二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

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- Horror Story - 【どう森】
日時: 2010/07/04 21:02
名前: noma ◆rN59HBJMM6 (ID: rtyxk5/5)

どもー! nomaです!
別の板で少し書いていたんですが、こっちメインで書いていくことにしました(´∀`)
タイトル通り怖い話を! よかったら見ていってくださいね!


+*+注意書き+*+

1. 登場人物はどうぶつ達です
2. この作品はオムニバス形式です


+*+目次+*+



>>1
>>2
>>3
>>4

Page:1



Re: - Horror Story - 【どう森】 ( No.1 )
日時: 2010/06/28 21:22
名前: noma ◆rN59HBJMM6 (ID: dWKALzjp)

—家—

ジョンの住む村に、誰が住んでいるかわからない家があった。
その家はいつもカーテンが閉め切っていて、夜になるとカーテン越しに住人の影が見える。
ただ、その住人が外で姿を見せることはなかった。

気にはなる。確かめようと思ったことも一度や二度ではない。
しかし、どこか不気味な感じがして、ジョンはいまいち踏み出すことができなかった。

「オバケだったりしてー」
「やめてくれよ」

ある日の夜。ジョンはロビンとその不思議な家のことについて話していた。
ただロビンは、怖がりのジョンをからかって楽しんでいるだけなのだが。

「不気味だよねえ。なんで外に出てこないんだろうねえ」
「……知るか」

ジョンはそう投げやりに言うと、そっぽを向いた。まったくたちの悪い。
しかしロビンは飽き足らないのか、急にこんな提案をしてきたのである。

「じゃあさ、これから一緒に確かめてみない?」

そういうロビンの顔を見れば、おかしそうに笑みを浮かべている。
ふん、どうせ俺を怖がらせようって思っているんだな。よおし……。
いい機会だ、とジョンは思った。ロビンにずっとからかわれるのもつまらないし、せっかくだからこの際確かめてやる。
ジョンは意地を張って「いいよ」と答え、二人は早速あの家へと向かっていった。

この時夜空には、珍しく赤い月がのぼっていた。

〜続く〜

Re: - Horror Story - 【どう森】 ( No.2 )
日時: 2010/06/29 23:36
名前: noma ◆rN59HBJMM6 (ID: VQ5Z3lvG)

>>1 の続き

例の家は、村の集落から外れたところにひっそりとたたずんでいた。
二階建の家。窓からぽつりと明かりがもれており、今のところ住人の影は見えない。
ここまで来たはいいけど……この後どうすりゃいいんだ?
そう思っていると、ロビンが軽く俺の肩をぽんと叩いてこう言った。

「先手は君に譲るよー」
「はあ? なんで俺が……」
「怖いの?」
「……別に」

じゃあどうぞ、とロビンはドアへと手をさし向ける。本当にたちの悪い奴め。
ジョンはゆっくりとドアの前まで行き、大きく深呼吸をしてから、ドアをノックする。
だが、返事はなかった。もう一度ノックをしてみる、が、やはり何もなかった。

「なんだ? いないのか?」
「でも部屋の電気、ついてるよ?」

おかしいな……そう思って、ジョンは何気なくドアノブに手をかけてみる。すると——。
ドアは軽く引いただけで、キイイと音を立てて開いたのである。
しかし、ドア口にはだれも立っていなかった。鍵をかけていない?

