二次創作小説（紙ほか）※倉庫ログ
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- フェアリーテイル〜無の滅竜魔導士〜20話更新
- 日時： 2012/06/25 02:41
- 名前： アビス （ID: dFf7cdwn）
最近忙しくて更新率が悪いです。
フェアリーテイル第二弾です。完全オリジナルストーリーを作りたいと思って始めます。
と、言っても竜関係のことは被るところがあると思います。ここは大事なところだと思うので・・・・。
そんな中途半端な自分ですが、よろしくお願いします。
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キャラ紹介
名前：シト 性別：男 年齢：？？
使う魔法：滅竜魔法（無） 技集>>10
好きなもの：人以外の生物 嫌いなもの：人
備考・・・
大怪我を負っていた処、フェアリーテイルに拾われる。
人を非常に嫌っており、まともに対話することも嫌っている。
だが、人以外の生物には心を許し、無垢な笑顔を見せたり、会話も出来たりする。
幼少の頃、無の竜『ザルチルーニ』に育てられた。
それ以外の過去をを語ろうとはしない。
そんなシトだが、フェアリーテイルに入って少しずつ人に心を開いていくようになっていく。
名前：シャーナ 性別：女 年齢：19歳
使う魔法：重力（グラビティ） 技集>>11
好きなもの：ギルド 嫌いなもの：フェアリーテイルを馬鹿にする人
備考・・・
大怪我を負ったシトを発見して、フェアリーテイルまで運んだ本人。
ばっさりとした性格で面倒見が良い。
小さい頃に親をなくし、物心が着く頃にはギルドにいるため、
ギルドに対する愛着が人一倍強い。
名前：サクラ 性別：女 年齢：17歳
使う魔法：滅竜魔法（花） 技集>>22
好きなもの：花 嫌いなもの：害虫（ゴキブリ・ムカデ等）
備考・・・
当初、自分が滅竜魔導士だと思っていなかった。
花が好きでよく花言葉を使う。
1話>>1 2話>>2 3話>>7 4話>>8 5話>>9
6話>>12 7話>>13 8話>>14 9話>>15 10話>>16
11話>>17 12話>>18 13話>>19 14話>>20 15話>>21
16話>>23 17話>>27 18話>>29 19話>>30 20話>>31
- Re: フェアリーテイル〜無の滅竜魔導士〜 ( No.1 )
- 日時： 2011/01/16 22:13
- 名前： アビス （ID: U3CBWc3a）
１話〜記憶喪失の少年・シト〜
ここはどこだろう。真っ暗だ。何も見えない。
体に走るこの感覚は痛みかな。でも全然痛くないや。
死ぬのかな。それもいいや。もう生きててもいい事ないし。
このまま意識を闇の中へと落とせば、もう僕は目覚めることもないかな。
・・・・でも、最後にもう一度だけ会いたいや。会いたいよ、『ザルチルーニ』。
————————————————————
「ん・・・んん」
少年が目を覚ます。重い瞼を開けて目だけを動かし辺りを見渡す。
「ここは一体？」
体を起こす少年。体がびきびきとするが、動けないほどじゃない。
少年はどうして自分がここにいるかを思い出すため、記憶を遡った。
だが一向に思い出せない。自分が目覚める前の記憶だけすっぽりと抜けていた。
少年は自分の体を見る。包帯が体中にきちんと巻かれている。
どうやら自分は相当な大けがを負っていたらしい。その衝撃で記憶がなくなっているのだろう、と解釈する。
「ミラ。そろそろあの子の包帯を変える時間じゃないか？」
「あ、そうですね」
外からそんな声が聞こえてくる。それに少年は震えあがった。『人』の声だ、と。
暫くするとドアが開き、そこから銀髪の女性が包帯を持って現れた。
「あら。もう目覚めたの？」
「え・・・・ええ」
「でも、まだ動いちゃだめよ。まだ傷は癒えきってないから」
女性はそう言うと、少年に近づき包帯を変えようとした。少年はそれを震えながら待った。
