二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

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ブラッド・バンパイア—REBORN—
日時: 2010/06/15 12:53
名前: 冷却 (ID: X9/3/8Rv)

クリック有難うございます!


—俺はバンパイアだ。

—人間のお前とは違う・・・。

—怪物だとしても関係ないような気もするんだけど。


ある事を切欠にバンパイアから狙われることになった主人公《竜崎刹那》。

そんなある日、バンパイアの王子、ツナと出会う。

《伝説の血》を持つ少女とツナの話。






・目次
第零章
第一章 接触
第二章 覚悟の血
第三章 契約の血
第四章 承諾
第五章
第六章
第七章
第八章

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Re: ブラッド・バンパイア—REBORN— ( No.1 )
日時: 2010/06/14 20:19
名前: 冷却 (ID: X9/3/8Rv)

第零章


ネェ、シッテル?

伝説の血を持つ一族の生き残りの事を。

伝説の血を持つ子供はバンパイアから狙われ続ける運命を持つ。
その血を飲めば・・・——吸血鬼は強い力を手に入れることが出来る。
最後の一族の生き残り・・・。

吸血鬼と言うのは人間に恋してはいけないんだ。

何故なら・・・吸血鬼はその恋をした相手の血の《中毒》になるのだから。


バタンッ、

俺は、本を閉じた。

「・・・ばかばかしい」

吸血鬼が、俺たちが人間に恋をするなんて事はありえない。

少なくとも・・・現時点ではそう思っていた。

錯覚していた。

Re: ブラッド・バンパイア—REBORN— ( No.2 )
日時: 2010/06/14 20:35
名前: 冷却 (ID: X9/3/8Rv)

第一章 接触


「遅刻するッ・・・」

《俺》は道路を走り続ける。

何でこんな朝に限って遅刻するかな・・・。
俺はブツブツ文句を言いながらも走り続けていた。

「せ、セーフ「な訳無いでしょ」ひ、雲雀さん・・・」

ギギギ、と俺は後ろを見た。

腕を組んでそこに立っている雲雀さん。

ヤバイ・・・。
「スイマセンでした!」
俺はそう言って校門を乗り越えた。
「ちょっと・・・」

後ろで何かいっているような気がしたが気にしない。←

俺は校舎に向かって走り出した。



「す、スイマセン・・・遅刻しました・・・」

「竜崎・・・コレで何回遅刻した・・・」

呆れながら俺を見る担任教師。
俺だって好きで遅刻してるんじゃないっての。

一応言っておくけど、一人称は俺だけども、実際は列記とした女。

だけど俺はある事情で男装をして学校に通っている。

「席に座れ」
「ハイ・・・」
俺は席に座り、窓の外を見た。
明るく照らす太陽。
青空が広がって心地いい風が吹いていた。

「竜崎!これといてみろ」
「うぇ!何で俺!」
「遅刻した罰だ」
「・・・チッ・・・」
「舌打ちするな!」



夕方頃。

俺は急いでバッグに荷物を詰めていた。
隣の席の山本が不思議そうに言う。
「どうしたんだ?何か用事か?」
「俺の家門限が5時なんだよ・・・スッカリ遅くなった・・・」
俺は急いで鞄を肩に担ぎ、去り際に山本に言う。

「じゃーな山本!」
「おう!」

刹那が去って行った後、山本は微かに笑った。



「ゼェ、ハァッ・・・」

息切れになりながらも我が家に着いた。
俺は鞄を放り投げて、ベッドにダイブした。
「あっぶなかった・・・」

俺はバンパイアに狙われてる身だ。

夜は絶対に歩いては成らない。
夜になれば・・・暗くなれば、吸血鬼・・・バンパイアが動き出す。
家の中は結界やらなんやらで守られてるため、安全地帯となっている。

「・・・ハァッ・・・夜道を歩けないって事は、バンパイアとは真逆か・・・」


俺は昼の間しか行動できず、

 吸血鬼は夜にしか行動できない。


お互い同じってことか・・・。
俺は、静かに眼を閉じた。


バサッ・・・、


「・・・ん?」

眼を開ける。
窓の外を覗き込む。

「・・・吸血鬼?」

「・・・」


結界が張られているはずの家の塀の上に、黒いマントを羽織った吸血鬼が一人、立っていた。

Re: ブラッド・バンパイア—REBORN— ( No.3 )
日時: 2010/06/14 20:47
名前: 冷却 (ID: X9/3/8Rv)




