二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- 第11話 一目惚れしたのは……♪ ( No.52 )
- 日時: 2013/03/01 23:26
- 名前: 伊莉寿 ◆EnBpuxxKPU (ID: 7jEq.0Qb)
月乃が座っているのは窓際の席。
授業が終わったころ、天馬がやってきた。バンッ、と机に両手をたたきつけ、勢い良く言い放つ。
天馬「月乃さんっ、サッカー部に入って!」
月乃『はい』
美咲「だよね、まだ決められないよねー……って、え?」
月乃『私はサッカー部以外考えられません。正直サッカー以外のスポーツは出来そうにな——』
美咲「打つの速っ!!」
月乃の前の席に座っていた美咲は、内容よりもスピードに驚いて、さらに感動していた。
感嘆の息をはいて手元を見つめる美咲に、月乃は首を傾げる。
天馬「え、来てくれるの!? やったー!!」
歌音「まさか、昼休みの事で決心した訳じゃないわよね?」
試合で月乃の実力を見た天馬は、西園とハイタッチをして喜びあう。
月乃はその行為でクラス中の注目を浴びた事に顔をしかめながら、首を横に振った。
そして携帯電話の音量を下げて、文字を入力する。
月乃『この学校に入学すると聞いた時から決めてました』
美咲「マネージャーってことだよね?」
気になったんだけど、と付け足された質問に、月乃の手が止まった。そして少しの沈黙。
月乃『そういえばマネージャーって何ですか』
美咲「あははっ、冗談きつ……本気?」
歌音(本当に日本人なのかしら……。)
月乃の無知さに、疑わずにいられない歌音であった。
**
美咲「このグラウンドで練習するよー!」
沈黙。
うん、案内しなくても知ってたよねー。多分昼休みに来ただろうし。
しかも校舎の正面にあるグラウンドだし……。
とりあえず監督とかに言った方が良いのかな。あ、先に行った6月たちはストレッチやってる。
じゃあ監督に言った後、あたしも水鳥先輩を手伝お——。
美咲「……げ。」
月乃「!」
先輩方、やる気が全く無いですよッッ!!
そっか、フィフスに逆らったから士気が下がったんだ!でも普通入部を希望する人に見せる状態じゃ……。
月乃『橘さん、見えません』
美咲「うぅぅ……。」
でもあたしが先輩方にちゃんと練習して下さい、なんて……。
言えるけどつきのんにばれずに、は無理。
どうしようどうしよう……。
月乃「……。」
悩んでる間に体を横にずらされて、つきのんがあたしの横に並ぶ。
むすり、と不機嫌そうな表情をしていた彼女も、グラウンドを見て一瞬目を大きく開いた。
……よし、下に行こう。もうどーしよーもない!
天馬「あ、月乃さん!」
グラウンドに降りると、6月が手を振ってあたしたちに駆け寄った。
明るいなぁ。
そして声がおっきーよ、全員がこっち向いたよ!
速水「……ああ!」
南沢「アイツ、ここの生徒だったのか。」
速水先輩、わたわたしてるのは……この前の試合でつきのんが反フィフスだって分かってるからだよね。
南沢先輩の表情険し! そして浜野先輩はいつも通り、何か嬉しいよ!
速水「もしかしてまたフィフスセクターの命令ですか!?」
浜野「でもこの前の試合で勝敗指示に従って無かったじゃん?」
速水「それで反対したって事で処分するつもりなんですよぉ、きっと!」
南沢「回りくどすぎるだろ。」
微かに聞こえたけど……速水先輩、あたしもそれは無いと思います。
天馬「ねぇ、一緒に練習しよう!」
美咲「え!? ちょっと待ってつきのんマネ希望じゃ……!?」
月乃『私制服ですが』
天馬「じゃあジャージに着替えて——」
あたし無視ですかー。
ちょっと悲しくなった時、芝生を綺麗に滑って登場した……紫の改造制服!
美咲「剣城君! 練習来てくれたんだねっ!」
天馬「葵っ、スタンバイ!」
月乃「?」
やったぁ、と思ったのもつかの間、葵ちゃんに口を塞がれてずるずる引きずられ……ちょっとぉ!!?
葵「美咲ちゃん、話が終わるまでは我慢よ我慢!」
美咲「んん〜!!??(何で!!??)」
剣城君の声さえ微かにしか聞こえない!
何言ってるのかすごく気になるのに……でも葵ちゃんがこうしてまで引き離すんだから、本当に静かにしとこ。
ちょっと慣れて来たけど、ちょっとがっかり。
それにつきのんすごくびっくりしてたなぁ……。
葵「……どうして美咲ちゃん、そんなに見たいの?」
剣城君の化身。
すごく気になる、って感じで葵ちゃんが聞いてくる。
美咲「一目惚れだって前にも言ったでしょ?」
葵「あの化身に!?」
美咲「あのカッコよさが分からないのかい葵ちゃん!」
あたしはわざとらしくほっぺを膨らませて、笑った。
これは本当、剣城君の剣聖ランスロットを初めて見た時にもうカッコ良すぎて!!
見せてって言ってるのに剣城君はぜんっぜん見せてくれない。
そーいう物なのかな?
ランスロット様に会いたいです、天使の使命云々の前に純粋に!!
葵「美咲ちゃん、重症ね……。」
重症って何か怖いこと言い出したけど、あたし健康だよ?
美咲「あ、そう言えば呼び捨てで良いよ。」
葵「え、じゃあ……美咲!」
『美咲』って呼び捨てにされるの久し振り!
それが嬉しくて笑うと、後ろから肩を叩かれた。顔を上げると、つきのんがメモ帳をつきつけている。
『話おわりました』
美咲「! それで剣城君は!?」
月乃『どこか行きました』
美咲「えー!?」
そんな!!
キノコ繁殖始めるよー、と葵に予告すると今度は日向……皆のいる方に引きずられた。
つきのんは不思議そうにあたしの横を歩く。制服似合ってるなぁ……ってあたし制服だよ引きずらないで!!
天馬「こんなのおかしいですっ!」
美咲「分かった立つよ!」
全員「「は?」」
……あ。
何やら険しい顔の先輩方があたしを振り返った。
……やってしまった、っていうか話終わって無いじゃん!
霧野「橘、剣城なら帰ったぞ。」
美咲「聞きました……用件、何だったんですか?」
水鳥「試合に出せ、だとよ!」
イライラしながら答えた水鳥先輩……え、試合見られるの?
化身出るかなッ!!?
三国「恐らく、フィフスセクターの勝敗指示に従わせるためだろう……0−1、という指示が出てる。」
神童「それに……。」
キャプテンが言葉を切って、あたしの隣——つきのんに視線を向ける。
つきのんはこの展開が読めて無かったみたいで、少し慌てた様子で携帯電話を取り出した。
だけど、次の霧野先輩の言葉を聞いて打つのをやめる。
霧野「月乃も“後半から”試合に出せ、という指示だ。」
後半から……って、こまかっ!!
* to be continued... *
とうとう3月ですね、万能坂戦も終わって無いって更新スピード遅すぎて自分が嫌になります……。
とりあえず、美咲の新設定が出せてほっとしました!霧野先輩の前世設定は無しで進めます。
次回、犬派の私が猫の話を書きます……猫、ここ数年触って無いので犬みたいな感じになりそうです;;
美咲「この予告外れる可能性大ですよ〜!」
大いに。←
この話でそこまで書く予定だったんですもん(笑)←
時間のある方、コメ下さると嬉しいです!