二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

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薄桜鬼*弐つ目の物語 
日時: 2010/10/26 21:20
名前: 椎名* ◆hRE1afB20E (ID: yA6Y/.Us)

初めまして、椎名という自由人です^^
コメ板で小説を書かせてもらってます





どうも、クリックありがとうございます!

軽く自己紹介で改めさせていただきます。
自分、初めての薄桜鬼で原田さんルートに行った輩です←
しかも、好きなキャラが不知火っていう(笑)
斎藤さんとか、風間さんではなく、何故か不知火。
原田さんルートの後半、良い奴にしか見えないんだよ…orz

と、言う事でこの話は鬼の人達中心にした話です^^
坂本とか、高杉とか…チラッとしか出てきてない人物とかも、
登場させれたら登場させたいです。


完結目指して頑張ります、意思弱いスレ主ですがよろしくお願いしますm(_ _)m


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Re: 薄桜鬼 * 鬼 ( No.5 )
日時: 2010/10/26 21:05
名前: 椎名* ◆hRE1afB20E (ID: yA6Y/.Us)

登場人物


名前/読み【伊禮 獅御/イレイ シシオ】
性別/年齢【男/見た目は20歳前後】
容姿【短髪で真っ黒な色。瞳は深い藍と紅のオッドアイ。何時も余裕の笑みを浮かべ、背は少し高め。
   身軽そうな紅い着物の上に、黒地に白の柄が入った大きめの羽織りを着ている。】
性格【自由気ままで神出鬼没。興味の無い事には、常に傍観の立場に身を置くようにしている。】
武器【鎖鎌】
備考【濃い鬼の血を引く者。故に鬼の力を持っている。】
経歴【幼き頃から好んで人間に干渉する為、鬼の外され者として生きてきた。蒼鬼。
   千姫に己の身を保護されてからは、千姫には各地に散らばった鬼の捜索と保護、召集を任さる。
   現在はその任を受け持ちながら、単独で各地を歩きまわっている。】



【鬼】

・雪村 千鶴/ユキムラ チズル

・千姫/センヒメ

・君菊/キミギク

・風間 千景/サザマ チカゲ

・不知火 匡/シラヌイ キョウ

・天霧 九寿/アマギリ キュウジュ


【新選組】

・土方 歳三/ヒジカタ トシゾウ

・沖田 総司/オキタ ソウジ

・斎藤 一/サイトウ ハジメ

・藤堂 平助/トウドウ ヘイスケ

・原田 左之助/ハラダ サノスケ

・永倉 新八/ナガクラ シンパチ


Re: 薄桜鬼*弐つ目の物語  ( No.6 )
日時: 2010/10/26 21:21
名前: 椎名* ◆hRE1afB20E (ID: yA6Y/.Us)

序章




文久三年 十二月


その夜は、月明かりの明るい寂しげな夜だった。
冬の寒たい風が己の頬をかすめ吹き去ってゆく。
…京の都の夜は、日中とは打って変わって静かなものだった。

「——京か…久しぶりに“帰って”きたな」

そんな夜の京に響く、凛と落ち着いた声。
それは、たった今自分が漏らした、皮肉交じりの感嘆の声であった。 

月明かりが照らすのは、黒地に白の柄が入った大きめの羽織り。
その下からは、小豆色にも似た紅い着物が、風により見え隠れする。
そして、夜の闇に浮かび上がるのは、血のように紅い彼の左目。
対して右目は、海底を連想させる様な、どこまでも深い藍をしていた。
その藍は、最早夜の闇と同化していた。

「———…」

耳を澄ましても風の音しか聞こえぬ夜の京に、俺は寂しく笑った。
「まぁ、いくら数の多い“人間”と言えど…流石に京の夜は、物騒で出歩く気にもならないか…」
全く出歩いていない訳でもないが、少なくとも街の人間は外にはいない。
見かけるのは、物騒な刀を持ち歩く浪士の連中を数人のみ。
「!」
と、噂をすればという奴か…
俺はチッと舌打ちすると、建物の陰に身を潜めた。

