二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
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- ワンドオブフォーチュン 古の魔法姫
- 日時: 2010/05/26 19:26
- 名前: 日向 (ID: zRIiH/oV)
【挨拶】
何度もすみません、日向です。
前回は失敗作としてスレッドをロックしましたが、またのお付き合いよろしくお願いします!!
【注意事項】
1:駄目文を書きます。
2:亀更新で更新されます。
3:タメ&呼び捨てはOKです。
4:気軽にコメ書いて結構です。
主人公紹介 >>01
Prologue >>02>>03>>04>>05>>06>>07
第1話 始まりの日
Page:1
- 主人公紹介 ( No.1 )
- 日時: 2010/05/26 19:27
- 名前: 日向 (ID: zRIiH/oV)
☆名前☆
リク・ティオーラ
☆年齢☆
15歳
☆身長☆
161cm
☆性格☆
明るく好奇心旺盛で正義感が強いが怒ると怖く誰にも逆らえない雰囲気を持つ。
裏表無く、真っ直ぐで思ったことは素直に話す稀に見る正直者だが時々悪賢くなる。
☆容姿☆
髪:腰まである赤橙色の長髪。
瞳:澄んだ赤橙色
☆服装☆
制服:着崩しはしておらず、スカートの丈は足の膝上。靴下は黒のニーハイで靴は茶色の革靴。
私服:主に動きやすさ重視のシンプル系を好んできている
☆媒介☆
平らのリングペンダント 色は金色で模様は魔法陣
☆属性☆
不明
☆備考☆
とある地方で地元の普通学校に通いながら父方の叔父夫婦と暮していた女の子。
ある日、自分の母親が古代種である事を知り、その事がきっかけでミルス・クレア魔法院へ転入することになる。
母親が古代種だった為魔力は高いが上手く制御できず、魔法初心者でもある為失敗することが多い。
学業は中の上であまり悪くない。叔父の息子で魔法使いである従兄がいるが、現在放浪中。ミルス・クレアの卒業生。
特技は木登りで高いところでもたった数分で上れるほど。お菓子作りも得意でたまに作る事がある。
- Prologue ( No.2 )
- 日時: 2010/05/26 19:49
- 名前: 日向 (ID: zRIiH/oV)
澄んだ青い空に一点の汚れも無い白い雲がふわふわと浮く快晴の日。
あたし、リク・ティオーラは大好きなこの地で普通学校に通っている。
「リク、おはよ〜」
通学路を歩いていると、友達のミーナがあたしの横まで来て声をかけてくれた。
「あ、ミーナ!おはよっ」
ニコッと笑いかけると、ミーナは何故か温かい笑みであたしの頭を撫でていた。
「? どうしたの、急に頭を撫でて」
「いや・・・・・・、リクって相変わらず可愛いなぁって思って」
「???」
ミーナの言う事はあまりよく分からないなあ。
そう思っていると、別の通学路で黒いマントを羽織った学生達に目が入る。
「あれって・・・・・・、魔法学校の子達?」
「あ、本当だ。この時間帯に見るの、私初めてかも」
「うん、あたしも」
魔法学校の子達は普通学校とは違い、時間帯は違い少し遅めで登校している。
なので、早く登校する姿は見ない所為か何だか新鮮な感じになってしまう。
「そういえば、隣の組のアリーチェって子、この間の土曜日に魔法学校に転校したって」
「え、そうなの?」
「うん。最近いるんだよねぇ、普通学校を辞めて魔法学校に行っちゃう子。昔はこうじゃなかったのになぁ」
「多分魔法が着々と発展してるんじゃないかって、オスカー叔父さんが言ってたよ」
あたしのお父さんの弟であるオスカー叔父さんは、顔が広い為地元で彼を知らない人はモグリと呼ばれるほどの有名人。
あたしの家は叔父さんの妻であるケイラ叔母さんと叔父さん、そして自分を含めた3人家族。
でも、叔父さんの息子のカイト兄がいるんだけど放浪癖があって、今は世界中を旅している。
今、どうしてるんだろうなあ。
「でも、中には【ミルス・クレア魔法院】に入学しようとしている子も多いみたいなんだよ」
「そうなの?」
「ま、あの【ミルス・クレア魔法院】はかなり有名なのは分かるけど・・・・・・、今の成績じゃダメな子が多いから必死で勉強してるらしいよ」
「大変だね・・・・・・」
ミーナの話にあたしは感心したように呟いた。
【ミルス・クレア魔法院】とは、世界に名立たる魔法都市・ラティウムにある魔法の名門校のこと。