「何で・・・」

俺は驚いてその光景を見つめる。

結界が張られているはずだ。
なのに何故平気そうな顔で家の塀に立っている?
体が一瞬硬直したが、俺はつばを飲んでその光景を見つめた。
吸血鬼が、一歩近づく。
俺はソレに連れて、一歩下がる。

怖くは無い、只、彼の威圧感に圧倒されているだけだ。

「・・・」

バサッと、マントを風でなびかせ、家の中に入った。
正確には、俺の部屋に。

「・・・!」

「・・・温い」

「・・・あの、土足は止めて欲しいんですけど」
「お前この状況で良く言えるな」

彼はクスクスと笑った。
俺は?マークを浮かべながら彼に言う。

「すげぇな。結界を張っているのに効かないほどの力を持っているなんて」
「まぁね・・・キミ、変わってるね」
「そうかな?」
「怪物を、怖がらない」
「俺は怪物も人間だと思ってるけど」
「・・・」

急に立ち止った彼。
俺は彼の顔を見る。
「・・・あー・・・御願いだから土足止めて欲しいんだけど・・・」
「・・・本当」
彼は靴を脱いで片手に持った。
「あ、怪我してるッ」

「・・・あぁ、」
(城を、無理矢理逃げ出したような物だからな)

「手当て・・・!」
俺はそう言って救急箱を取り出した。

「要らない」
「ハ?」


急に彼は俺の肩に掴みかかった。


「ッ!」

反動で壁に押される。

「・・・止めろ・・・!俺の血は・・・!」

注意を聞かずに飲み始める彼。
俺は激痛で顔を歪ませる。

「っ・・・」
「・・・!」

俺の肩から口を離してゲホゲホと堰をし始めた。

当たり前だ。
俺の血は——・・・。
「・・・ッ・・・」
彼は、グラッと体が傾き、その場に倒れた。

「・・・馬鹿だろ・・・俺の血を、飲むなんて・・・」

俺は、少しだけ悲しげにしながら、彼をベッドに運んだ。

Re: ブラッド・バンパイア—REBORN— ( No.4 )
日時: 2010/06/14 21:02
名前: 冷却 (ID: X9/3/8Rv)

第二章 覚悟の血


「・・・ん、」

眼をゆっくりと開ける彼。
部屋は暗くしている。
俺は彼を見て、溜息を吐いた。

「俺の血は、毒に近いんだ・・・のみ続ければ、お前達バンパイアは死ぬ可能性だってある」

「・・・お前は伝説の血を持つ伝説の人間か・・・?」
「あぁ、知らずに、飲んだのか・・・?」

俺は彼の顔を見る。
彼は少し、小さく頷いた。
「まぁ、毒って言っても一定の奴等だけだけどな」
「一定の・・・?」

「俺の体に流れる血の正式名は、《覚悟の血》だ。覚悟があるものしか・・・吸血鬼にしか、飲めないと言われているんだ」

意味は、俺にもわからないけどな。

「・・・フゥン」
「このままじゃお前、帰れないだろ?しばらく家に居ろ」
「・・・嗚呼。・・・お前、本当に変わってるな」
「ハ?」

「何で、人間・・・お前の敵のバンパイアを信じる?」

俺は笑いながら言う。
「まぁ、こっちもアル意味で世話になってるしな。それに俺も全員が悪い奴だって、思ってないし」
「・・・変な奴」
「さっきもいわれた」
俺は笑って、彼も笑う。
俺はハッと気がついて彼に問いだした。

「なぁ、お前の名前は?」

「俺の名前は、《沢田綱吉》・・・」

「そうか・・・——お前は、俺のこと怖いんだろ?」

「・・・!」

彼は眼を見開く。
図星らしい。
俺は笑う。
「まぁ、仕方ない。人間は確かに吸血鬼討伐をしてるみたいだしな」
「・・・」
「あ、俺はそんなことしねぇからな」
やるのは国家の連中だけだ。
そう言って俺は沢田綱吉に、向かい合った。

「夜まで此処にいてもいいぞ?そうだ、俺、昼食作ってくるから」

「・・・要らない」

「え、でも」
「吸血鬼が人間の食べ物食べても、味なんて感じない」
「そうだったのか・・・——じゃあ、どうしようか」
「・・・別に食べなくていい」
「・・・ゴメンな、」

—俺が、毒の血を受け継いでしまって。

俺はそう言って、部屋を出て行った。
「・・・」

—それは、お前の所為じゃない。

言いたかったけど、人間の恐怖が抜け落ちなかった。


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