二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
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- DRRR!!! You make me happy!!!
- 日時: 2010/07/23 17:37
- 名前: acco (ID: 7TIhQdvp)
- 参照: http://xranks1.peps.jp/nlbarank/&s_id=1a1a1a1a
—讀さんが入室されました—
"あははこんにちは讀です.お初ですね〜.
え?読み方が解らない?あはは〜
実に中傷的な質問ですねえ.
讀さん傷つきましたよ.あはは〜
ドクですよ.えへ、覚えましたか.
私は日本列島の端、長崎県民です.
やはりですねえ大都会気になっちゃって
ガマンできなくて入っちゃってすいません.
これから来るんで、よろしくお願いします.
では今日はこのへんで〜
落ちます"
—讀さんが退室されました—
—現在、チャットルームには誰もいません—
—現在、チャットルームには誰もいません—
—現在、チャットルームには誰もいません—
—現在、チャットルームには誰もいません—
—現在、チャットルームには誰もいません—
—田中太朗さんが入室されました—
【こんにちは】
【讀さん、初ですね】
【これからよろしくお願いします】
—田中太朗さんが退室されました—
- Re: DRRR!!! You make me happy!!! ( No.2 )
- 日時: 2010/07/22 19:27
- 名前: acco (ID: 7TIhQdvp)
「うーん...」
「どしたよ帝人.そーんな溜息ついちゃって.あもしかしての恋煩い!?って相手わかってんじゃーん燃えねーホント燃えねー.帝人くーんそんなんじゃ全然ダメだぜ解ってるかよー」
「主語が無い時点で理解不能かな」
「うっわ辛辣ぅー」
「辛辣!そんな言葉知ってたんだね」
二つの影が賑わう道路を色濃くする.
後ろからの光はまるで二人を特別と主張するように輝く.
片方は携帯を弄り、片方は人なつこい笑みで話す.
今は午後7時37分42秒78学生が帰る時間帯である.
「で、どうしたんだよ」
「うーん...それが、ほら、見てよ」
「ん」
金色—紀田正臣が携帯を覗き込む.
黒色—竜ヶ峰帝人が携帯を渡す.
「...うわーおエキセントリック」
「意味解って言ってる?」
「んなワケないじゃん.つか長ッ!コイツのコメント.
こーゆーの俺苦手だーアク禁しちまえよ管理人!」
画面にはびっしり夥しい数の文字、文字、文字.
時折"!"などが入っている事から明るい内容だとは想像できる.
だが全て読もうという気にはならない.
「荒らしかとは思ったんだけど...内容が内容で」
「んー...
"このごろお腹周りが太くなったんですよー
皆さんはどーですか?痩せてるイメージなんですけど
良いダイエットとかありませんかねー
長崎は坂が多いけど全然痩せませんよ.
こんな消極的じゃダイエットなんて成功しませんよね
あー痩せたいですー"
...まあ荒らしじゃねーよなァ」
「明るいんだけど...コメント長すぎって言うか」
「こーゆーのが一番困んだよな.解る解る」
「会話の一つ一つが長い人に理解されても...」
「あーはいはい!
んでどーすんの.管理人にアク禁しろって言えば?」
「うーん...讀さん、かあ」
「このニックネームから怪しいし」
そんな理不尽な、
と言う表情をする帝人.
「そんなふうによォ、のさばらせておくと後が大変だぜ?」
「そー、だよねぇ...頼も」
ぴ、ぴ、、
とメールを打つ.
どうせ管理人である甘楽—折原臨也も、同じ事を考えているだろう.
「送信、と」
「ん、可哀想だけどそれが一番だって」
「うん、」
そう言って携帯を閉じる.
だから二人は知らない.
讀の最後のコメントを.
—讀さんが入室しました—
"こんにちはー、と誰もいませんね.
皆さん朗報ですよーと言っても個人的な朗報ですけど
みなさん、東京都民ですよね.
なんと今年の夏休みーっと、私は学生なんですけど、
夏休み、東京にずっと在住するんで
見かけたら声かけてくださいねーっと
そんなこと、常識的にムリでしょうけどねー(笑)
では、さようなら!"
