二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

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ありがとう、さようなら。 【ギャグ日短編集】
日時: 2011/07/17 16:21
名前: おかか (ID: .WGhLPV.)

     ありがとう、さようなら。

 僕と出会ったキミ。







初めまして。おかかと申すものです。

今回はギャグマンガ日和を基盤とした時系列無視の短編を描きたいと思います。
小説は不慣れなもので少しおかしい場所があると思いますがご了承ください。
少し女性向け表現のような不快感を与えてしまったらすいません。
小説の種類は様々で原作、現パロ、学パロ……などです。

宜しくお願いいたします。


目次———
【原作】…飛鳥組:>>01(太子命日)>>02(現代/花屋パロ)


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Re: ありがとう、さようなら。 【ギャグ日短編集】 ( No.1 )
日時: 2011/05/24 21:30
名前: おかか (ID: h9rhVioE)



【飛鳥組】








太子命日文












「———————……太子、今も倭国は平和です」




シロツメクサが一つ、ぱちりと咲いた。




















そして今日も大忙しな一日が始まる。




「太子! 何度言ったら分かるんですか仕事しろ!」

「嫌だね!」

「このアワビ!」

「キャット!!!!」


仕事を全くせず遊びほうけている上司、摂政の聖徳太子だ。
冠位五位の僕が言うのもなんだがバカでアホでアワビな摂政。
こんなんで倭国はよくやっていけると思う。


「ねえ」

「何ですか?」

「なんか遊びに行かない?」

「いつもしてるようなもんじゃないですか」

「今日は特別! 良いところを見つけたんだよ! 妹子行くでおま!」

「うぁああ! もぅ……今日だけですからね!」

「よっしゃ! 無限に広がる大宇宙!」


ぐいっと強引に手を引かれ、僕は太子に着いて行った。
立っている他の役人たちはもう呆れ顔でこちらを見ている。
太子は馬を出していた。


「太子、馬を出すのは僕がやりますよ……」

「いいや、それでは意味がないぞ! 私が連れて行ってやるんだからな!」


いつにもなく太子は本気だった、何でだろうか。
必死で暴れ馬と噂される馬を出しているところに苦笑してしまう。


「いくでおま! ほれ、後ろに乗るんだ妹子!」

「なんでですか、僕には愛馬の小野デラックスが「いや乗れ!」

「……はい」


僕は少し躊躇いながらも馬に乗った。
流石、聖徳太子。摂政なだけある。馬の操り方が上手い。
元々、天皇の子であるし神の子とも言われたお方だった。
僕がこんな役目を務めてもいいのか、とまで考えてしまう。
















暫く、僕は寝ていたようだ。
昔の記憶を思い出した。
ここにいるのは冠位十二位だった頃の僕と、目の前にいる神の子————聖徳太子様。
あの人は、あの頃からそうだった。








「……も…きろ…」

「妹子、起きるでおま!」

「うぉお! 太子!」

「妹子着いたぞ! ここが特別な場所だ!」


目の前を見てみると、一面に広がる緑、緑。
それはまさしくクローバー畑だった。


「こんなとこ……あったんだ……」

「よし! 四つ葉探すぞ!」

「待ってください! 太子ィィ!!」


クローバー畑に降り立ったかと思うと太子は四つ葉を探し始めた。
まあ、こんな所なかったからな。
下のクローバーはまるでふかふかの絨毯のように敷き詰められていた。
大きいものから小さいものがある。






