 22:44
名前: 姫佳 (ID: kM82Y1ex)
参照: 卒業式終わったー!!

第47話「セーナの秘密」


暗莉は今、南国の島を思わせる内装の屋内プールに来ている。

セーナ「ねぇねぇ!暗莉も泳ごうよー!!」
暗莉「僕、水着持ってないから…。」
セーナ「じゃあ、私の貸すよ?」
暗莉「…今はいいや。」
セーナ「え〜…。」

セーナは頬をプクッと膨らませた。

メイア「セーナ、暗莉を困らせちゃ駄目でしょう。暗莉はお客様何だから。」

そこへメイアがやって来た。

セーナ「だって、暗莉と遊びたいんだもん!!><」
暗莉「じゃあ…、足をつける位なら…。」

暗莉はサンダルを脱ぎ、足を水につけた。

暗莉「ここで見てるから、遊んできな。」
セーナ「わ〜い!!」

セーナは喜んでウォータースライダーに向かった。

メイア「貴女、意外と優しいのね。」
暗莉「別に…。…放っておけなかっただけ。」

メイアは暗莉の隣に座った。

暗莉「…あのさ、セーナはどうして皆みたいな能力が使えないんだ?」
メイア「…セーナは…、特別な子だから…。」
暗莉「SARUも同じ事言ってた…。…セーナは、一体何者何だ…?」

メイアは深呼吸をして、話し始めた。セーナの過去を…。


SARUとセーナが出会ったのは、フェーダができてすぐの頃。それまでセーナは、山奥の研究所にいた。

「1号。実験の時間だ。」

セーナには、生まれつき戦いの能力が備わっていなかった。が、セーナには特別な力があった。それは「治癒能力」

「こいつの力を使えば、不老不死も夢ではない!!」

セーナには戦いの能力が備わっていない。それを良い事に、金持ち達が揃ってセーナの能力を調べ始めた。

「次の実験は30分後だ。」

酷い仕打ちを受け、食事もろくに与えられず、寝る間もない生活を送っていた。その為、セーナは成長が遅れていた。そして、セーナに感情は無かった。

始めは能力を使う度に、倒れそうになる程体力を奪われていたセーナだが、徐々に能力が目覚め始め、能力を使っても倒れなくなった。しかし、能力が目覚め始める一方で、実験の回数も増えていった。


「こんばんは。」

ある日、セーナの元に客人が訪れた。セーナは驚愕した。

セーナ「貴方…、どこから入って…?!ここ、ドアも窓も無いのに…!!」
「ワープでね。」
セーナ「ワープ…?!貴方、一体…?!」
「僕は『サリュー・エヴァン』。皆、僕を『SARU』と呼ぶ。セカンドステージチルドレンの皇帝さ。」
セーナ「セカンドステージ…、チルドレン…?」
SARU「こんな何もない空間に住んでたら、知らないのも無理ないか…。」

SARUは、今起こっている事を話した。その内容は、セーナにとってどれも驚く事ばかりだった。

SARU「…で、君も僕達と同じセカンドステージチルドレンって訳。」
セーナ「わ、私が…?!」

その時、足音が聞こえた。

セーナ「あっ…。実験の時間だ…。」
SARU「実験…?」
セーナ「兎に角、今は帰って。見つかったら、大変な事になるから…!!」
SARU「でも…、」

結局その日はセーナに押し切られ、SARUは研究所を後にした。


翌日、SARUは同じ時間にセーナの元を訪れた。

SARU「それって…、サプリメントだよね…?」
セーナ「…私のご飯…。」
SARU「えっ?!それだけ?!」
セーナ「…うん。私は…、実験体だから…。」
SARU「…ちょっと待ってて。」

SARUはそう言い、どこかに向かった。が、すぐに帰ってきた。

セーナ「…これは…?」
SARU「知らないの?林檎だよ。」
セーナ「知ってるけど…、実物見たのは初めて…。」
SARU「食べてごらん。」
セーナ「…!!美味しい…!!」

