二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
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- −NANA−
- 日時: 2010/02/07 22:46
- 名前: 藍瑠 (ID: .O7WJzbr)
このスレでは、矢沢あい先生の大人気作品「NANA」を私なりの解釈を加えて小説にしたものです。「NANA」を見たことのある方もない方にも、読んでいただけたら嬉しいです。よろしくお願いします。
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- Re: −NANA− ( No.1 )
- 日時: 2010/02/09 19:30
- 名前: 藍瑠 (ID: .O7WJzbr)
あたしの生まれ故郷は
山に囲まれた
広くも狭くもない町で
ど田舎ではないけど都会でもない
観光に来られてもウリが無い
あたしは三人兄弟の真ん中で
お金持ちでも貧乏でもない親に
ほったらかされてスクスクと育ち
県内普通レベルの女子校を
もうすぐ卒業する
「東京?」
「ああ、来週から」
ちょっと待って
「それは出張でなくて…?」
「…転勤。東京の本社から急にお呼びがかかってね。まいったよ。まあ、このリストラ時代にありがたい話ではあるけど」
「そっ…」
そんなの嫌!!
でも待てよ。
東京なら新幹線で二時間だし、
その気になりゃすぐ会えるか。
江戸時代じゃないんだから…
どうせ今までだってたまにしか会えなかったんだし…
「寂しくなるな、奈々ちゃんに会えなくなるのは。でも仕事だし仕方ないか…」
「今まで楽しかったよ、ありがとう」
それは1999年7の月
…より四ヶ月も早く
恐怖の大王があたしの頭上めがけて落ちて来た。
わかってはいたのだ。
この恋にしょせん未来なんかない。
でもこんなにいきなり
そんなあっさり
ばかばかしくって涙も出ないよ。
「泣いてるじゃん」
「だって…あうっ…ひっく…淳ちゃあああん」
「だからやめとけって言ったのに。女子高生の分際で不倫の恋なんて…」
「不倫とか言わないで!!(演歌くさいから!)」
「じゃあ、援交?」
「淳ちゃん!あたしは浅野さんからお金なんか一銭ももらってないもん!知ってるくせに!」
「ばかだねえ〜…どうせならたんまりもらっときゃ良かったのに。やり逃げされて」
「淳ちゃ…」
やり逃げって…。
「うそだよ奈々。あんたがあの男に本気だったのはちゃんとわかってる」
「淳ちゃ〜ん」
「でも向こうにしたら、やっぱただの遊びだったっんだねえ〜」
どすっ。
「あんたの事も、ただの盛りのついたコギャルぐらいにしか思ってなかったんじゃ…」
「コギャル!?あたしのどこがっ!!」
しかも盛りがついたって…。
「オヤジからすりゃ女子高生は全員コギャルでしょ」
「浅野さんはオヤジじゃないよ!!」
ギリギリ20代だし!
「女子高生からすりゃスーツ着てんのは全員オヤジだよ」
…。
…。
「紀香カットにしたのがいけなかったのかな…」
「何の話?(ってゆーかそれ、紀香カットだの?)」
「だからコギャルに見られたのかも…。でも彼は大人だし、あたしも少しでも大人っぽくしなきゃと思ってね…」
「会える日はセクシー系のワンピとか着て頑張ったのに!!」
「あーそれはいけなかったかもねえ…真っ盛りって感じで」
「なんであたしってこー何をやっても上手く行かないんだろう。だいたい『ナナ』なんて名前が不吉なんだよ!ノストラダムスの予言には出て来るしさ、映画の『セブン』は怖かったし…。呪われた運命ってゆーかさ…」
「いや…あんたが例え『ハチ』とかでもやつは東京へ行くと思うけど?」
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