二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

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夏目友人帳〜鬼事 おにごっこ〜
日時: 2011/05/15 09:55
名前: 妖菜 (ID: HPUPQ/yK)



おはようございます。こんにちわ。こんばんわ。
はじめまして。ごきげんよう。妖しい菜っ葉の菜で「あやな」です☆

夏目友人帳の小説を書いてる人が少ない(というかいない?!)ので
書くことにしました!
こうして原作をもとに自由に書くことは初めてですので、どうぞお手柔らかにお願いもす!!ww

というわけでオリジナル小説なので、オリキャラ出します!

縁(よすが)瞳の色&髪の色:濃い紅色 ショートカットのくせっ毛

はい。こんなですねw あとはお馴染みのキャラクターをだしていきます。原作の緑川様、本当に申し訳ない泣

* キャラ崩壊注意! 夏目が腹黒いです!!ww

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Re: 夏目友人帳〜鬼事 おにごっこ〜 ( No.1 )
日時: 2011/05/15 10:10
名前: 妖菜 (ID: HPUPQ/yK)

 鳥の鳴き声が聴こえ、カーテンの隙間からは日の光が差し込む。
——そんな清々しい朝を迎えた夏目貴志(なつめたかし)は、息苦しさで目が覚めた。
「んん・・・?」
薄目を開けて見ると、白いふわふわとした毛が見えた。ただそれだけだったが夏目がその正体にたどり着くには十分だった。
「はぁ・・」
彼は短く息を吐き、僅かな怒りをにじませた拳を「それ」に向かって、振り下ろした。

ごつっ!

鈍い音の後、「にゃーっ!」という変な悲鳴があがり、白い毛の美しい姿から狸のような三毛猫ような姿になった生き物が煙から現れた。
「何をする!この野蛮人め!」
仮の姿にもどったニャンコ先生が額の大きなたんこぶをさすりながら抗議する。
一方の夏目は私服に着替えながら言葉を返す。
「先生が人の上で寝てるのが悪いんだろ?まったく。今日は寝てるだけだったからまだ良かったけど」
「ふん。お前の苦労なんてどうでもいい。最終的に『友人帳』が手に入ればそれで充分だ」
「はぁぁ・・・」
夏目は深いため息をついて、一階へと降りて行った。

Re: 夏目友人帳〜鬼事 おにごっこ〜 ( No.2 )
日時: 2011/05/21 18:27
名前: 妖菜 (ID: HPUPQ/yK)

 彼—夏目貴志は小さな頃から変なものを見ることが多かった。
他の人には見えないらしいそれらは妖怪と呼ばれるものの類なのだと今では理解している。実際、飼い猫として共に暮らしている、【自称・用心棒】のニャンコ先生も「斑」という高貴で美しい(?)妖なのだそうだ。
 夏目の祖母のレイコは強力な妖力を持っていたようで、出会った妖怪に片っ端から勝負を挑み、いびり負かして、子分となった証に名前を書かせた。それらの紙が束になっている帳面を『友人帳』という。
 持つものに名前を呼ばれれば決して逆らえず、破ったり、燃やされてしまえばその妖は消滅してしまう・・・。
 そんな扱いに困ってしまうようなものを遺品として継いで以来、「寄こせやー」と、妖に襲われたり、狙われたり、名前を返したりと結構、ハードな毎日を送っている。
 小さい頃、見えているものがみんなには見えていないことを知らなかった彼は何度も周りに訴えた。
「あそこに変なものがいるんだ」と。けれど、誰にも信じてもらえず、最終的には親戚にタライ回しにされるという最悪な状況になった。そこから救い出してくれたのは遠縁の藤原さん夫妻だった。

Re: 夏目友人帳〜鬼事 おにごっこ〜 ( No.3 )
日時: 2011/07/01 16:15
名前: 妖菜 (ID: ET0e/DSO)

 一階へ降りて、リビングへはいると、丁度、藤原夫妻の奥さんの方—藤原塔子が朝ごはんの支度をし終わったところだった。
「あら、貴志くん。おはよう」
「おはようございます」
 夏目はいっつも、この人たちと友達だけにはいい顔をする。ニャンコ先生はそれが不満でならなかった。
—なにかと助けてやってるのは私なのに・・・。
と。
「それにしても、今日は学校お休みでしょう? ずいぶんと早起きねぇ」
塔子が持ち前の人のよさそうな笑顔で尋ねると、夏目は到底、ニャンコ先生には見せないさわやかな笑顔で答えるのであった。
「はい。とっても清々しい朝なので、ニャンコ先生を連れて散歩でも行こうかと思って」
「にゃっ?!」
思わず喋りそうになるのをこらえて、猫飯を食べる。
—何故、私が散歩に行かねばならんのだ!
食べながら、じぃっと睨みつけていたが、気づいているのか、いないのか。夏目は爽やかにスルーしていたのであった。

Re: 夏目友人帳〜鬼事 おにごっこ〜 ( No.4 )
日時: 2011/07/25 09:08
名前: 妖菜 (ID: idHahGWU)

 そういう訳で二人(一人と一匹?)は、今現在、散歩中なのだった。
 天気は晴れ。まさしく散歩日和ではあるのだが、塀の上を歩くニャンコ先生の表情は不機嫌だった。
「そんなに怒るなよ、先生。最近、また太ってきたんだからいい機会じゃないか」
「うるさい!それに私は太ってなんかない。この依り代がぽっちゃりしているだけだ」
「ぽっちゃりしてるのは自覚してるんだ?」
そんな会話をしながら歩いていると、ニャンコ先生の鼻がピクリと反応した。
「むむっ?!この匂いは・・・」
「?」
ハテナマークを浮かべる夏目を無視して先生のテンションは一気に高まった。
「酒だ!酒の匂いがするぞ!!夏目、ちょっとそこで待っとけ!」
一気にまくしたてて、先生は塀の向こう側の茂みに消えて行ってしまった。
「あ?!ちょっと、先生!・・・はぁ」
—ダイエットするために連れて来たのに酒飲みに行ったら意味ないじゃんか。全く。
呆れ返る夏目。そんな彼に声をかける影が一つ。

