二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

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るろうに剣心 — 銀色の侍 —
日時: 2010/02/04 21:00
名前: I (ID: p17IpJNR)

 お久しぶりです。名前変えました元songです。このサイトも安定してきたようなので、コレも再開しようと思います。
 ではでは〜よろしくお願いします。

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Re: るろうに剣心 — 銀色の侍 — ( No.1 )
日時: 2010/02/04 18:03
名前: I (ID: p17IpJNR)

 Ep.0 プロローグ


「さぁて、観念してもらおうか優男」
 強烈な裂迫の気合、畏恐の威嚇。土方はその全てを一人の男に向けて放った。
「むやみやたらに刀を抜く気はないでござる」
 しかし、その男はそれを意にも介さず受け流す。
「フン……隊士15人を一息つかずで倒した奴の言うセリフじゃねぇだろ?」
「いきなり斬りかかるそっちが悪かろう? 」
 一向に引かぬ土方は腰の刀に手を当てる。対して、その男も尋常ならざる気配からか自然と自らの刀に手を添えていた。
「ここは法治国家だ。世間一般じゃ刀ぶら下げて歩いてるてめぇが悪ィ。まぁ、ワケも知らねぇで斬りかかるウチの若い連中も悪いっちゃ悪いかな」
 一切、謝罪する気は無さそうだが、同時にその男を通す気もないよう。すると——
「真撰組副長!土方十四郎!いざ、参るッ!」
 ついに、土方の刀は鞘から放たれ構えられる。
「大した好戦家でござるな……」
 そう言うと、男は刀を納めたまま抜刀に構えた。
「流浪人……緋村剣心。お主の剣、しかと目に焼き付けるでござる」
「久々に愉しい喧嘩になりそうだ」
 土方は刀の腹を舐めると、剣線を水平に構え、剣心に向けた。
「いくぞ……」
 剣心の悲痛なまでの叫びとわずかな怒りが入り混じった。
「おおぉおおぉぉおッ!!!」
 土方の切先が剣心目掛けて奔り、塀が轟音を立てて崩れる。しかし、手ごたえは屋敷の塀が没する音のみ。
「上かッ! 」
 素早い土方の反応。

「龍槌閃……ッ! 」

 土方の一撃に合わせ、天高く飛びあがり鉄槌の如くその刀は振り下ろされた。
 尋常にならざる轟音。立ち上る塵が晴れると同時に轟音の正体が明らかとなった。
「なるほど……」
 土方は煙草を吹かし言う。
「逆刃の刀か。確かに威力だけなら斬るより遥かに勝る。だが、致命傷は負わせられねぇぞ? 」
 剣心の槌撃をものともせず避け、土方は揚々と語った。
「致命傷なぞ、元から負わせる気はござらん。この刀が示す通り、拙者は人斬りを禁じている」
「…………」
 土方は何も言わず、突っ立った。
「無論。無益な争いもでござる」
 そして、剣心は今この場の闘いすら中断を求めた。
「……腕も立つ。覚悟もある。魂も鮮やか。俺の経験上、人も斬れねぇで大ぼら吹くやつは、腑抜けか軟弱者だと思っちゃあいたが……てめーは違う」
 意味深に土方は言い、剣を納めた。
「……!」
 その様子に剣心は少し驚く。
「てめぇが戦いたくねぇってんなら、今はそうしといてやる」
「見逃してくれるでござるか? 」
 剣心も刀を納めて言う。
「ヤル気のないやつといつまでも遊んでられっか。俺は公務で忙しいんだよ」
 そう言うと、土方は道を空けた。
「さようでござるか」
 剣心はそれを見て歩を進める。
「……緋村と言ったな。餞別だが、俺は喧嘩を中断したことなんざ今まで何度もある。だが決着を忘れたことは一度たりとねぇ。てめぇは忘れてくれるなよ? 」
 闘争心が萎えたとは微塵もと感じさせない睨みで、土方は突っ立っている。

Re: るろうに剣心 — 銀色の侍 — ( No.2 )
日時: 2010/02/04 18:22
名前: I (ID: p17IpJNR)

 第一幕 


「はて……完全に迷子になっていしまったでござる」
 仏頂面をして剣心は辺りをキョロキョロと見回し歩き回っていた。
「ドンッ」
 と、不注意極まって剣心は誰かとぶつかってしまった。
「気をつけろ! 」
 それは剣心の身長の倍あるかと言う巨漢……の割りに変に細長い。
「これは失敬。以後気をつけるでござ——……」
 顔を確認しようと剣心は頭を上げたが、それが言葉を途切れさせる原因となる。
「あん? 俺の顔に何か付いてるか? 」
 その巨漢の顔は紛れもなく人間のソレとは違っていた。
「い……いや」
 剣心は硬直して言う。
「ンン? 変な奴だ……」
 そう言って男は去っていった。よく見れば、異様な姿の者はあちらこちらにわんさかといた。
「一体……ここは?」

 遡ること1時間前……——

Re: るろうに剣心 — 銀色の侍 — ( No.3 )
日時: 2010/02/04 20:48
名前: I (ID: p17IpJNR)