魔法士を目指す子達の憧れであるが、入学試験は難しく中々入学できないほど。
その為、今は地元の学校で一生懸命勉強している子が多いらしい。
だけど、カイト兄は地元で唯一ミルス・クレア魔法院へ入学した魔法使い。
卒業後、一時期魔法院にある魔法の研究施設である【黒の塔】で研修していた事もあった位だ。
「・・・・・・リクはさ」
「何?」
突然神妙な顔で話しかけてきたミーナに少し驚きながら返事を返した。
「何か【やりたい事】は、無いの?」
「えっ?」
急な質問であたしは少し困惑してしまう。やりたい事とか将来とか先の事はあまり考えたことは無い。
「あたしは、一杯勉強していいお仕事に就いて叔父さんたちを楽にさせることだよ。いつも言ってるでしょ?」
「それは【目標】でしょ?私は【やりたい事】を聞いてるの」
真面目に話すミーナにあたしは困りながら言う。
「やりたい事とか、何か先の事みたいであんまりよく分からないなぁ・・・・・・」
そう呟くと、ミーナはため息をついた。
「ま、まだ私たち15だし良く分からないこともあるけど・・・・・・、やりたい事はちゃんと見つけなきゃダメだよ?」
「・・・・・・うん」
そう返事をしてあたしたちは学校に向かって少し早めに歩いていった。
その日、一日中【やりたい事】について考えていたが、結局思いつかなかった。
- Prologue ( No.3 )
- 日時: 2010/05/27 15:56
- 名前: 日向 (ID: zRIiH/oV)
夕陽が落ち、辺りが真っ暗になった満月の夜。
あたしは自室のベッドで寝転びながらカイト兄から貰った【魔法の仕組み〜基礎編〜】を読んでいた。
「えっと・・・・・・、【魔法元素は火水風土光闇の6つで、人間はそれぞれの属性で魔法が使えるようになっている】、か」
本のあった一文を読んだ後、あたしは本を閉じて枕元に置いた。
あたしがやりたい事。その答えは見つからない。憂さ晴らしに魔法関係の本を読んだけど、答えを遠まわしにしている。
どうしようか、と思っていたその時、自分の本棚にある革製の本に目をやった。
「そういえば、あの【開かずの本】の中身って何だろう・・・・・・?」
【開かずの本】とは、あたしは生まれた時からある古い本のこと。
鍵はしてないというのにページが開かないとある意味謎な本。
幼い頃のあたしはずっと本を開く努力はしたが水の泡。それ以来あの本は7,8年くらい放置状態だ。
「・・・・・・叔父さんに聞いてみよう」
お父さんの弟である叔父さんならきっと分かるはず。
そう思ってあたしは【開かずの本】を持って居間に向かって歩き出した。
居間に着くとオスカー叔父さんとケイラ叔母さんがお茶を飲んで団欒していた。
「ん?リクか。どうした?」
無精髭を伸ばしていかにもワイルドな叔父様のような雰囲気を持つ叔父さんにあたしは手に持っていた本を見せる。
「この本さ、どうやったら開くの?」
あたしの質問に叔父さんは黙って立ち上がり、あたしの近くまで来て持っていた本を取り上げてしまった。
「リク、今日はお前に話したいことがある。ちょっと座ってくれないか?」
「? うん」
訳も分からずあたしは素直に座る。それと同時にケイラ叔母さんが立ち上がった。
「私は少し席を立たせて貰うわ。ゆっくりと話しなさい」
「・・・・・・ああ、分かってる」
「?」
叔母さんはそう言って居間を出てしまった。
二人きりになった空間にはカチコチ、と振り子時計の音しかしなかった。
「・・・・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・・・・」
沈黙の中、叔父さんはフゥッと息を吐いてあたしの瞳を見た。
「・・・・・・リク。お前は亡くなった両親の事は一体何者なのか、疑問に思った事はないか?」
「・・・・・・え?」
叔父さんの質問にあたしは困惑した。両親は生まれた頃から居なく、二人とも魔法使いだった事しか知らない。
今更疑問に思っても仕方がない事。
「特に無いよ。お父さんとお母さんが魔法使いだった事しか分からないから」
「・・・・・・そっか」
いつもの口調で話したあたしに叔父さんは目を伏せて顔を下に向く。
「・・・・・・実は、お前のお父さん、俺の兄さんはただの魔法使いじゃないんだ」
「え?」
その言葉にあたしは困惑の顔で叔父さんを見る。
「お前のお父さん、ジャック・ティオーラは【暁の魔法士】と呼ばれる最高魔法士だったんだ」