セーナは笑いながらそう言い、林檎を平らげた。

SARU「…あっ、君の名前は?」
セーナ「…1号。」
SARU「そうじゃなくて…、本当の名前。」
セーナ「…セーナ。『セーナ・クオーレ』。」
SARU「セーナ…。良い名前だね。…セーナは、どうしてこんな所に?」
セーナ「…私が産まれてすぐに、両親が事故で亡くなったんだって。それで…、ここに引き取られたんだ…。」
SARU「どうして逃げないんだい?」
セーナ「…力がないから…。」

SARUは驚いた。まさか、セカンドステージチルドレンの中に、戦いの能力が備わっていない者がいるとは…、と。その時、又足音が聞こえた。

セーナ「…お別れ…、だね。」

セーナはとても辛そうに呟いた。

SARU「セーナ…。」
セーナ「…早く行かないと…、見つかっちゃうよ…?」
SARU「…明日…、」
セーナ「…?」
SARU「明日、必ず助けに来るから…。」
セーナ「…!!」


翌日、セーナは実験室にいた。今日は、珍しく研究所の主人達が集まっていた。

「…こいつを殺せ。」

とある富豪がそう言った。全員に衝撃走る。

「何を言う?!こいつは貴重な実験体だぞ?!」
「本当の力が発揮されるのは、自分の身に危険が迫った時と言うではないか。こいつも、例外ではない筈だ。」

研究員の1人が、銃を持って来た。

セーナ「やだっ…!!殺さないでっ…!!」
「お前の様な化け物を拾ってやったのは誰だ?主人の為に死ねるんだ。実験体にとって、これ程素晴らしい事はないだろう?」

セーナに銃口が向けられた。

セーナ(私…、死ぬんだ…。…サリュー…、結局助けに来てくれなかったなぁ…。)

ちょっと信じてたんだけど、とセーナは思った。

セーナ(…サリューがくれた林檎…、もう一度食べたかったなぁ…。それに…、あの時のお礼、まだしてないや…。)

研究員が引き金に手を掛けた。

セーナ「…さようなら、サリュー…。」

セーナがそう呟いた瞬間、爆発が起きた。

「な、何だ?!」

全員は混乱した。暫くして煙が晴れると、そこには子供達の姿が。

「揃いも揃って女の子に酷い事する何て…、おじさん達って随分と悪趣味何だね。」
セーナ「サリュー…?!」
SARU「お待たせ。助けに来たよ。」

SARUは、アンプルバズーカでセーナの鎖を壊した。

SARU「可哀想に…。こんなに痛めつけられたんだね…。」
「全く、女の子にこんな事する何て最低だわ!!」
セーナ「えっと…、」
サリュー「大丈夫。皆、僕の仲間だから。あっ、彼女は『メイア』。」
「SARU、私の紹介は良いから、早くこの子を手当てしないと…。」
セーナ「あっ、それなら大丈夫…。」

セーナは目を閉じた。瞬間、セーナの体が淡い緑の光に包まれる。直後、セーナの傷はすっかり癒えていた。

メイア「?!一瞬で、あの傷を癒した…?!」
SARU「…成程。おじさん達が、この能力を欲しがる訳だ。」
「貴様等!!そいつを返せ!!そいつは俺の物だ!!」
SARU「…物?」

SARUは右手を上げた。直後、富豪の体が浮いた。SARUが手を下げると、富豪の体が地面に叩きつけられた。

SARU「セーナの事を物呼ばわりした報いだよ…。本当はもっと痛めつけてやりたいんだけど…、セーナが怯えるからね…。」
セーナ「今のは…、超…、能力…?!」
SARU「そうだよ。これが、セカンドステージチルドレンの力さ。」