「—————なあ、妹子」

「なんですか? 太子」

「最期に—————妹子とこの場所、見れて嬉しかったよ」

「……最、後?」


その会話と深い沈黙を残し、朝廷へと帰った。










——————そして、その次の日から急に太子の様子が一変した。










「……馬子様。太子は、太子はどうなって……」

「……おや、太子から事情をきいとらんようだな……まあ、太子ならそうするだろうな」



















—————————嘘だ。




太子が、かなり前から不治の病を患っていたなんて。

変わらない笑顔で、接してくれていたのに。

太子は、そのために———————————















「……太子」

「あぁ、妹子。なんだ? 罵倒しに来たのか?」

「馬子さんから、全て聞きました」

「——————……っ……いも……」

「なんで、本当のことを……言ってくれなか……」


気づくと目の前がうるんできた。
太子は辛いだろうに、いつもどおり能天気にいてくれたんだろう。
知らなかったのは僕だけだったようだ。


「ですけど、クローバー畑で言ったあの言葉は間違ってます」

「え?」

「最期じゃありません。最後でもありません。また、会えます」

「……そうだな、妹子」

「…はい」







「……また、な」


優しい微笑を浮かべ、その瞬間、太子から炎が消えた。
顔は青白く、少し体温が残っているだけ。


「太子……ッ……また……また、何処かで……会いましょう…!」


僕の顔から、一つの涙が零れ落ちた。



そして、太子の顔からも一粒ぽたりと雫が落ちた。






「あんたは、倭国で一番の摂政ですよ。聖徳太子」











太子命日   二月二十二日




           この二人の絆は永遠に。









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Re: ありがとう、さようなら。 【ギャグ日短編集】 ( No.2 )
日時: 2011/07/17 16:18
名前: おかか (ID: .WGhLPV.)


【飛鳥組】現パロ/花屋パロ














   Nerine













ある下町の小さな花屋。
そこを覗けば、すぐに甘い香りが鼻孔をくすぐる。
そこには、十代の少年と、その祖母であろう年老いた女性が経営している少し古びた店。
私は学校の行帰りそこを通り道として歩いている。

理由は


「あれ、いらっしゃい……毎日飽きないでよく来ますね」

「こんにちは。此処に来ると……なんでか、落ち着くんだ」

「とりあえず」


お茶、淹れてきますね。と言って少年は駆けていく。
少年の名前は小野妹子。おかっぱのサラサラとした茶色い髪と、女性にも見える中性的な顔立ち。かといってひょろひょろでもなく、鍛えているようだ。
彼の両親は既に亡くなっており、両親が経営していたこの店を引き継いだのだという。
周りを見ると、少しレトロな店内の雰囲気に色とりどりな花々があり、薔薇にマーガレット、チューリップ、霞草に菊……

気づくと、目の前には緑茶の入った湯呑が入っていた。


「ああ、ありがとう」

「いえ、毎日花を買って行っていかれるのでそのお礼で」


貴方がこの店一番の常連客ですね。とへらっと笑みを零す。
ずずっと緑茶を啜ると、今日はカサブランカを買った。


















とても迷っている。
今通っている高校はかなりの進学校であり、有名な大学や国立に行く生徒だって少なくない。
なかなか私は自慢じゃないが頭が良い方なので、推薦だって夢じゃない。
しかし、そこまで行くようになれば。
ここは田舎。高校だって電車で片道二時間。行くとしたらあちらに上京するのもありえる。
そんな悶々とした頭と格闘しながらの毎日。

そうだ、私には予想以上にこの町————花屋に執着心を持っている。
この町から離れるのが嫌だ、いやだ、いやだ、嫌でたまらない。それはただの我儘である、しかし頭の中でずっと蜘蛛の巣のように張り巡らされる『いやだ』の言葉。


今にも、狂ってしまいそうだ。







「大学?」


とうとう耐え切れなく、妹子にそのことを打ち明けた。一瞬表情が見えなくなったが、すぐにこんな言葉が出てきた。


「馬鹿じゃないですか? アンタ。そんなことであんなに悩んでたんですか……アホらし」

「アホらしは無いだろアホらしは! てか急に毒舌になってない!? ひどっ!」

「ほら、」





「前のアンタに戻ったよ」


そういう強気な所がここの所ありませんでしたからね、といたずらっぽく笑った。


「大学、行ってください」

「……は?」

「貴方がこの町に必ず戻ってくるのなら、この花を最後に差し上げます。当店のサービスです」


ぱさ、と手渡されたのはピンク色の花束だった。


「ネリネ、という花です。ヒガンバナ科ですけど」

「ヒガンバナってお前……ちょ……」

「ですけど」









この花の花言葉は———————……













懐かしい匂いが鼻孔をまた、くすぐった。




『おかえりなさい』






     Nerine

  (また会う日を楽しみに)




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Re: ありがとう、さようなら。 【ギャグ日短編集】 ( No.3 )
日時: 2011/07/17 16:20
名前: おかか (ID: .WGhLPV.)




ネリネの花言葉は「華やか」「また会う日を楽しみに」「幸せな思い出」「輝き」「忍耐」「箱入り娘」なんですね。
その中のまた会う日を楽しみにっていう花言葉にずっきゅんきて(
これは書かねばと思いました^^

今度は細道組書きたいです!では!




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