「最高魔法士・・・・・・?」
「ああ、魔法士の階級では一番トップの地位の事だ。ジャックはその地位にいたんだ」
「・・・・・・・・・・・・」
そんなのは初耳だ。今までお父さんは普通の魔法使いだと思っていたのに、そこまで凄いとは思わなかった。
「・・・・・・・・・じゃあ、お母さんは・・・・・・?」
聞いてはならない。でも、聞かなければならない。そう本能は告げていた。
「・・・・・・・・・・・・」
しかし、叔父さんは黙っていた。きっと言っていいのか迷っているのだ。
「・・・・・・リク。お前は、魔法に長けた一族の事を知っているか?」
「・・・・・・それって、【古代種】の事?」
古代種とは、魔法に長けた長寿の一族。魔法が人にでも使えるようになる前に最初にその力を持った一族の事。
古代種は魔力が強く、呪文を言わずとも魔法が使える。人間の姿をしている為あまり見分けがつかないらしい。
今はミルス・クレア魔法院で古代種が二人いる事しか知らない。
本来なら魔法学校でも習う事でもあるが、普通学校でも基礎の基礎として習っている。
「でも、その事とお母さんとは関係があるの?」
「・・・・・・ああ」
一瞬、叔父さんの目が真剣さを宿っておりあたしは少しビクついてしまう。
そして、叔父さんは渇いた唇で口を開いた。
「お前のお母さん、リーシャは・・・・・・・・・・・・古代種の一人だったんだ」
その言葉に、あたしは頭の中が真っ白になった。
- Prologue ( No.4 )
- 日時: 2010/05/28 14:54
- 名前: 日向 (ID: zRIiH/oV)
叔父さんに告げられた言葉にあたしは不安を隠せなかった。
お母さんが古代種だったなんて・・・・・・、いまいち納得はいかなかった。
「お母さんが古代種って・・・・・・嘘でしょ?」
「嘘じゃない」
あたしの答えに叔父さんはキッパリと断言する。目に宿る真剣さにこれは本当だと思い知らされた。
叔父さんは少し間を置いて語り始めた。
『——あたしの母、リーシャは古代種の中で強大な魔力を持っており、星の声で未来を予言する星詠みの力まで持っていた。
その上母は500年も生き続けた人物でもあり、古代種達は母を【姫】と呼び、尊敬し、崇拝していた。
しかし、母には一つ欠点があった。それは、【魔法を使う度に寿命を削られる】呪いにかかっている事。
それを知った古代種の長、ファタ・モルガナは母の魔力を4分の3まで封じさせた。
魔力を封じた母は古代種達が住んでいた場所を離れ、この地にやって来て静かに過ごしていた。
そして20年前、母が住んでいた山小屋にある一人の青年が訪れた。それはあたしの父、ジャック・ティオーラだった。
当時の父は風の噂で母の元に訪れたという変人だった。
最初は父を警戒していた母だったが、父の明るさに母は少しずつ父に惹かれて行った。
しかし、自分の命は残り少ないと星詠みで知った母は父に別れを告げるはずだった。
父は魔法で母の未来を知っていた。それでも一緒に居たいと言う父に母は言うはずだった別れの言葉を告白の言葉に変えていた。
【ずっと側に居たい。私は、貴方をずっと愛する事を誓います】——それが、母が口にした告白だった。
そして5年後、父と母は結婚。そして、あたしを生まれた。
だが、あたしを産む時に母は残り少ない命を犠牲にして産んだ後、母はこの世を去った。
そして父も、あたしの出産日に馬車に引かれこの世を去ってしまう。
その後、叔父さんはあたしを引き取り、15年間秘密にして育てたのであった——』
叔父さんが明かした事にあたしは黙っていた。
あたしは、こんなにも愛されていたなんて、思わなかった。
何で気付かなかったのだろう。そう思うばかりだった。
「・・・・・・その後、兄さんの遺書でこの本を16歳——お前が成人として認められる歳まで開いてはいけないと書かれてあった。けど、もう話しちまったからしょうがない」
そう自棄気味で言った叔父さんは机の上においていた本をあたしに差し出す。
そのまま本を受け取ったあたしに、叔父さんは苦笑しながら言う。
「その本な、ページ全部がくっ付いてんだ。多分本の真ん中辺りを開けば開くかもしれないぜ」
そう言った叔父さんにあたしは本の真ん中辺りに指を当て、思いっきり引っ張った。
その瞬間、バコッと今まで開かなかった本が、開いた。
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