SARUはセーナの頭を優しく撫でながらそう言った。

「返せ…!!俺の夢…、不老不死の夢を返せええええぇぇ!!!」

そう叫びながら、富豪はセーナの方へ走ってきた。

SARU「大丈夫だよ、セーナ。僕が君を護るから。」

SARUはそう言い、右手を上げた。すると、再び富豪の体が浮いた。その儘、富豪の体を壁にぶつけた。その反動で、富豪は気を失った。


あの後、セーナはフェーダに迎えられた。今は、自分の部屋のベッドに座っている。

SARU「セーナ、部屋は気に入った?…っ!!///」

SARUは思わず顔を赤くした。セーナは、薄緑色をしたフリフリのワンピースを着ていた。髪も少し巻かれている。

セーナ「あっ、サリュー!」
SARU「セーナ…、その格好…、」
セーナ「メイアが着せてくれたの。」

セーナは少し恥ずかしそうにそう言った。

SARU「…うん、凄く似合ってる。セーナは元が可愛いから、何着ても似合うね。」
セーナ「っ!!お、お世辞は結構です…///」
SARU「お世辞じゃないよ。」
セーナ「と、ところでサリュー。私、あの時の林檎のお礼と、助けてくれたお礼がしたいの!何でも言って!!」
SARU「ん〜…。じゃあ、林檎のお礼は…、ずっとフェーダにいて欲しいな。」
セーナ「…それだけ?」
SARU「うん。」
セーナ「も、もっと他にないの?…私、皆みたいに超能力とか使えないけど…。」
SARU「セーナはその儘で良いんだよ。ずっとフェーダにいて、ずっと僕に護られてればいい。」

SARUはセーナの頭を撫でながら、そう言った。

セーナ「じゃ、じゃあ、助けてくれた時のお礼は何が良い?私にできる事なら、何でも言って!!」
SARU「じゃあ…、僕と付き合って?」
セーナ「…付き合う?」
SARU「うん!僕の彼女になってよ。」


メイア「…って感じかしら。」
暗莉「…そっか…。セーナ…、色々と大変だったんだ…。」
メイア「でも、今はあの頃とは比べ物にならない位元気になったわ。」
暗莉「…そうだな。」
メイア「あの頃のセーナは、SARUにお礼がしたい一心で、SARUと付き合ってたって感じだけど…、今は、心からSARUの事を愛しているわ。」
暗莉「へぇ…。(…似てる…。昔の僕と…。)」

暗莉は、過去の自分を思い出しながら、セーナの事を見ていた。


〜翌日〜

SARU「全員揃ったな。…行くぞ。」

セカンドステージチルドレンは、エルドラドに乗り込もうとしていた。

セーナ「サリュー、私も連れてって!!」

全員は驚いた。今迄、こんな事には一度も首を突っ込まなかったセーナが、自ら行きたいと言い出したのだから。

SARU「急にどうしたんだい?」
セーナ「私…、どうしても会いたい人がいるの!!雷門に!!」
SARU「雷門に…?」
セーナ「うん。…私、力がないから足手纏いなのは分かってる!!でも…、どうしても会いたいの!!暗莉が話してくれた『白炎輝姫』に!!」

セーナは昨夜、暗莉から輝姫の話を聞いた。セーナの様に優しく、自分にとって妹の様な存在だと。

セーナ「…やっぱり駄目…、だよね…?…我儘言って御免なさい…。」
SARU「…良いよ。じゃあ行こうか。」
セーナ「えっ?!」
メイア「SARU?!良いの?!」
SARU「ああ。僕が護ればいいだけさ。セーナ、僕から絶対に離れちゃ駄目だよ?」
セーナ「うん!!」



***
姫佳「今回は、セーナの過去と秘密が明らかになりました!つか、SARUカッコいい!!」
セーナ「サリューは私の彼氏だから、とっちゃ駄目ー!!><」
暗莉「セーナ泣かしたら殺す。」
姫佳「Σはいぃっ!!」
暗莉「えっと…、次回はセカンドステージチルドレンと雷門がご対面と…。」
姫佳「ちょい久しぶり(?)に輝姫が登場します!!では、コメ待ってます☆」