—讀さんが退室されました—
—現在、チャットルームには誰もいません—
—現在、チャットルームには誰もいません—
—現在、チャットルームには誰もいません—
—現在、チャットルームには誰もいません—
—現在、チャットルームには誰もいません—
—現在、チャットルームには誰もいません—
—甘楽さんが入室されました—
≪あー上京するんですかー!≫
≪すれ違ったりしたら面白いですよね≫
≪そんな朗報の矢先、アク禁しちゃいました☆≫
≪すいませんねー≫
≪まあ、会えたら会いましょう!≫
≪ではでは☆≫
—甘楽さんが退室されました—
—現在、チャットルームには誰もいません—
—現在、チャットルームには誰もいません—
—現在、チャットルームには誰もいません—
- Re: DRRR!!! You make me happy!!! ( No.3 )
- 日時: 2010/07/22 19:29
- 名前: acco (ID: 7TIhQdvp)
<空牙さん
ありがとうございます!
- Re: DRRR!!! You make me happy!!! ( No.4 )
- 日時: 2010/07/22 20:55
- 名前: acco (ID: 7TIhQdvp)
—…夏休み初日午前5時47分39秒29
竜ヶ峰宅玄関前にて
「やあ帝人クンぐーぜんだねぇ!」
「その大きな旅行バッグはなんですか臨也さん」
ドアをノックしといて偶然とは.
どれほど自分中心なのだろうか、と帝人は考える.
確かに連絡は来た.
しかし五分前のメールを果たして[連絡]と呼べるのかどうか.
どちらかと言うとあれははモーニングメールに等しいだろう.
「まーまー冗談だよー.あ、あがるねーわー暑.
エアコンはーもしくは扇風機ー.
扇風機好きだよだって[あーあーあー]って言うの楽しいもん」
「そうですか無いです」
「あららそうなの.学生クンは大変だよね全く」
どさりと四畳半の部屋の中央に荷物が降ろされる.
(どれだけ横暴なんだろうこの人は)
中身は...最低でも二日分は入っているだろう.
(ノーパソもきっと入ってるに違いない)
「ごめんねー急にー.でもね困ってたんだー」
「わざわざ池袋に来る以外に困る事があるんですか...」
「そぉそ.ほら見てよー」
ごそ、
と取り出されるパソコン.
ぱかりと開く.スリープにしていたようで、ヴン、と重い音がする.
「ん、」
「え」
画面が帝人に向けられる.
ブラックアウトした画面.鏡のように自分が映る.
「スリープじゃなかったんですね」
「いやぁ、スリープだったんだよ」
「どう、いう?」
「意味かって?ほらココ見て」
ちょんちょん、と画面の端に細い指が行く.
気付かなかったが、そこには[残り67%]と書かれていた.
そしてそれはゆっくりと数を減らしていく.
「なんですか?この数字」
「パソコンのデータ内容量のお残りパーセンテージ」
「へー......
....えっ!!??」
それってヤバくないですか!?
と叫ぶ.
あは、と空笑いする臨也.
「ヤバいヤバい超ヤバーい☆
だってこのパソコン個人情報満載だよー?
6つパソコン持ってるんだけど、これアジア州の人のプライバシー満載なのー☆
あはは、既に半分取られてるー」
「笑い事じゃないですよ!どーすんですか」
「んー?帝人くんのパソコン借りればーなんとかなるよ!」
「ぼくの...」
と言って自分のパソコンをチラリと見る.
旧式の古いパソコンが新型のノートパソコンを守れるだろうか?
「スペックは問題無しだよ.ココがあるからね☆」
と自分の頭をコン、と叩く臨也.
溜息を吐きながらも起動させる帝人.
「どーするんですか?」
「んーとね.とっちめたいけどー
まずはプライバシーを守らないとね☆
このパソコンには[ダラーズ]の個人情報満載でしょ?
それをー...言うなら磁石のプラスにするんだよー
こっちのノーパソのデータは言うならマイナスな存在だからね.
引きつけようと思うんだ.まあ頑張ればいけるよ.」
「.....良い考えだとは」
思います、けど、
と自分の古いパソコンを見る.
「僕のパソコンパンクしません?」
「...さ、がんばろっかなー」
「臨也さん!!!???」
必死の表情で掴みかかる.