——新選組、だ。

あの夜にも目立つ、昼の空の色をした羽織りは間違いない。
…俺の羽織とは対照的な羽織を着た男三人は、俺に気付く事無く通り過ぎた。
『…、行ったか』
俺は深いため息をつき、再び道に出た。
全く…久しぶりに“姫様”に会う前だってのに、物騒なものを目にしてしまった。


——しかし、俺は鬼の癖に…人間に丸腰か。…皮肉だな。


俺は、自分自身に言い聞かせるかのように、そう思った。
『けどまぁ…それも仕方がない事か』


俺達“伊禮家”は、大層な“鬼”様と違って…ひ弱な“蒼鬼”だからな———…


そして俺は、自嘲気味に、悲しそうに笑った。



「…さーて、さっさと戻るか」
そうだ、俺は早く帰らねば。“姫様”に、今日の内に戻るといってある。
こんな所で、道草を食っている暇はない。

俺は身をひるがえして、その場を去ろうと体の向きを変えた。
だが、その時だった。

「——あ!?おい、待ちやがれ小僧!」

『…ん?』
微かに聞こえた、人間の怒鳴り声。
まさかと思い、声のする方向を見ていると、まさに思った通りだった。
さっきの新選組の連中三人が、怒るような形相で誰かを追っていた。
その相手は、明らかに自分たちよりも年の低い人間。
「……、
 オイオイ…新選組ってのは、あんなにも汚ない連中だったか…?」
俺は、その様子を見て怪訝に思い、そう呟いた。
自分よりも弱い立場の奴を襲って、身ぐるみでも剥ごうってか?

…所詮、“人間”は“人間”か…。

俺は、本日何度目かの溜息をつき
追いかけられていた人間を庇おうと、その人間に目を向けた。

だが、その時俺は凍りついた。
人間でなく、俺の目線が注がれたのは———


『待て…アイツの持ってるあの小太刀は、まさか……!』


そう、その人間が持つ“小太刀”だ。
俺は、とっさに人間の後を追ったのだった。






まさか、この出来事が…この出会いが、
あんなにも一瞬の様で、長い物語の始まりだとは、到底思わなかった。

そして、その行く末に在るものを、俺…“伊禮 獅御”は知る筈も無い————…

Re: 薄桜鬼*弐つ目の物語  ( No.7 )
日時: 2010/10/27 16:02
名前: 樹梨 ◆aPyJ7u0BB. (ID: yA6Y/.Us)

こんにちは

流石、文才ありますね・・・スラスラ読ませていただきました。
更新頑張ってください^^ 
期待もこめて、応援しています!

Re: 薄桜鬼*弐つ目の物語  ( No.8 )
日時: 2010/10/28 22:17
名前: 椎名* ◆hRE1afB20E (ID: yA6Y/.Us)

>樹梨さん
コメントありがとうございます!
私に文才はありませんよ、あっても妄想力くらいでs((
期待に答えられるよう、更新頑張ります!

Re: 薄桜鬼*弐つ目の物語  ( No.9 )
日時: 2010/10/29 21:26
名前: 椎名* ◆hRE1afB20E (ID: yA6Y/.Us)

序章 続き



俺は、“あの”小太刀を追って、追って、暗い路地に差し掛かったその時———、それを見失った。
どうやら、あの子は逃れる為に身を隠したらしい。
『クソッ…!何であの子が“あの刀”を持ってる!?あるいは、まさかあの子が…?』
俺は様々な考えを頭で巡らしながら、一番のその解決策を考える。


俺が———まずしなければならない事、それは同胞…“鬼”を一人でも多く見つけ、保護する事。
それは、“姫様”に命じられた俺の使命。俺の存在意義は…その命を果す事だ。
そしてその次に、その“姫様”に顔を見せに戻る。ある理由で地方に散らばった鬼との接触についての詳細を報告する為だ。