「やっぱり……誰もいないんじゃないか?」
「鍵開けっぱなしだー。不用心な人だねえ」

別に村で空き巣にあうこともないので、鍵をかけなくても平気なことは平気だが。

「いねえんなら帰ろうぜ。ここにいたってしょうがな——」
「ね、ちょっと覗いてみない? せっかくここまで来たのにさ、帰るなんてもったいないよー」

踵を返して帰ろうとするジョンを引きとめ、ロビンはうずうずとした様子で家を見る。
まあ、部屋くらいはちょっと見ていくか。住人のこと、何か分かるかもしれないしな。
そうしてロビンに促されるまま、ジョンは家の中へと入っていったのだった。

しかし二人は気付いていなかった。二階の窓で、何かの影が動いたのを。

〜続く〜

Re: - Horror Story - 【どう森】 ( No.3 )
日時: 2010/06/30 23:28
名前: noma ◆rN59HBJMM6 (ID: 7ZYwzC8K)

>>2 の続き

家っていうのは、その住人の性格とか、好みとかを表すものだ。
だから部屋を見れば、大体その住人がどんな人物かわかるというもの。なのに——。
この家には……何もなかった。普通置かれているはずの家具がなにひとつない。
二人はぼんやりと部屋の真ん中で立ち尽くした。

「……ここ、誰か住んでいるんだよね?」
「…………」

ロビンの問いに答えられず、ジョンは部屋を見渡したまま黙っていた。
生活感を感じさせないこの場所に、人が住んでいるとは思えない。しかし、だ。
夜になれば、カーテン越しに人影が見えていたのだ。前からそうだった。
わからない。ただ、ここにはもういたくない。そんな気がした。

「ロビン、もう出よう。なんかここ変だ」
「そ、そうだね」

ジョンはロビンの手を引っぱり、外へ出ようとした。が、突然ロビンが歩みを止めた。

「何やってんだよ」
「ねえ……二階から、何か聞こえてこない?」

ロビンは、二階へ続く階段の先をじっと見つめている。その奥は暗くて何も見えない。
だがジョンには何も聞こえなかった。
気のせいだろ、と言いかけてジョンははっと思った。

待てよ。そもそもこの家の住人は、外へ出てきたことがないはずだ。
この村は小さい。誰か出歩いていれば、すぐに見かける。
だけど、俺たちがここへ来るまで、誰にも会わなかった。ということは……。

「はっきりとじゃないけど、聞こえる。何の音だろう?」
「ロビン、早くここから——!」

そうジョンが急かすように言った時だ。

『キリキリキリキリ……』

〜続く〜

Re: - Horror Story - 【どう森】 ( No.4 )
日時: 2010/07/04 21:01
名前: noma ◆rN59HBJMM6 (ID: rtyxk5/5)

>>3 の続き

キリキリ、と不気味な音が響き、ジョンとロビンははっと顔を上げる。
二人が見上げた先、暗闇の奥に、人の姿があった。
あれは……間違いない、この家の住人だろう。やはりずっとこの家にいたんだ。
だが、住人の様子はおかしかった。

眉一つ動かさず、言葉も発さず、じーっとこちらを見続けている。
暗闇の中でぼんやりと浮かぶ白い顔。まるで感情などなさそうな——。
いや、あれは人じゃない。あれは……。

「人……形?」

ジョンもロビンも、驚いて目を見張った。
そう、俺たちの目の前にいるのは、人形だった。先ほどの音は、歯車の回る音だろうか。
人じゃ……なかった? いや、それよりも……人形がひとりでに動いているだって?
ただごとではない。俺たちは見てはいけないものを見てしまった気がした。

『キリキリキリキリ』

住人が一歩ずつ、ゆっくりと階段を下りてきた。ジョンとロビンは悲鳴を上げた。

「うわあああ!」

二人は家を飛び出した。暗い夜道を一目散に駆け抜けて、めちゃくちゃに走った。
怖い。怖い。
そう思って走っている時、ジョンは急に悪寒を感じて後ろを振り返る。
例の家、そのドア口に……人形がこちらを見つめて立っていた。

*

ジョンの住む村には、相変わらずあの家がある。住人が姿を見せることはない。
ただ時々、その住人がカーテン越しにこちらを見ているような……そんな気がするのだった。

〜終わり〜

++++++++++

ようやく終わった! 「どんだけかかってんだ。よくわからんし」と自分にツッこむorz
よし、次はもっと短くしよう…………たぶん。


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