それに気付いた女性は、首を傾げながら尋ねる。
「どうしてそんな震えてるの？寒い？」
「い・・いえ。そうじゃなくて・・・・」
少年の態度に疑問を持ちながらも、女性は少年の包帯を変えようとその手に触れた。すると
「触るな！！！」
少年の目つきが変わり、少年が醸し出す空気が一変した。そして
—ズゥゥゥウンン！！—
少年の周りの物が一瞬で消滅した。幸いにも女性は手を引いてきたので無傷だったが、
今の消滅で床も消えて少年は下へと落ちてしまった。
「うわあああぁぁあぁぁあ！！！」
—ゴチン！！—
不幸なことに落ちた先には丁度人がいて、そのまま頭と頭がぶつかりあってしまった。
そのまま少年と、その下にいた犠牲者はそのまま気絶してしまった。
————————————————————
「んん・・・・」
意識が戻った少年。頭にひんやりとしたものを感じた。
「あ。気付いた？」
「！！！！」
見ると自分は長椅子の上に寝ていて、頭には氷嚢が置かれていた。
そんな状況は先ほどの女性が優しい笑みで眺めていた。
それを見て、少年はすぐにその女性と距離を取る。だが、周りには野次馬がいて、少年を囲むように
人だかりが出来ていた。少年はその状況に震えあがると、誰もいなさそうなニ階へと飛び上がった。
「どうしたんだいあの子？急におっかない顔して」
大樽を持った女性が少年を見ながら、先ほどの女性に話しかけた。
「さぁ、私にもよく分からないのよ。何か凄く怯えてるみたいなの」
「大丈夫かえ？」
少年が左を見る。と、すぐ横でキセルを吹かして座ってる老人がいた。
少年はすぐにその老人からも距離を取る。
「なぜ、逃げるんじゃ？」
「昔から人間は嫌いなんだ」
「なぜじゃ？」
「意味なんてないよ。人が人を好きになるのに大きな理由なんてないんだろう？」
「確かにそうじゃな」
「ここはどこなの？どうして僕はここにいるの？」
そう言うと老人が教えてくれた。ここはギルド『妖精の尻尾（フェアリーテイル）』。
ギルドのメンバーが任務中、自分が大怪我を負っている姿で発見したらしく連れてきたということ。
「お前さん。どうして大けがして倒れてたんじゃ？」
「覚えてないんだ。その辺りの記憶がすっぽり抜けてるんだ」
「・・・お前さん。家族はどうしてる？」
「無の竜・ザルチルーニがいるけど、今はどこにいるかわからない」
竜という単語に皆が驚いている中、一人だけ反応が違うものがいた。
「竜！？」
それは先ほど少年の真下にいた少年。桜色の髪にマフラーをしている。
「お前、今竜って言ったか！？」
「だったら何？」
「お前『イグニール』って知らないか！？火の竜・イグニール！！」
少年は目を丸くした。自分以外から竜という名を口に聞いたのは初めてだったからだ。
「知らないよ」
「そっかぁ」
マフラーの少年が落ち込む。少年はそれをちらりと見た後２階の窓へと手をかけた。
「どこ行くんじゃ？」
「傷を治してくれたのを感謝してるよ。けど、何時までもここには居たくないから、帰る」
そう。少年は速くここから出たかった。いつまでもこんな人が沢山いる所になんて居たくなかった。
「お前さん・・・帰るところはあるのか？」
その言葉に心に少しズキリと来た。
「・・・別に、特にないよ。それになくたってあんたには関係な・・・」
「なら、ここが帰る場所にしたらええ」
老人の言葉に外に出ようとした体が止まり、そして老人の方へと向き直った。
老人は満面の笑顔でこちらを見ている。
「別にお前さんが嫌ならそのまま去ればよい。じゃが、ここを帰る場所にしたいと思うなら、
名前を聞かせてもらわんかのう？」
少年は正直すぐにその場から去ろうと思った。けど、体はその通りに動かない。
帰る場所にしたらええ。その言葉が胸の奥に引っ掛かり抜けない。
なぜかと考えているうちに少年の口から出た言葉はこうだった。
「シト。名前はシトって言うんだ」
これがきっかけで少年、シトの人生は大きく動き始める。
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