二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 『ワンピ×黒バス』-楽園にさらわれて ( No.17 )
- 日時: 2012/11/22 16:01
- 名前: 優騎那 (ID: hoeZ6M68)
Episode-1 『誠凛って実は……』
誠凛高校バスケ部。
創設2年目にしてウィンターカップを制したシンデレラストーリーを持つ強豪校。
開催期間中は一試合一試合が夢以上に特別な時間だったが、終わってしまえばあっけないものだった。
創設2年目の誠凛バスケ部に3年はいない。
したがって、ウィンターカップが終わって引退、という部員がいないため、いつも通りのメンツでいつも通りの変わらぬ日々を送っている。
変わるものといったら日々の練習で磨かれていく個々の力と、監督であるリコの機嫌を損ねて練習量が増えるくらいだ。
「火神君——」
「うおっ!?黒子テメェいつからいた!!?」
部室のロッカールームで着替え中、黒子に話しかけられ、火神はびびった。
「今来たところです」
「最初っからいたんじゃねぇのかよ……」
黒子の異常なまでの存在感の無さには相棒—光—の火神も未だに慣れない。
なんせ、見失うほどに影が薄く、目の前にいても気づかれないほど並の集中力では彼を追えないのだ。
「ところで、ワンピース68巻を知りませんか?」
「あぁ?知らねぇよ。つーか、何でそんなもん持って来てんだ」
「主将—キャプテン—に持ってこいと言われたので」
「出た!日本縦社会!!」
誠凛には共通点があった。
それは、部員全員が大層なワンピースファンであること。
全員が全員同じ漫画を愛読していて、しかも校則に背いてコミックを持ってくることはもはや変わらぬ日々の一部と化していた。
「困りましたね。今日は先輩達とワンピース談義をすることになっていたのですが」
「おれ達バスケ部だよな!!?バスケしろ!!それおれも混ざりたいけどよ!!」
「火神君も加わりましょう。きっと、いえ、絶対楽しいですよ」
火神は5秒だけ固まった。
バスケがしたい。
でも、ワンピース談義とやらもしたい。
「……………混ざり、ます」
「決まりですね。監督に打ち合わせておきます」
これで今日の部活は"放課後だよ!全員集合!ワンピース談義"にきまったのだった。