「レイコ?」

きれいな女の声だった。が、そんなことを訊いてくるのは妖くらいしかいないことを夏目は十分理解していた。
 無視するわけにもいかず、声のしたほうを見ると、木の枝に座ってこちらを見ている着物姿の女がいた。
 彼女は夏目と目が合うと、いぶかしげな表情をして首を傾げた。
「レイコ・・・じゃ、ない?」
「レイコは俺の祖母だよ」
夏目は言いなれた答えを口にした。
女妖怪は一瞬、目を丸くしたが、左程、驚いた様子をみせずに木から地面に降り立った。
「ふぅん。そうか。ソボということは、お前は——えっと、マゴなのか。あのじゃじゃ馬娘をめとった男がいるとはなぁ。物好きがいたものだ」
女はくつくつと笑い、今度は間近で夏目の顔を凝視した。
「にしても、似てるなぁ。そっくりだ。レイコの子供はどんななんだ?やっぱりそっくりなのか?」
「・・・両親もいないよ」
妖の問いに夏目は答えた。少しばかり目を伏せて。
「そうか。なら、友人帳を所有しているのはお前しかいないのか」
彼女は淡々とそう言って、夏目が肩から下げている友人帳の入ったバックを指さした。
その態度に夏目は少しばかり警戒した。
—やっぱり、友人帳狙いか・・・?
だが、その予想は外れた。目の前の女がいたずらっ子のように微笑んで言ったのだ。
「安心しろ。そんなものに興味は無いよ。でもね——」
「でも?」
訊き返すと、女は顔から表情を消した。
紅色の目がまっすぐ夏目を射抜く。
「これ以上、それを薄くしようものなら私にも考えがあるぞ」
「・・・? どういう?」
女が意味深に笑い、口を開きかけたその時だった。
ごつっ・と、鈍い音を立てて、ボールのように真ん丸になったニャンコ先生が彼女の頭に体当たりした。
「っ?!痛った〜!!!」
女が悲鳴をあげて、頭を抱える。
一方のニャンコ先生は既に泥酔状態で、痛みも何も感じていない様子だった。
「先生。どんだけ飲んできたんだよ?」
「ぅい〜、そりゃあ、もう、飲めんくらいに——」
「う、その声は、斑、か?」
「んにゃ?」
自らの本当の名前を呼ばれ、ニャンコ先生は目の前にうずくまる女を見た。
「誰だ。お前?」
その言葉に女は、はっとした表情を浮かべ、その場に正座した。
「失礼。名乗り遅れたな。私は縁(よすが)というものだ」
女妖怪——縁はにっこり笑って頭を下げた。
「以後、よろしく」

Re: 夏目友人帳〜鬼事 おにごっこ〜 ( No.5 )
日時: 2011/08/13 09:43
名前: 妖菜 (ID: idHahGWU)

 丁寧に頭を下げて自己紹介をする縁を、ニャンコ先生は鋭い目つきで観察している。
「で?縁とやら。何故、私の名前を知っている?私はお前を知らないぞ」
先生の言葉に、正座をしたままの縁はケラケラと高笑いした。
「それはそうだ。斑のことはレイコからきいたんだ」
「レイコから?」
「そう。私はじゃんけんは弱いが、鬼事は得意でな。よくここら辺をレイコと一緒に走り回ったものさ」
言いながら夏目を見、ふっと微笑む。
「だがしかし、斑ともあろうモノがそんなちんちくりんになっているとは知らなかった。同情する」
「ちんちくりんじゃない!同情するな!」
と、ニャンコ先生が毛を逆立てたところで、夏目は口を開いた。
「じゃあ、縁は友人帳に名前があるって事か?」
「あぁ。だが、いらない。名前はそこにおいたままで結構だ」
「え?」
これは予想外だった。いや、名前を返しそびれたりして未だに返していない妖もいるが、自ら「いらない」と言ってきた妖は初めてだった。
「で、でも、これから忙しくて返せなくなるかもしれないし——」
「いいんだ」
縁は静かに首を振った。
「私はレイコの友達だ。レイコが再びここに戻ってきたときに友達がいなければ可哀想だろう?」
ぞわ・と。
何かが背中を撫でて行った。——悪寒というのだろうか?そういう類の何かが・・・。
「フン。ヒトがそう簡単に生き返るわけがないだろう。レイコならありそうだが。——おい!夏目、行くぞ!!」
ニャンコ先生の声に、我に返った夏目は、無言で先生の後をついてその場を立ち去った。
「また来てくれよな〜!」
後ろから縁の声が聞こえる。
夏目は彼女の方を振り向きつつ、呟く。
「先生。さっき、なんか嫌な予感がしたんだ。よく分からないけど」
「だったら関わらないほうがいい。そういう本能的な直感には従ったほうがいいぞ」
「・・・」
確かにその方がいいかもしれない・と思った。
けれど、やっぱりどこかでは放っておけないと思っていたりもして。
—なんだろう。この感じは。

『レイコが再びここに戻ってきたときに友達がいなければ可哀想だろう?』

その縁の言葉が頭の中をぐるぐるとまわっていた。


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