それだけは避けたい.
「あはは大丈夫だよーほら新しく買ったのあるから☆
データ移しながらやるよ」
と真新しいパソコンが出てくる.
「ブルジョワ」
「それもう死語だよ帝人くーん」
- Re: DRRR!!! You make me happy!!! ( No.5 )
- 日時: 2010/07/22 22:05
- 名前: acco (ID: 7TIhQdvp)
かち、かちがちっ、がちガちがちがチッ
時計の針は午前11時17分8秒を指す.
だがその音を掻き消す程の叩音が部屋を満たしていた.
ぼんやりと臨也を眺めていた帝人は、思い出したように立ち上がった.
「臨也さんっ、留守番、頼めますっ?」
「ぅーん?いーよいーよー超オッケー
なになに紀田くん?紀田正臣くん?」
「そですっ!初日こそナンパだとか意味わかんないですけどっ!」
「あー頑張ってね.だいじょーぶ集中してるけど泥棒には気付くよ」
「はい、おねが、します!」
がちゃがちゃ、ばたん!
半ばやけくそでドアを閉める.
カギ良し、郵便無し、臨也さんも大丈夫...なハズ!
「うああ、あ、遅れる」
靴の踵を踏みながら走る.
待ち合わせは駅前の歩道橋の上という微妙な所.
しかしそこにロマンがあるんだとかどーとか.
「初日からナンパって...40日間、どうなるんだろ」
ずっと付き合わされるのはゴメンだ.
だけどやる事もないし.
「まあ、なあるようになれば良いかな」
途中で走るのをやめる.
彼のために走るなんて、とバカバカしくなってしまったのだ.
ああそう言えばチャットルームにこの頃行ってなかった.
少し覗いてみようかと携帯を開く.
—田中太朗さんが入室しました—
【こんにちは】
【誰もいませんね】
「ログでも覗こうか...」
かちかちかち、
とスクロールを繰り返す.
彼、いや、彼女?どちらなのだろう.
あの[讀]と言う人物はアク禁にされたようで、あのメールをした日以来来てない.
だが、あのメールをしたほぼ同時刻にアクセスがあったようだ.
その、内容は—…
「上、京...」
せめて夏休みまでアク禁依頼を待てば良かったか、と思う.
オフ会、というか、やはり顔が見てみたかったもので.
ちょっとだけ損した気分だった.
「学生、かあ.そうっぽかったもんなあ」
中学?高校?いやまさかの小学生?ありえないワケじゃあない.
「まあそんな事考えても、」
意味無いかな、と携帯を閉じる.
歩道橋が見えてくる.
上には手すりにうっかかる金色がいた.
- Re: DRRR!!! You make me happy!!! ( No.6 )
- 日時: 2010/07/22 22:58
- 名前: acco (ID: 7TIhQdvp)
「おせーおせーおせーおせー!!ユーアーレイト!おーけー?君は遅れたのだよ帝人クーン?そこんトコ解ってる!?」
「うーんムリかなあー」
「おーそーかよしかし関係ねえ!ホラ見ろ帝人!
街には夏休みで浮かれてるsweeeeeeetなgirlsで溢れかえってるぜぃ!?」
「うーんそーだねえー」
かちかちかち
携帯を弄る帝人.
それを見て溜息を吐く正臣.
「みかどくーーん.俺等は倦怠期のカップルじゃねーんだぜえー?ダチだぜ親友だぜ?会話しねーとダメじゃんよー」
「うん、わかってる...待ってもうちょっと」
「さっきから何やってんだよおおー」
「ログ、見てるんだ」
二人は歩道橋の上にまだいた.
理由は帝人が動かないからだ.
ひょい、と携帯を後ろから覗く正臣.
「あーあのチャットの.アク禁なった?」
「うんなってた、けど...」
「ど?」
「上京する、って報告?で終わっちゃってて」
「あー...会ってみたいワケだ.まあ解るけどな.あんなコメントなげーヤツ、顔拝んでおきてーよなあ」
「拝むとか...まあそうだけど」
「で、どんなヤツかログ見て想像してるてワケ?」
「うん...
見た感じ女の人っぽいよ.体型の話とかよくするし.
