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薄桜鬼 Loyal —誠— 第九章 〜巡察〜
日時: 2011/04/25 22:05
名前: mk (ID: PMHGkQdB)

お昼ごはんも食べ終わり、私は自分の刀を腰にさし巡察へいくための身支度を始めた

外に出ると既に沖田さんと平助君が待っていた

「美波ちゃん、遅すぎるよ。待ちくたびれちゃった」

「大丈夫だよ!そんなに待ってねーって!」

文句を言う沖田さんとそれを庇ってくれる平助君・・・

見てるだけでなんだか楽しいな・・・

「待てせてごめんなさい!準備できました」

「じゃあ、行こっか」

そう言って、私たちは屯所を出た

街のあちこちを歩き、私は初めて見る景色に感動した

街では人がたくさんいてとてもにぎやかだった

巡察の途中である店の前で私の足が止まった

「ねぇ、平助君!あれなに?」

平助君の袖を引っ張り引き止める

「お?あぁ、あれはかんざしだぜ!お前、あれ欲しいのか?」

「ううん、違うよ。千鶴ちゃんがつけたらかわいいだろうなぁって思っただけ」

そういうと平助君はかんざしをつけた千鶴ちゃんを想像したのだろうか?

顔を赤くした

「そっ、そうだな!」

そんな会話をしていると沖田さんからまた文句を言われた

「君たち遅いよ、もっと早く歩ってくれなきゃ」

「ごめんなさーい」

「おお、悪い!」

そうして私たちは急いで沖田さんの後を追いかけていった・・・

屯所へ戻ってきたのは3時頃だろうか?

戻ってきてすぐに沖田さんと平助君の隊の人たちは解散した

私も2人にお礼を言って急いで自室に戻った

「おかえり、美波ちゃん」

「ただいま!千鶴ちゃん」

「ねぇ、街はどうだった?」

千鶴ちゃんが聞いてくる

「うーん、とってもにぎやかだった!そういえば、巡察の途中で千鶴ちゃんに似合いそうなかんざしを見つけたの!」

「え?ほんと?」

「うん!今度、私がお金貯めて買ってあげる!」

私がそう答えると千鶴ちゃんが嬉しそうに笑った

「ありがとう」

「じゃあ、私一旦斎藤さんの所に行くね?着流し貸してもらったお礼言わないと」

「いってらっしゃい」

そう言って千鶴ちゃんは見送ってくれた

私は部屋から出ると、斎藤さんの部屋に向かった

「斎藤さーん?いますかー?」

「入れ」

感情が読み取れない声が聞こえた

私が部屋に入ると斎藤さんが手元の紙から目を離した

「なんの用だ?」

「えっと、着流し貸してくれてありがとうございました」

「別に礼などいらない。俺はただ使っていない昔の着流しをあんたに与えただけだ」

淡々と話す斎藤さんは私に着流しを貸したことなどどうでも言いようだ

それはそれでちょっと悲しいが・・・

「いや、でもこれかりっぱなしじゃちょっとあれだからあとで洗濯して返しますね」

「それはあんたにやる」

思っても見ない返事が返ってきたことによって私はその言葉を理解するのにかなりの時間がかかった

「いいんですか?」

最後の確認として私が聞くと斎藤さんは軽いため息をついた

「何度言わせれば気が済むんだ?それはあんたにやる。返さなくていい」

「ありがとうございます!斎藤さん大好き!」

そういったとたん斎藤さんが顔を赤くした

「と、とりあえず俺は夕食の用意をしてくる」

そういい残して斎藤さんは部屋から出てってしまった

斎藤さんが出てって部屋が静寂に包まれた・・・

「多分今日だね。土方さんからの知らせが来るのは・・・」

『そうだな、お前はあいつが忠告をちゃんと聞いたと思うか?』

「さぁね・・・わかんないや。信じるか信じないかは山南さんしだいだから・・・」

『そうか・・・。まぁ、いいんじゃないか?どっちでも』

黎はどうでもいいとでも言うように小さく笑った

「うーん、それはちょっと困るかな?山南さんが変若水使っちゃったらめんどくさいし。てゆーか、多分今日平助君殴られるわ。助けてやんなきゃしょーないかな?」

『勝手にしろ』

それっきり黎は喋らなくなった

私は立ち上がり、広間へと向かった

もちろん用事などない。ただの時間稼ぎだ

広間へついた。ただ今準備中って感じだな

広間にはお膳が並べてある。

もちろん私と千鶴ちゃんの分はここにはない

「そろそろ行くかな」

一人で呟き私は広間を後にした・・・・・・

部屋から少し離れたところで一旦ストップした

千鶴ちゃんが丸窓のそばにいたからだ。

ついでに言うと沖田さんが丸窓のすぐ下に背を預けている

我ながら酷いことを言ってしまうが、ホントに千鶴ちゃんは鈍感だと思う

可愛いからいいのだけれど・・・

千鶴ちゃんはただいま独り言タイムのようだ

ここにいても聞こえてくる

沖田さんが千鶴ちゃんに声をかけたらしい

千鶴ちゃんの顔がみるみる青ざめていった。

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Re: 薄桜鬼 Loyal —誠— 第九章 〜巡察〜 ( No.1 )
日時: 2011/04/25 22:06
名前: mk (ID: PMHGkQdB)

それを見ているとお膳を持った斎藤さんが横に立った

「何をしている?」

「あれです。とめてくださいよ」

私が指を差していうと斎藤さんは軽いため息をつきながら私たちの部屋に向かっていった

私はその後ろをついていった

「そろそろいいだろうか」

「さ、斎藤さんも聞いてたんですか!?」

「つい先程着たばかりだが」

「よ、良かった・・・」

千鶴ちゃんが安堵の声をあげた

「そもそも、今の独り言は聞かれて困るものじゃないだろう」

「斎藤さんそれは聞いたって言ってるようなものです」

「えっ!!美波ちゃんも聞いてたの!?」

私が言うと千鶴ちゃんが驚きの声をあげた

「ごめん、聞いちゃってた・・・」

千鶴ちゃんは私の言葉を聞くとがっくりと肩を落とした

  たたたたた

不意に後ろから足音が聞こえた

「あのさー、飯の時間なんだけど」

そう言って姿をあらわしたのは平助君だった

夕食の時間なのに斎藤さん達が来ないから呼びに来たんだろう

「片時も目を離すなって土方さんの命令だからね」

沖田さんが言う

「だったらこいつらも俺らと一緒に食わせればいいんじゃねーの?」

「部屋から出すな、との命令だ」

「いいじゃん!土方さんは大阪出張中なんだし・・・」

斎藤さんに言われても食い下がる平助君の意見に賛成したのは沖田さんだった

「そうだね。僕もこの子が食べてるの見てるだけなんて退屈だし」

沖田さんはそう言って、斎藤さんが持っていた膳を持ち上げて平助君に渡した。

「え?なんで俺に渡すんだよ・・・?」

平助君は意味が分からないとでも言うように首をかしげた

「言いだしっぺは君でそれに賛成したのが僕だから。行くよ」

そして沖田さんは広間へと向かっていった

「え・・・えっと」

千鶴ちゃんはどうすればいいのか戸惑っているらしい

「千鶴ちゃん!ここはもうお言葉に甘えて広間に行こうじゃないか!」

私が言うと千鶴ちゃんが頷いた

そして私たちは広間へと向かった・・・・・・


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