そして、最も重視し隠密に任された使命———…それは、ある一族の生き残りを探し、無事保護する事。

その一族は絶滅してしまったと聞かされていたが…“ある男”がその一族の生き残りを探していると耳にした。
“ある男”…もし、その一族に生き残りがいるならば、絶対にその男に近づけてはならない。

あの男…“風間 千景”は、あまりに危険だ。
風間は、血の濃い鬼の一族の血を引く者。そして、風間家の頭領。
俺の探している一族を、利用しようとしている…と、姫様は言っていた。
なので俺は、風間の動きを窺いながら今までその一族の生き残りを探してきた訳だが…

———だが、たった今その使命を果す時が訪れたのかもしれない。

俺の探している一族…“雪村家”に代々伝わる二本の名刀——今、目にしたのは小太刀だったが…
あれは間違いなく雪村家の刀だ。つまりあの子が…雪村家の生き残りなのかもしれないという事————!



『———…だが、あの子が仮に雪村家の者だったとしても…何故人間に追われてるんだ?』

ふと、俺はそんな疑問が頭をよぎった。
人間くらい、斬り捨ててしまえばいいだろうに。特に、雪村家のような“濃い血”の者なら“力”が強いあるはずだ。

…あの風間の様に。


「ぎ…ぎやあああああああああああ!!」


突如夜の街に、そんな断末魔が轟いた。
「!?」
一瞬嫌な嫌な予感がしたが、あれはおそらく…あの新選組の連中だろう、声で分る。
…いや、問題はそこではない。
あの子を追いかけていた新撰組の連中が悲鳴を上げた訳だ、少なからずあの子の身にも危険が及んでいるかもしれない、という事だ。
『…、
 オイオイ、まさかな…』
と、俺はある事を思い出し、苦笑を浮かべた。

「———まさか、新選組の“赤眼”の奴等じゃないだろうな…!」

俺はチッと舌打ちをしながら、声のする方に向かって走った。



俺はそこへ、意外と早く見つける事ができた。
それは、今日が月明かりの明るい日だったからなのかもしれない。
大きな道を外れた路地に…その光景はあった。

———辺りには、悲惨な程大量の血が散っていた。倒れている人間の新撰組の羽織は、己の血で赤く染められている。
そして、その屍に弄ぶように何度も、刀を突刺す三人組みが居た。その三人の口から洩れる声には、最早狂気しか混じっていなかった。
『案の定…当たり、か』
俺は、その三人の姿を見て、やはりな、と、心の中で呟いた。
血の様に赤い目、鬼の様に…真っ白な髪。そして、血に飢えた狂った理性…。

『新選組は、何故こんな物を作ろうとするか…俺には理解しがたい』

何が楽しい、何がしたい。
所詮は鬼のまがい物だろう、最早理性さえ失っているではないか。

…滑稽極りないな。


ジャラッ——

俺は、己の腰にさげていた鎖鎌を手に取り、地面を蹴った。

“赤眼”について、少々聞いたことがある。
鬼の様に再生能力が高く、傷を一瞬で塞げてしまう。しかし、鬼と違い———“赤眼”には致命的な弱点がある。
それは、“赤眼”は昼の、日の光が苦手である事。そしてもう一つは、

心臓か首を斬れば、死ぬ————


——ザシュッ
俺は、その“赤眼”一体の首を深く鎌で斬った。次に、それに気が付き接近してきた二体目の刀を素手で押さえ、さらに一閃を加える。
素手で持ち怪我をした所で、すぐに直るのでさして問題はない。
二体目に、止めをお見舞いすると、三体目の方に向いた。俺と距離を取り、様子を窺っているようだ。
『理性失ってる癖に…理性的だな』
俺はそれを見て、そう嘲笑った。


“パキン”


だがその時だった。
その路地に、小枝を踏み割る音が響いたのだ。
「!
 …あっ…」
そこには、あの子が立っていた。


しかも、あの“赤眼”の側で。


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