あと学生だって...高校かな、中学かな.
そんだけしか...わかんないや」
「チャットだもんな、諦めろ!さあ、行くぞナンパ!」
「仕方ないなあ...」
再度携帯をなおして、正臣の後ろを歩く.
ついつい隣を通る女性に目がいく.
あの人だろうか、あの人だろうか....
「うっひょおおおお!!」
「な、なに紀田く、!!」
いきなり大声を出す正臣.つられて大声を出してしまう.
「見ろよ、ホラ!夏美女!ほら!」
「えぇ....あ、あの人?」
丁度駅から出ている様子の二人組.
片方はセミロング、片方はショートの癖毛.
どちらも笑顔で、とても明るそう.
「よしゃ行くぞ!」
「えぇ、レベルが...」
「話せればOKだって!」
ぐいぐい引っ張られる.
引きずられ、無理矢理二人組の近くに行く正臣.
「よしゃ話しかけて...」
「わあ!!??」
また他の列車から人が降りたのか
駅からの人の出が激しくなり、バランスを崩す.
「あ、おい!!帝人!帝人ー!!!」
人に流されて、正臣と離れてしまった.
どんどん遠くなる金髪見やり、急いで携帯を出す.
携帯に視線を移した時、後ろに衝撃.
思いっきりぶつかってしまったようだ.
「す、すいませんっ」
「いや、こちらこそっ」
振り返れば、さら、とした髪の毛が目に写る.
眉を少し下げた、明るい雰囲気を醸し出す—…
「さっきの...!」
「えっ、会いましたっけ」
「どした」
ひょい、とショートの方も出てくる.
混乱してしまい、帝人は慌てる.
「いやあの会ってない、ん、ですけどその」
「あーうん、えと...」
「落ち着きなさいな、どしたん?」
にっこり、とショートの人が笑う.
和む.まさに和んだ.
「えーと、少年落ち着いた?」
「あ、はい、あのありがとうございます」
「律儀やねえー、都会言ってもあんま変わらんねえ、人は」
「え、や、あのボク出身は違うんで...」
「あらそお!それでも都会人言うわなあ?」
「言うんじゃない?」
「あ、の、ボク帝人と申します、あの、」
「自己紹介?良いよー
でもなんで名字言わないの?」
「そやねえ、みかど君?どして?」
「いやあの、竜ヶ峰、ですけど、」
「ふーん?あたしは月見里杉菜」
「千々石ミチルやよ」
「やまなし、すぎなさん...
ちぢわミチルさん...ですか」
どちらも珍しい名字だ.
なんだか竜ヶ峰が普通に聞こえてくる.
ああ、だから変に言われたりしないんだ.
「みっかどー!いたいたー!探したぜえ、と、え!!」
正臣が目を見開く.
当然だ.美女が目の前で親友と会話していたのだから.
「友達かな.月見里杉菜です」
「また紹介せんばと?千々石ミチルやよ〜」
「あ、えあ、紀田正臣でっす☆今を煌めく高校生です!」
「あ、ウチらおばさんやな」
「だね、だって大学生だもん」
「大学生はおねーさんですよ!」
眼をキラキラさせながら言う正臣.
下心見え見えだよ...と思う帝人.
「うふふ、高校生可愛いなあ」
「だね.じゃあそろそろ行こうか」
「ん、じゃね帝人くん、正臣くん」
「さよーならぁ!!」
「さようなら」
二人が去っていった刹那、正臣が帝人を見る.
「なんで知り合ったんだよ!」
「え、ぶつかって、」
「羨ましいぶつかったとか!柔らかかったかええ!?吐け!」
「いやそんな疚しいこと...」
と、言いながらもスギナにぶつかった時の事を思い出す.
ああ、あの時携帯なんて出さなかったら、もっと...
じゃないじゃない!!
って....あ!!!
「携帯!!!!」
「へ?ポッケは」
「な、な、ない!ぶつかった時、落としたかも...」
「やばいだろソレ.とりあえず携帯会社に連絡すっか」
「う、ん、お願い...」
顔が青ざめる帝人.
あの中には...と考えると、安心なんて出来ない.
どうしよう、その五文字が頭の中でぐるぐる廻っていた.
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