 生と死に何の違いがある?
 少なくとも我々はそんな陳腐な疑問を抱くことなどまずない。
 なぜなら、死んだ者の行く末など考えに及ばないからだ。

 だからこそ、苦しみ

 だからこそ、悲しみ

 だからこそ、慈しみ

 だからこそ、哀れみ

 だからこそ、愛でる

 だからこそ——……誰よりも人を多く死へと導いた男は安穏と生きることができる。
 その男・緋村剣心。未来の命を愛でるあまり起こった憎愛と破滅の物語がここから始まる。

 明治十一年、六月二十四日——……

「剣心、所長さんがお見えになったわよー?」
 洗濯物を取り込む剣心に薫はそっと声をかけた。
「あぁ、薫殿、かたじけない。今行くでござるよ」
 笑顔で返す剣心。
「ホラ、急いで! 」
「おろろ……」
 切羽詰ったような面持ちで薫は剣心をせかした。
 しかし、切羽詰っているのは薫だけではない。

「おぉ、緋村さん! お待ちしておりました」
 涼しげな季節にも関らず、浦村所長の顔には汗が浮いていた。
「何か……あったようでござるな」
 それを察したのか、話は剣心から始まる。
「今までに無い、異常事態です! 」
 
「神隠し……? 」
 神妙な空気の中、薫と剣心は顔を見合わせた。
「無論、噂の類ではありません。事実、今日も含めこの一週間で全国で200人以上の行方不明届けが出ております」
「200人…… !? 」
 とんでもない数字に二人は驚く。
「はい。そこで込み入って緋村さんにお願いが……」
 三つ指を構えて所長は言った。
「いや、しかし所長さん、拙者は剣客。妖術極まる所業に、まして神隠しともなると拙者の専門外でござるよ……」
「もちろん存じております。お願いというのは神隠しそのものではございません」
「おろ? 」
「被害者の周囲の人間の証言では、人に会う約束があるからと断って出て行ったきり帰らないというモノが大多数で……」
 段々と事件の感覚が明らかになっていく。
「して、その人とは……? 」
 剣心は核心を突いた。
「『高杉 晋助』一部の証言からこの名が上がりました。しかし、素性どころか存在すら明らかになっていません……が、聞いたことのある名だと思いませんか? 」
 所長は剣心に問いかける。
「この『高杉』という苗字が気になるでござるな」
「たかすぎ? 」
 剣心の発言に薫は首を突っ込んだ。
「高杉晋作……——幕末期での長州派勢力の中核の一人だった男の名と似すぎているでござる」
 懐かしい名を剣心は思い出した。
「本人は肺病ですでに亡くなっています。ゆえに同一人物でないことは確かですが、関係が全く無いとは言いがたい。そこで、高杉氏と接触があった者を徹底的に洗っている次第です」
「…………」
 一種の核心を剣心は持った。それは、この事件の鍵となる。

Re: るろうに剣心 — 銀色の侍 — ( No.4 )
日時: 2010/02/04 21:46
名前: I (ID: p17IpJNR)

「一つだけ……心当たりがあるでござる」
 突然剣心は深刻な表情で言葉を発した。
「おぉ! 」
 歓喜に所長は喜ぶ。
「剣心? 」
 しかし、薫は表情の堅い剣心が心配になり、声をかけた。
「——幕末のさなか、禁門の変で長州の力はガタ落ちした時、ある長州派の男がどこからともなく財源を確保し、後の幾多の戦いで多大な貢献度を示した。が、当然その金には裏があると判断した高杉さんはその男に接触を試み、自身もその男を利用し大事を成し遂げた」
 所長は唾を飲み、剣心の説明をただただ聞いていた。
「その男の名は長州派維新志士・山口 一休斎(やまぐち いっきゅうさい)。当時から不穏な動きが多く、拙者も桂先生から厳重警戒が下されていたほどでござる」
「でも、それと今回の神隠しと何の関係が? 」
 薫は痺れをきらして質問する。
「厳重警戒の理由はもう一つあるでござるよ。それはヤツの異名『切り裂き一休』。人間業と思えぬ残虐性に由縁するでござる。詳細は分からぬが、ヤツの暗殺は死体を残さないことで有名でござる」
「死体を残さない? 」
 驚愕が薫を襲う。
「もちろん、拙者とて信じられることではござらん。ただ、妖術にも似た所業・・・・・可能性は低くないでござる」
「わ、分かりました! ご協力感謝しますぞ! 」
 すると、所長さんはあたふたと所へ連絡しに戻ってしまった。
「剣心」
「ん?」
「何者なの……その人」
 薫はひょんな質問を剣心にする。
「それが分かればこの事件も早々に片付くと思うのでござるがな」
「そうだよね……」

Re: るろうに剣心 — 銀色の侍 — ( No.5 )
日時: 2014/05/15 16:54
名前: 萌氏 ◆XoRuN4G3uw (ID: SnE9EC7A)

やっぱ剣心かっこいいですね!!                                                 萌氏です宜しくお願いします。                  私は最近小説カキコを始めました。
そしたら沢山るろうに剣心の小説があったので、とても嬉しいです!!るろうに剣心−銀色の侍−凄くいいですね!!
次も頑張って下さい!!   


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